第1回 アスレチック リハビリテーション
コラム「復活への道」理学療法士・西川典利氏<復刻>
ベースボール北海道ストライクの前身で2007年よりフリーペーパーとして発行した『熱球マガジンストライク』の人気コラム「復活への道」理学療法士・西川典利氏のコラムを、紙からWEBに変え復刻させていただき、11月8日木曜日より隔週に渡り掲載させていただきます。
第1回 アスレチック リハビリテーション
スポーツ外傷の治療目的 は、日常生活だけでなくピッ チングやランニングなど激 しい運動の痛みを和らげて 短期間でスポーツへ復帰す ることである。
スポーツ復帰を目標とし て行われるリハビリテーショ ンはアスレチックリハビリ テーションと呼ばれ、目標と する運動レベルは高い筋力・ 柔軟性・心肺機能の獲得であ り、整形外科的な治療と並ん で早期にリハビリテーション が行われる。
リハビリテーションの具体 的方法は物理療法、運動療 法、補助具療法の3つに大別される。
①運動療法―関節の動きの 拡大・筋力低下の回復・ス ポーツ活動時の体の使い方
②物理療法 ― 症状の改善、疼 痛の緩和を目的に温熱・寒 冷・電気・マッサージなどの物 理的刺激を身体に加える
③補助具療法 ― 装具・テーピ ング・足底板を使用して身体 の失われた機能を代替ある いは保護したりする
アスレチックリハビリテー ションでは、選手がスポーツ を行う上で必要となる動作 を獲得することが大切であ り、診断と一般的な治療や安 静・ストレッチングのみの指導を受けるだけでは不十分 である。
現在、医療の現場ではアス レチックリハビリテーション を行っている医療機関は少 なく、スポーツの現場では医 学的情報が不足しているの が現状であり、地域の医療機 関と現場とが連携してスポーツ復帰に向けて積極的に関わっていく必要がある。

西川典利氏
◇西川典利・理学療法士
医療法人社団静和会静和記念病院リハビリテーション科に勤務。