札幌新琴似シニア、鮮やか逆転V

2年ぶり18回目の優勝を飾った札幌新琴似シニア
リトルシニア(中学硬式野球)の「第48回秋季全道大会新人戦兼第38回麻生自動車学校杯」の決勝戦、3位決定戦が10月17日札幌麻生球場で行われ、札幌新琴似シニアが旭川北稜シニアを8-3の逆転勝ちで2年ぶり18回目の優勝を飾った。
苫小牧シニアが札幌円山シニアを破って3位になった。
札幌新琴似、旭川北稜、苫小牧の上位3チームは来年3月に開かれる全国選抜大会に出場する。
日本リトルシニア中学硬式野球北海道連盟の主催で行われた。
<関連記事>

2年ぶり18回目の優勝を飾った札幌新琴似シニア

15年ぶりの優勝ならず、旭川北稜シニア
♢決 勝
旭川北稜
2001000=3
002006x=8
札幌新琴似
(旭)馬場、近藤、西村-藤原
(新)山田、半田-鈴木賢、中田
▽三塁打 加藤2(新)
▽二塁打 角井(旭)、田村、藤田(新)
♢3位決定戦
札幌円山
1000000=1
001101x=3
苫小牧
(札)岡-本田
(苫)横谷、矢吹-宮崎
▽三塁打 横谷(苫)

3位になった苫小牧シニア
底力を見せた札幌新琴似、鮮やか逆転劇
道内リトルシニアリーグの古豪、名門中の名門・札幌新琴似が逆転劇で2年ぶりに王者に返り咲いた。
試合の流れは完全に相手チーム・旭川北稜に傾いていた終盤、生嶋宏治監督(60)の一言で選手たちは奮い立った。
当日は秋特有の気まぐれ天気。晴れたり雨が降ったりのコンディション。
劣勢と見た生嶋監督は終盤に入り選手たちに”暗示”をかける。
相手ベンチ上空を見て「今は相手の上空は晴れているが、やがて雲は流れわがチームの上は晴れとなり、スカイブルーの空となる。ブルーは新琴似のチームカラー」と説き、あきらめないで戦えと奮起を促した。
選抜全国大会2度の優勝、監督歴30年を超える指導には定評があり、「新琴似シニア」の名前は全国に知れ渡りその功績は大きい。
ナインの信頼も絶対的なものがある。

好投した札幌新琴似先発の山田投手
六回裏、生嶋マジックに応えるようにナインが発奮。
一死後3番・田村颯丈郎三塁手(2年・東札幌ジャイアンツ出身)が左翼二塁打、4番・鳴海柚萊右翼手(2年・豊平カージナルス出身)が四球、5番・高橋英汰中堅手(2年・篠路ライオンズ出身)がショート内野安打と続き、6番・藤田 塁一塁手(2年・西発寒ホークス出身)がランナー一掃の二塁打でついに逆転。
さらに四球二つを挟んで1番・加藤大成遊撃手(2年・札幌ファイヤーズ出身)が2本目の三塁打で3得点、とどめを刺す一挙6点の見事な逆転劇だった。
逆転劇の立役者になった藤田一塁手は172センチ、75キロの堂々たる体格。
父や兄の影響で幼稚園から野球を始めた。
「次につなげる」気持ちで打席に入り、ストレートをジャストミートしてレフト頭上を破った。
「バッティングには自信があるが、打てて最高にうれしい」。

ランナー一掃の逆転二塁打を放った札幌新琴似、藤田一塁手
「選手たちの伸びしろはまだまだある。投手の人材もたくさんいる。今オフは基本をしっかり見直し、鍛えていく」と生嶋監督。
3月の全国選抜の前に1月・和歌山、2月の静岡スプリングマッチに出場して本番を迎える。
もちろん目標は日本一だ。
旭川北稜、善戦及ばず
序盤、中盤と流れは旭川北稜にあったが、あと一歩の攻めが続かなかった。
一回表の攻撃は鮮やかで、1番・谷口悠真右翼手(2年・陵雲ファイターズ出身)が右前打、2番・竹本陽大中堅手(2年・士別南野球少年団出身)がエラー出塁、一死挟んで4番・西村颯汰遊撃・投手(2年・近文レッドライナーズ出身)が右前打、5番・山本竜聖三塁手(2年・東川大雪野球少年団出身)が中前に先制タイムリー、二死後7番・馬場太智投手(2年・永山中央野球少年団出身)もタイムリー打で2得点を挙げた。
三回に同点に追いつかれたものの、四回に谷口右翼手のタイムリー二塁打で突き放し、いい流れをつかんだがあとの攻撃が続かなかった。
先発した馬場投手は五回二死まで好投、2失点したものの許したヒットは2本のみ。来季が楽しみだ。

旭川北稜先発の馬場投手。2安打に抑える好投
協力:一般財団法人 日本リトルシニア中学硬式野球協会北海道連盟