2022チーム訪問<ピースベースボールクラブ>

冬季練習に励む選手たち(ピースベースボール)
<第21弾>チーム訪問は2月11日(土祝)、札幌市南区に室内練習場を構える中学軟式野球クラブのピースベースボールクラブへ伺ってきました。
陸上界の短距離スペシャリスト「北風沙織」から“走り”を学び、ピースは強力な武器を携えて開幕を待つ。
元拓銀野球部・横山靖士氏から打撃向上メソッドがピースナインへ与えられた。
スイングスピード企画では130キロ台に及ばなかったが中学生として好記録が生まれ、今後の伸びしろを感じた。

冬季練習に励む選手たち(ピースベースボール)

冬季練習に励む選手たち(ピースベースボール)
―スプリンター北風沙織氏から“走り”を伝授―
昨年、11、12月と2回、陸上競技・短距離のスペシャリスト北風氏から走りを学んだ。
股関節・肩甲骨の可動域が重要と説く。
この2つの関節を大きく動かすことで大きなエネルギーを生む!
また走り方も野球と陸上・短距離とは大きく違う。
野球はランニング。
短距離はスプリント。
スプリントは膝を高く引き上げ、足で地面を大きくキックする。
膝はしっかり伸ばすなど、野球選手としてあまり意識したことの無いフレーズだ。
選手たちは意識とともに走りも変わってきたと言う。
同氏による講義は3月にも予定され、大きく変貌した姿を披露できそうだ。
現在はウォーミングアップも北風氏のアドバイスを受け全て変えた。
加えて30Mをいかに速く到達できるかを野球版にアレンジしてもらっている。
ピースの春からの“走り”に注目が集まる!
〇北風 沙織(きたかぜ さおり)
北海道江別市出身 37歳
陸上は小学4年から。
100メートルは江別大麻中3年の全国中学優勝、恵庭北高3年で高校総体、国体、日本ジュニア選手権の3冠。11年セイコーGGP川崎の女子400メートルリレー(1走)で日本記録(43秒39)樹立。
100メートルベスト11秒42。
現在は北翔大学・陸上部監督を務める。

北風氏から走りを学ぶピースナイン
<3年生の進路>
3年生4人。
私立では小樽双葉。
その他公立校。
髙山基樹監督は「中々結果がでず、しんどかったと思うがやってきたことは他学年と同じ。高校野球につながるはずです。春からの高校生活も頑張ってほしい」と送り出した。
<OBの活躍>
創部2019年の為、まだご報告はありません。
<新チーム>
2年生:13人 1年生:9人 6年生:12人(2月11日現在)
※6年生は現在も募集中です!
2年生については南区・中央区、1年生については中央区・石狩市、6年生については西区・手稲区・南区・豊平区などから通う選手が多い。

冬季練習に励む選手たち(ピースベースボール)
―髙山基樹監督の話―
新チームについてもバッテリーを中心とした守りの野球で今年も挑戦します。
主戦は左右の2枚看板。
左腕エース・近江 朋(2年・FREEDOM出身)、右腕エース・小山内慶晟(2年・三角山キッズ出身)ともに特別スピードボールを兼ね備えているわけではないが制球力と配球で打者を打ち取る。
四死球が少ないのも大きな特長だ。
リード面はすべて八條豪介(2年・新得町野球少年団出身)に任せている。
野手は内野の要・遊撃手の田中琥太郎(2年・山鼻アカシアーズ出身)、廣瀬彰仁(2年・FREEDOM出身)、外野の要となる中堅手・川村 侑(2年・南線ファイターズ出身)らセンターラインを中心に守りからのリズムで攻撃につなげたい。
―ムードメーカー不在が課題―
今年のチームにはムードメーカーたる選手がいない。
試合でピンチの局面に立つと意気消沈してしまう。
気持ちを切り替えて流れを変えられる選手がまだ現れていない。
法政大やたくぎんで活躍した横山氏から打撃指導を仰ぐ―。
現在、酪農学園大学の監督を務める横山靖士氏から昨年の10、11月、今年に入って1月と定期的にピースナインは横山氏から打撃指導を受けている。
指導は至ってシンプル。
「へその前でヘッドを走るように振る!インパクトの瞬間だけ力を入れろ」というものだ。
また「フォロースルーでもバットを離さない」。
足底はほぼ地面につけた状態でこれらを意識し、連続素振りを数百回と重ねる。
すると前腕がパンパンになる。
素振りをすることで腕や腰、リスト(手首)など、バットスイングに必要な筋力がバランスよく身につくといものだ。
打力についてはもうワンランクアップに期待が高まるだけに、横山氏からの大きなカンフル効果を期待したい!
―元たくぎん野球部・横山靖士-
〇横山 靖士(よこやま やすし)
宮崎県出身 57歳
酪農学園大学・野球部監督
北海道拓殖銀行・野球部(社会人野球)―法政大―高鍋高
高鍋高校時代は3年夏の甲子園に外野手兼投手として出場し2回戦で水野雄仁を擁する池田高校に破れる。
法政大学に進学し、4年時の秋季リーグ戦で優勝。
大学卒業後1988年に北海道拓殖銀行野球部に入部し、俊足巧打の外野手として日本選手権に3回・都市対抗野球に補強選手出場2回を含め8回出場。
同期には佐藤真一(現・東京ヤクルトスワローズ)がいた。
2022年10月から酪農学園大学・野球部監督に就任。
<発行人>
ピースベースボールクラブは徹底した守備型の野球。
中々点数の入らない軟式野球の特徴を生かしたスタイルとなっていた。
髙山監督からセンターラインを中心とした選手の名前は挙がったが、それら以外についても選手層が厚く。
守備のみであれば控え選手もそん色なく出場できる選手ばかり。
冬季間で徹底した基本練習が彼らの礎となっていた。
正面での捕球、ステップ、フットワークからの送球動作に時間を割いていた。
凡ミスが無いのがうなづける。
昨秋から北風氏や横山氏らといったスペシャリストを招きピースナインが、新たな刺激を受けていることは間違いない。
今夏すぐに結果が伴うかはわからないが、成長過程の中学生に対し、工夫しながら継続する過程に大きな意味がある。
<注目選手>
この日、何気なくキャッチボールを始めた中学1年生・佐藤煌生(1年・宮の森グランドキング出身)に注目した!
しなやかな腕の振りからキレの良いボールを投げ込んでいた。
サウスポーからしっかり指にかかった時のストレートは思わずうなってしまうほどだ。
「追い込んでからカーブで三振を斬って取ったイメージが今も忘れられない。球のキレをもっと磨いて相手打者を圧倒する投手になりたい」と佐藤煌。
従来、投球動作で右足を上げた際、足首に力が入っていた佐藤煌だが、以前野球教室で講師を務めた門別啓人投手(阪神タイガース―東海大札幌高)から足首の力を抜く代わり腹筋に力を加えるようアドバイスを受けた。
またチェンジアップの握りもアドバイスを受け現在、試作中だ。
伸びしろたっぷりの佐藤煌に今後も注目だ!
〇佐藤 煌生(さとう こうせい)
生まれは宮城県仙台市で、記憶は無いが2011年の東日本大震災を経験。
投手 中学1年・宮の森グランドキング出身
左投げ、左打ち
161センチ、45キロ
球種はストレート、カーブ、チェンジアップ。

<注目選手>佐藤煌投手(ピースベースボール)

ブロッキングの練習を重ねる捕手たち(ピースベースボール)
―新入団員・6年生-
〇石塚 晄和(いしづか こお)
FREEDOM出身
右投げ、右打ち
〇上田 碧大(うえだ あお)
FREEDOM出身
右投げ、右打ち
〇小山内 涼賀(おさない りょうが)
緑丘ホーマーズ出身
右投げ、右打ち
〇小野 琉太(おの りゅうた)
FREEDOM出身
右投げ、左打ち
〇諏訪 瑞季(すわ みずき)
ポルテ札幌西出身
右投げ、左打ち
〇綱嶋 湧志(つなじま ゆうし)
前田リトル出身
右投げ、左打ち
〇長谷部 大夢(はせべ たいむ)
北ノ沢ファイターズ出身
右投げ、右打ち
〇林 龍之介(はやし りゅうのすけ)
手稲鉄北イーグルス出身
左投げ、左打ち
〇三好 流以(みよし るい)
月寒アパッチャーズ出身
右投げ、左打ち
〇大和 亮晴(やまと りょうせい)
山の手ベアーズ出身
左投げ、左打ち
〇山崎 琥珀(やまざき こはく)
FREEDOM出身
右投げ、左打ち
※2022日本ハムジュニア
〇和賀 大虎(わが たいが)
北ノ沢ファイターズ出身
右投げ、右打ち
<主将>
〇小野 翔太(おの しょうた)
2年・FREEDOM
右投げ、右打ち
158センチ、39キロ
※昨秋は8、9番・左翼手として出場。
髙山監督は「真面目で頑張り屋で声も大きく、野球に対する取り組む姿勢が良い」と最大級の評価をした。
小野主将は「チームで全力疾走を心掛け、全力を尽くして全国大会出場を目指し頑張ってます」としっかり前を向いて胸を張った。
<発行人>
野球を始めたのは小学5年の夏―。
小学5年の春まではサッカー少年団に所属。
当時、野球少年団に所属していた友達と遊びでやった野球にはまり当時、両親を説得し、野球少年団へ―。
「打つことが楽しかった!最初のイメージは今でも忘れない」と笑顔が印象的だった。
昨年7月、深川市で行われたゼビオ杯秋季空知中学校野球選手権大会では攻めの気持ちで前方のボールを好捕したそうだ。
「打席の中で粘って四球でもいいから出塁して上位につなげたい」と犠牲心も強くチームの勝利を誰よりも強く持っていた。
身体の線もまだ細く、伸びしろたっぷりの小野主将。
ひと回り大きくなった姿が益々楽しみだ。

小野主将(ピースベースボール)
<バッテリー3人にインタビュー>
ピースベースボールクラブで今春の主力となるバッテリー3人にインタビューさせていただきました。
〇近江 朋(おうみ とも)
投手 2年・FREEDOM出身
左投げ、左打ち
176センチ、60キロ
球種はストレート、カーブ、スライダー(横)、チェンジアップ。
近江投手は「持ち味は制球力。ストレートと変化球のコンビネーションで打者を打ち取ります」と胸を張った。
Q)着てみたい高校野球(道内)のユニフォームは?
A)札幌啓北商業
〇小山内 慶晟(おさない けいせい)
投手 2年・三角山キッズ出身
右投げ、右打ち
170センチ、65キロ
球種はストレート、ツーシーム、スライダー(縦・横)、カーブ。
小山内投手は「持ち味は小学4年からの投手経験を生かして、その場を楽しめること」と頼もしかった。
Q)着てみたい高校野球(道内)のユニフォームは?
A)札幌南、札幌西
〇八條 豪介(はちじょう ごうすけ)
捕手 2年・新得町野球少年団出身
右投げ、右打ち
174センチ、58キロ
八條捕手は「持ち味は強肩です」と自信を覗かせた。
Q)着てみたい高校野球(道内)のユニフォームは?
A)東海大札幌
<発行人>
左腕エースの近江は昨秋、IBA boys U14・1回戦の岩見沢緑中学校戦で五回、1安打完封試合の快投を見せた。
当時を振り返ると「ミットだけに集中して投げることができた。回を重ねる度に気持ちもどんどん上がって投げることができた」と近江。
また小学4年時に一度肘を痛めた経験からこの日も肘が下がらないよう意識して投げていた。
右腕エースの小山内は昨夏、大会名は憶えていないが札幌ブレイブティーンズ戦で「ゾーンに入っていた!ベストピッチングができた」と小山内。
ストレートに加え横のスライダーが面白いように決まった。
日々の練習でもこのピッチングでのイメージを忘れずに行っているそうだ。
八條捕手は真駒内中学校に通っているが、平日は真駒内中野球部に所属。
平日の部活は個人練習が多く、ゴロ捕りやバッティングで羽打ちなど攻守で基本を重ねている。
土日はピースに集中し、平日の練習の成果を試す場ともなっている。

バッテリー・写真左から小山内、八條、近江(ピースベースボール)
<施設>
室内練習場:札幌市南区北ノ沢1842−289
<活動>
平日練習:現在はコロナの影響もあり休みとしております。
土日祝日:8:00~10:30(バッテリーと一部外野手)/10:30~13:00(内外野手)
<遠征>
〇秩父別合宿(2月18、19日)
〇月形合宿(3月18、19日)
※一宿一飯を共同生活の中、野球を通じ人間力を高めることが狙い。
野球的にはサインプレーや投内連係の確認を行います。
<団費ほか>
〇入団金:10,000円(入団時)
〇活動費:7,000円(毎月)
※ただし母子・父子家庭世帯は4,000円(毎月)
※冬期は室内練習場の灯油代を徴収、6年生は2023年4月より徴収します。

ゴロ捕球のトレーニングを行う選手たち(ピースベースボール)
<スイングスピード>
☆第1位 128キロ
〇近江 朋(おおみ とも)
2年・FREEDOM出身
左投げ、左打ち
176センチ、60キロ
☆第2位 126キロ
〇八條 豪介(はちじょう ごうすけ)
2年・新得町野球少年団出身
右投げ、右打ち
174センチ、58キロ
☆第3位 125キロ
〇廣瀬 彰仁(ひろせ あきひと)
2年・FREEDOM出身
右投げ、右打ち
163センチ、53キロ

スイングスピードに挑戦!写真左から八條、近江、廣瀬(ピースベースボール)
協力:ピースベースボールクラブ