冬季練習に励む札幌大谷ナイン＝11月、札幌大谷学園・室内練習場より

11月25日、冬季練習に励む中学硬式野球・札幌大谷シニアの選手たちを取材した。新チームの札幌大谷は秋季新人リーグ戦を5戦4勝1敗で2位通過。迎えた決勝トーナメントでは1回戦の苫小牧・苫小牧西シニアに5‐4と競り勝つと勢いそのままで決勝進出。決勝は札幌新琴似シニアに3‐4と涙するもあっぱれの活躍を見せた。

チーム訪問は、今年も代表して数人の選手たちに来季へ向けた抱負を色紙にしたためてもらい主将・將田明基君(2年・北野リトルメッツ出身)が、チームの特徴や目標を動画で語ってくれました。

◆2017秋・札幌大谷シニアメンバーはコチラ

有賀監督に聞いた！

札幌大谷シニア・有賀監督

【選手構成】
2年：14人　1年生：23人

Q1）秋季大会を振り返って？

「大会直後に、エースの江口がケガで投手として離脱するアクシデントがあったが、三津谷を含む投手陣の頑張りで守りからリズムを作り少ないチャンスをものにし、全国大会出場を掴むことができました。但し、細かな判断ミスもありまだまだ課題が有りますが、春の全国大会を見据えて修正し、身体も一回り大きくし、投げる、打つなどスケールアップしたい」と今後の成長にも期待した。

Q2)新人戦で印象深い試合を挙げてください。

「決勝トーナメント1回戦で戦った苫小牧・苫小牧西シニア戦。決勝トーナメントの初戦と言うこともあり硬さが目立ち、ミスが重なり六回終わって2‐4と劣勢から七回、2者連続四球を足がかりに2番・濱野がライト前2点タイムリーで同点とすると続く3番・江口が逆転打を放ち試合をひっくり返した。この試合で勢いに乗り決勝進出へとつながったと思う」と今秋のポイントなった試合を挙げた。

◆第44回秋季全道新人戦　兼　第34回麻生自動車学校杯全道大会

▽1回戦
(1日、野幌総合運動公園第一球場)
札幌大谷
１０００１０３＝５
００００４００＝４
苫小牧・苫小牧西
(札)三津谷、森谷、永倉、將田－將田、森
(苫)熊野－渡辺

4人の投手陣と3人の攻撃陣の名前が挙がった

★投手陣では4人の名前が挙がった。有賀監督にはコントロール、スピード、経験、マウンド度胸、スタミナ、監督からの信頼度など5段階評価で選手を紹介。

◆三津谷　瑠太投手　2年・石山アトムズ少年団出身　右投げ・右打ち
新人戦では9番・投手兼遊撃手として活躍した。
スピード⇒③　コントロール⇒④　経験⇒④　マウンド度胸⇒④　スタミナ⇒③　信頼度⇒④
～監督から一言～
秋の頑張りは大きい。ピッチャーとしてショートとしてチームの中心として頑張ってほしい。

◆江口　聡一郎投手　2年・真栄ビクトリー出身　右投げ・右打ち
新人戦では3番・投手兼外野手として活躍した。
スピード⇒③　コントロール⇒④　経験⇒③　マウンド度胸⇒④　スタミナ⇒④　信頼度⇒④
～監督から一言～
今年の冬で、しっかり身体を作りゲームを作れる投手になってほしい。

◆將田　明基投手　2年・北野リトルメッツ出身　右投げ・右打ち
新人戦では4番・捕手兼投手として活躍した
スピード⇒⑤　コントロール⇒③　経験⇒③　マウンド度胸⇒⑤　スタミナ⇒④　信頼度⇒④
～監督から一言～
主将としても捕手、投手としてチームをけん引してほしい。また気持ちが強いのでもう少し変化球を磨き、後半抑え投手としても期待している。

◆永倉　　央投手　2年・新琴似パワーズ出身　右投げ・右打ち
新人戦では投手として活躍した
スピード⇒③　コントロール⇒③　経験⇒③　マウンド度胸⇒④　スタミナ⇒③　信頼度⇒④
～監督から一言～
ストレートはかなり良くなってきている。変化球も磨きもう一つレベルアップを目指してほしい。

★打撃陣では3人の名前が挙がった。投手陣同様、有賀監督にバットコントロール、長打力、チームバッティング、ミート力、勝負強さ、監督からの信頼度を5段階評価で表してもらった。

◆石鳥　　颯　2年・エルムファイターズ出身　右投げ・右打ち
新人戦では5番・一塁手として活躍した。
バットコントロール⇒④　長打力⇒④　チームバッティング⇒④　ミート力⇒④　勝負強さ⇒④　信頼度⇒④
～監督から一言～
4番・將田の後ろで大事な場面で回ることが多いので、勝負強いバッティングに期待します

◆大野　魁土　2年・千歳ブラックバード出身　右投げ・右打ち
新人戦では1番・二塁手として活躍した。
バットコントロール⇒③　長打力⇒④　チームバッティング⇒③　ミート力⇒③　勝負強さ⇒④　信頼度⇒④
～監督から一言～
足があるので出塁率を上げてチャンスメイクしてほしい。

◆濱野　　櫂　1年・新川ウィーディス出身　左投げ・左打ち
新人戦では2番・右翼手として活躍した。
バットコントロール⇒④　長打力⇒③　チームバッティング⇒④　ミート力⇒④　勝負強さ⇒⑤　信頼度⇒④
～監督から一言～
下級生を引っ張っていってほしい。

★思い思いの言葉を色紙にしたためた

※NGワードは全国優勝、全国制覇。もちろん大目標であることは 周知のこと、その大目標を実現するために、チームの中で自分は何をするべきかを問いた。

写真左から三津谷、將田主将、石鳥

◆「　強　」主将・將田　明基(2年・北野リトルメッツ)
「すべてにおいて強くなる。この冬は、特にバッティングに力を入れる」と意気込んだ。秋季新人戦・札幌西シニア戦では、初回二死三塁からツーベースヒットを放つなど勝負強いバッティングを見せる。身長172㎝、体重73㎏。右投げ・右打ち。

Q１）印象深い試合は
「秋季全道大会・決勝トーナメントの決勝、札幌新琴似シニア戦。悔しさだけが残る。4打席3三振1四球、次はリベンジします」と次回再戦で雪辱を期す。

Q2）チームのキーマンは
「江口聡一郎。復活して活躍してくれると思う」と期待した。

Q3）新チームで戦った相手の中で、対戦相手の中に良い選手と思えた選手を一人挙げてください。
「札幌東シニアの大橋勝人投手。理事長杯・準決勝でノーヒットノーランと抑え込まれた」と表情を曇らせた。

「　強　」主将・將田選手

◆「　要　」石鳥　　颯(2年・エルムファイターズ)
「チームの柱になれるように！チームの要になるよう努力します」と力を込めた。新人戦では5、6番を任されバッティングでの長打力と一塁手としての守備力が持ち味だ。身長178㎝、体重66㎏。右投げ・右打ち。

Q１）印象深い試合は
「秋季全道大会・決勝トーナメントの決勝、札幌新琴似シニア戦。最終回、1年生がチャンスを作り、自分に打席が回ったがチャンスを生かすことができなかった」と悔しがった。

Q2）チームのキーマンは
「西村　潤真(2年・篠路ビッグファイアーズ出身)。声や行動でチームを盛り上げてくれる」と期待した。

Q3）新チームで戦った相手の中で、対戦相手の中に良い選手と思えた選手を一人挙げてください。
「札幌東シニアの小林　凌輔捕手(伏古わんぱくボーイズ出身)。秋季新人戦・リーグ戦で最終回、二死満塁からライト線にサヨナラヒットを打たれた」と悔しがった。

「　要　」石鳥選手

◆「心」三津谷　瑠太(2年・石山アトムズ少年団)
「どんな場面でも良いプレーができるように強い心を持ちます」と力を込めた。新人戦では9番・投手兼遊撃手として任され、投手としては変化球のコントロールで打者を翻弄。また遊撃手としては広い守備範囲で相手の攻撃のリズムを断ち切るなど内野手としても要だ。身長160㎝、体重49㎏。右投げ・右打ち。

Q１）印象深い試合は
「秋季全道大会・決勝トーナメントの決勝、札幌新琴似シニア戦。六回表、一死二塁の場面、センターに抜ける打球を飛び込むか足を運ぶか迷った。後悔が残るプレーだった」と振り返った。

Q2）チームのキーマンは
「大野　魁土(2年・千歳ブラックバード出身)。足があるので1番打者として出塁するとチームに勢いをもたらす」と期待した。

Q3）新チームで戦った相手の中で、対戦相手の中に良い選手と思えた選手を一人挙げてください。
「洞爺湖シニアの橋本　吏雄選手(虻田ジュニアオーシャン出身)。秋季新人戦で初めて強い打球をセンターに打たれた」と振り返った。

「　心　」三津谷選手

中高一貫教育

全国的に私立の学校を中心に拡がりを見せる、中高一貫教育。文部科学省のデータによると、国公私立を合わせて平成27年4月時点で全国で595校の中高一貫教育校が全国に存在し、増え続けている。

中高一貫校の最大のメリットは、あらゆる面で「6年間」というスパンでの継続が可能だ。部活動においても通常は2年半で終わってしまうところが、中高一貫校であれば「6年間」同一の環境で続けられること、より打ち込めることが挙げられる。また、基本的には「高校受験」が存在しないため、札幌大谷シニアの場合、3年生がシーズンを終えると高校生と同じメニューを行い高校野球に備えると言う。また学校生活においても生活態度重んじ、生活態度が悪ければ練習参加が、許されない。こうした時間軸をともにすることで目に見えないチームワークが生まれ、昨今の安定した戦いぶりや成績に繋がってきていると考える。同チームは今秋の反省を糧にひとり一人のレベルアップを図るとともに春の全国大会を見据えてモチベーションも上がってきている。全国での活躍にも期待したい！(書き手・大川祐市)

協力：札幌大谷シニア