札幌中央リトルシニア、新体制で迎える変革の年

札幌中央リトルシニア
札幌中央リトルシニア、新体制で迎える変革の年
中学硬式野球クラブチームの札幌中央リトルシニアへ2月8日、チーム訪問した。
札幌中央リトルシニアは、1974年に創設され、北海道の中学硬式野球の黎明期を支えた歴史あるチームである。
今年で51年目を迎える中、昨年10月には千葉祐也新監督(28)が就任し、指導陣の若返りとともに新たな挑戦が始まった。
千葉監督のもと、ヘッドコーチには元報徳学園の投手・牧野太城氏(42)、さらに2015年センバツ準優勝投手の大沢志意也氏(27)がコーチに加わり、チームは大きな変革期を迎えている。
昨秋は1勝5敗と苦戦したものの、投手力と精神力の高さは健在であり、総合評価71点と一定の戦力を持つと千葉監督は評価する。
130キロを投げる吉川・小廣川の両投手が安定感を支え、精神的支柱となる遠藤煌生の存在も大きい。
一方で、攻撃力と機動力は評価7と悪くないものの、守備力や選手層の厚みが課題となっている。
チームのスローガン「Next Oun(前を見続ける)」のもと、単なる勝敗にとらわれず、常に成長し続ける姿勢を大切にしている。
千葉監督は「選手たちが最大限の力を発揮できるよう全力を尽くす。目標は神宮」と意気込む。
新たな指導体制のもと、札幌中央リトルシニアは次のステップへと進んでいく。
★現在、チーム訪問先募集中です!
お問い合わせは大川まで(090-1524-0465)(strikepro.oh@gmail.com)

ウォーミングアップの札幌中央ナイン

ウォーミングアップの札幌中央ナイン
<活動>
平日:自主練習
土日:8時半~16時
<選手構成>
3年生:16人
2年生:10人
1年生:7人
6年生:6人
(2025年2月8日現在)

指導者の話に耳を傾ける札幌中央ナイン
<主だった遠征>
1月に秩父別町で2泊3日の合宿。
3月に日高で1泊2日の遠征。
8月に芦別で調整中。
<3年生注目進路>
3年生の進路先
白樺学園、北照、札幌日大、小樽双葉、とわの森、科学大、苫小牧中央、札幌龍谷、駒大苫小牧(女子硬式野球部)。
他は公立受験。
卒団した3年生へのメッセージ
-千葉監督からメッセージ-
自分で選んだ進路が合っていたか、違っていたかは、そんなことは考えず自分だ選んだ道が正解だったと言えるように全力で2年半という短い高校野球を頑張って下さい。

投手(札幌中央)

捕手(札幌中央)
51年の歴史を持つ伝統あるチーム
同チームは1974年(昭和49年)に中央区ファイターズとして誕生し、その後1984年(昭和59年)に北海ファイターズ、1987年(昭和62年)に現在の札幌中央リトルシニアと改称し、現在に至る。北海道における中学硬式野球の黎明期を支えたチームの一つであり、今シーズンで51年目を迎える。

内野手(札幌中央)
チームのスローガン
『Next Oun(前を見続ける)』
このスローガンには、単なる勝利や結果にこだわるのではなく、常に未来を見据え、成長し続ける姿勢を大切にするという意味が込められています。
「Next Oun」に込められた想い
-
前を向き続ける姿勢
過去の成功や失敗にとらわれるのではなく、常に次のステップを見据えて努力し続ける。勝ち負けに関係なく、自分自身を高めることを最優先にするチームの姿勢を表しています。 -
「Oun」に込められた二重の意味
- 「On」 → 進み続ける、挑戦し続けるという前向きな気持ち
- 「Own」 → 自分自身の成長を大切にし、主体性を持ってプレーする
これらの要素を掛け合わせることで、ただ勝利を目指すのではなく、選手一人ひとりが自己成長を追求し、チーム全体が前進し続ける意志を持つことを示しています。
-
「前を見続ける」という覚悟
どんな困難や壁にぶつかっても、決して後ろを振り返らずに、次の挑戦に向かって進み続ける。これは、野球だけでなく、人生においても重要な考え方であり、札幌中央リトルシニアの選手たちが持つべき精神です。
このスローガンが目指すチームの姿
- 失敗を恐れず挑戦し続ける選手の育成
- 個々の成長を大切にしながら、チーム全体としても強くなる
- 野球を通じて、将来につながる考え方や行動を身につける
「Next Oun(前を見続ける)」は、単なる言葉ではなく、札幌中央リトルシニアが大切にする精神そのもの。
このスローガンのもと、選手たちは常に挑戦し続け、自分自身の可能性を広げていくことでしょう。

外野手(札幌中央)
大切にしている指導方針
野球を好きになってもらうことで、より一層技術の向上に努め、より広い世界で活躍できる子どもたちの育成を目指します。
野球を通じて、一つの物事を高いレベルへと到達させるために努力すること、そしてその努力を結果に結びつけることを子どもたちに学んでもらいたいと考えています。
この経験は、将来、野球で活躍することはもちろん、異なる道に進んだとしても大いに生かされる大切なものだと思っています。
そのため、私の指導方針は 「より広い世界で活躍できる子どもの育成」 であり、野球に限定していません。
自分が本当にやりたいことを見つけたとき、どのようにして上を目指すか。それが野球であれば、メジャーやプロを目指してほしいですし、仮に別の道を選んだとしても、高みを目指すための考え方は共通しています。
将来、「活躍できるルーツは何ですか?」と聞かれたときに、
「中学時代の経験です!!」
と、一人でも多くの選手に言ってもらえるような経験を提供することを目指しています。

新入団員の6年生(札幌中央)
新チームの課題
攻撃面
出塁率は.350を超えているものの、進塁力が不足しており、残塁が多い。
いかに走塁力を向上させ、一本のヒットで確実に生還できる打線を構築するかが急務である。
また、下位打線の打率アップも重要な課題のひとつ。
意識改革とチーム内での競争が不可欠となる。
守備力向上がカギ
投手陣のレベルは高く、それぞれが継投しながら試合を作っている。
その中で、打ち取った打球をいかに確実にアウトにできるかが、今後の鍵を握る。
千葉監督は選手たちにこう伝えている。
「スポーツは平等じゃないよ。結果が出なくても、それを自分の実力不足と認めるところから始まる」
今シーズンに向けた意気込み!
千葉監督は力強く語る。
「最大限、選手たちが能力を発揮できるよう全力で頑張ります! 目標は神宮です。」

指導者の話に耳を傾ける札幌中央ナイン
千葉監督が見つめるチームの現在地と課題
千葉監督の評価では、投手力と精神力が特に高く、総合力71点と一定の戦力を持つチームとされた。
しかし、昨秋の戦績は1勝5敗と大きく負け越しており、課題も多い。
投手陣は130キロを投げる吉川・小廣川の2人を中心に安定感があり、精神的支柱となる遠藤煌生の存在も大きい。
一方で、攻撃力と機動力は評価7と悪くないものの、守備力や選手層の厚みは改善が必要とされている。
今後は総合力をさらに高め、安定した戦いができるチームを目指していく。
攻撃力:7
チームの出塁率は.353あり、得点機を作る力がある。
3番・三塁手を担った佐々木崇(2年・花川スワローズ出身)は昨シーズン、4割以上を打つなど、高い打撃力を誇り、打線のキーマンとなっている。
機動力:7
1番・中堅手を担った山本空臥(2年・前田リトル出身)は足が速く、出塁率も高いため、先制のキーマンとなる。
守備力:5
扇の要である4番・捕手の出田丈翔(2年・花川スワローズ出身)が、捕手としていかに投手の力を引き出せるかがカギとなる。
投手力:9
130キロを投げられる吉川投手、小廣川投手の2人がいる。
球速だけでなく、配球など総合力を高め、最少失点で試合を運ぶことが重要となる。
精神力:9
遠藤煌生(2年・花川スワローズ出身)は投手兼外野手として難しい役割を担うが、自信をつけてプレーしてくれることで、チームにとって精神的な支えとなり、勝ち上がるための大きな力となる。
層 力:5
チームワーク力:9
勝負力:5
適応力:7
戦略力:8
総合評価:71

フリーバッティングの様子(札幌中央)
夢を諦めない—ケガと向き合う阿知良梓佑の挑戦 「中学最後の夏、130キロのストレートを目指す」
キャプテン吉川くん
チームの強みと来季への決意
秋季全道大会新人戦で躍動した南線ファイターズのキャプテン・吉川翔琉(2年・南線ファイターズ出身)。
出塁率の高さをチームの強みとし、苫小牧西リトルシニア戦では四球や敵失を生かし、大量得点につなげた。
自身の持ち味である積極的なプレーも発揮され、とかち帯広リトルシニア戦では初球を捉え、先制のチャンスを演出。
来季はチーム全体の底上げを図り、日本選手権出場を目指す。
〇吉川 翔琉(よしかわ かける)
2年・南線ファイターズ出身
右投げ、右打ち
180センチ、63キロ

吉川主将(札幌中央)
Q1)チームの強みは?
出塁率が高いこと。
Q2)チームの強みが発揮できた試合は?
-秋季全道大会新人戦・苫小牧西リトルシニア戦-
三回裏、四球や敵失などで塁を埋め、3番・佐々木崇(2年・花川スワローズ出身)が右中間を破る3点タイムリー三塁打を放つと、4番・出田丈翔(2年・花川スワローズ出身)がレフト前タイムリー、5番・小廣川明虎(2年・ビッグホエールズ出身)がライト前ヒットとつなげた。
Q3)自分の強みは?
積極的なプレー。
Q4)自分の強みが発揮できた試合は?
-秋季全道大会新人戦・とかち帯広リトルシニア戦-
プレーボール後の初球をとらえ、打球は右中間を破る二塁打となり、先制につながるチャンスを作ったこと。
Q5)来シーズンカギになる選手は?
チーム全員。
Q6)またQ5の理由は?
投手力、攻撃力、守備力と全てにおいてチーム全体の底上げが最重要だから。
Q7)来シーズンに向けた意気込みを!
昨年の結果を見返し、日本選手権に出場します。

体幹トレーニング励む札幌中央ナイン
<スイングスピード測ってみた>
例年行っている人気企画、選手のスイングスピードを競い合う企画です。
使用されるバットは、今までと変わらず長さ83センチ、重さ800グラムという中学硬式用バットを使ってスイングスピードに挑戦しました。

スイングスピード測ってみた!に挑戦した札幌中央ナイン
★第1位 135キロ
〇小廣川 明虎(こひろかわ あとら)
2年・ビックホエールズ出身
右投げ、右打ち
178センチ、91キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
東海大学附属札幌高等学校
★第2位 129キロ
〇出田 丈翔(いでた たける)
2年・花川南ホークス出身
右投げ、右打ち
171センチ、65キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
北海高等学校
★第3位 127キロ
〇佐々木 崇(ささき しゅう)
2年・花川スワローズ出身
右投げ、右打ち
161センチ、66キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
北照高等学校

スイングスピード測ってみた!写真左から出田、小廣川、佐々木(札幌中央)
<発行人>
指導陣の若返り、新体制が始動
昨年10月、前監督の廣田直明氏から譲り受け、千葉祐也氏(28)が新監督に就任。
指導陣も大きく変わり、ヘッドコーチには元報徳学園高で投手を務めた牧野太城氏(42)が就任。
さらに、2015年(平成27年)のセンバツ甲子園大会で準優勝を果たした東海大四高出身の投手、大沢志意也氏(27)がコーチに加わった。
指導者の平均年齢も大幅に若返り、歴史ある同チームはまさに変革期を迎えている。

千葉祐也監督(札幌中央)
千葉監督の指導歴と歩み
千葉氏は高校時代、釧路・武修館高の主将としてチームをけん引し、2014年(平成26年)の夏、北北海道から初めて甲子園大会出場を果たした。
指導歴も10年目を迎え、最初の指導の場は2015年(平成27年)、自身の出身チームでもある石狩ボーイズでの1年間のコーチ経験だった。
その後、2016年から2021年(令和3年)まで南線ファイターズでコーチを6年間務め、2022年(令和4年)から札幌中央リトルシニアのコーチに就任した。

熱心に指導する千葉監督(札幌中央)
協力:札幌中央リトルシニア