札幌東シニア、初の選手権全国へ挑戦 準V札幌新琴似
リトルシニア第52回日本選手権北海道大会の決勝戦が16日、江別市野幌総合公園野球場で行われ、1980年以来44年ぶりに決勝に進んだ札幌東シニアが春の王者で今大会6連覇を狙った札幌新琴似シニアを12-8の逆転劇で退け初優勝した。
両チームは8月1日、東京神宮で開幕する日本選手権とFBC大会に出場するほか優勝の札幌東はジャイアンツカップ北海道地区大会の出場権も得た。
閉会式で伊藤儀隆・連盟理事長が選手権全国大会に出場する2チームに勝利へのエールを贈った。
日本リトルシニア中学硬式野球協会北海道連盟の主催で行われた。
◆決 勝
札幌新琴似
0800000=8
220332×=12
札幌東
(新)井上、戸田、渡部、山田、漆(雄)、吉田-佐藤良
(東)長山、堀部、森-木戸
▽三塁打 渡辺、森、大西(東)
▽二塁打 佐井、櫻田(新)、堀部(東)
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札幌東シニアVS札幌新琴似シニアの札幌対決となった決勝戦。
優勝した札幌東は”難攻不落”の新琴似の厚い壁を打ち破り、ついに頂点に立った。
今季春季大会も準決勝で対戦したが5-10のダブルスコアで厚い壁の前に屈し、悔しい思いをしてきた。
日本選手権道大会の決勝進出は44年ぶり、気の遠くなる球史をさかのぼっての初優勝だ。
一回裏、2番・大西飛佑(3年、篠路西BFジュニア出身)が一死後四球で出塁、3番・丹羽柚稀主将(3年、札苗スターズ出身)が右前打、4番・堀部大翔(3年、豊平リトルリーグ出身)の打席の時、ワイルドピッチであっさり先制点、6番・渡辺知晃(3年、屯田ベアーズ出身)の右前打で2点目を奪取した。
この先取点が札幌東打線に弾みをつけ、後々の大逆転劇を生む結果となる。
二回に1イニング8点という新琴似打線の記録的な猛攻にあい6点のビハインドを背負ったが札幌東ナインはあきらめなかった。
その裏2点を取り返し反撃が始まった。
三回を除き毎回得点を重ねたが圧巻は五回の逆転勝ち越しシーンだ。
1点差で迎えた五回裏の一死後、1番・森健成(3年、北白石ワイルドナイン出身)が鮮やかなセンター返しの三塁打で逆転劇ののろしをあげる。
続く2番・大西が四球でランナー1、3塁となり3番・丹羽を迎える。
前打席でもヒットを打っておりナインの期待を集めて打席に。
その期待通りセンター前に返す同点ヒット、続く4番・堀部が左中間二塁打を決めてついに勝ち越した。
六回も2得点を追加して12-8の大逆転劇を成し遂げた。
「自分たちの打力を信じて、あきらめないプレーをしてほしい」と常々選手たちに言って指導してきた髙谷博志監督(56)。
コーチ2年、監督歴7年の実績が大舞台の選手権で実り念願の北海道第1代表の座を獲得した。
「シニア野球は高校野球への準備期間」が持論で選手たちを育てている。
「(二回に)8点取られたときは、負ければ投手交代のタイミングを誤った俺の責任。選手たちが俺を助けてくれました」とジョークも飛び出す余裕を見せた。
守っては三回からリリーフした堀部(2イニング)-森(3イニング)が見事な完封リレーで新琴似打線を封じ、球史を塗り替える勝利をもぎ取った。
5イニングで与えたのは四球1、内野安打1の完璧な内容で全国大会での投球が期待される。
最後を締めた森は「春季大会(先発)で6失点したので絶対にリベンジする」との強い気持ちで臨んだと言う。
初の日本選手権の全国出場にナインの気持ちは高ぶっている。
チームを引っ張る丹羽主将は「あきらめない気持ちが勝利につながった。攻めて守ってリズムを作るチームなので全国でも自分たちの普段通りの野球をしてチャレンジします」と力強く話した。
札幌新琴似打線、記録的な1イニング8点の大爆発も6連覇ならず
負けたとはいえ、王者・札幌新琴似の破壊力を見せた。
札幌東に一回裏に先制された直後の二回表、7番・佐井悠真(2年、東札幌ジャイアンツ出身)、1番・菅沼晴斗(3年、藻岩下BBJ出身)、6番・櫻田英汰(3年、八軒東和グッピーズ出身)のタイムリー二塁打と単打1、5四死球で大量8得点した。
王者貫録の1シーンを見せつけたがあとが続かなかった。
櫻田主将は「(大量得点で)意識はしていなかったがやっぱり心の中で油断が生まれた。
全国では心を引き締めて、覚悟を持って戦ってきます」と話した。
協力:日本リトルシニア中学硬式野球協会 北海道連盟
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