岩見沢学童野球クラブが南北海道を制す! 準V深川一已
小学生の甲子園と言えば全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント。
南北海道大会・決勝が24日に行われ、二年連続空知南北対決となり岩見沢学童野球クラブ(南空知)が深川一已バトルズ(北空知)を10-4で下し、初優勝に輝いた。
南空知代表としては3年ぶり。
優勝した岩見沢学童は8月15日から東京都で行われる高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会第44回マクドナルド・トーナメントへ南北海道代表として初出場する。
準優勝の深川一已は8月1日から徳島県で行われる 阿波おどりカップ全国学童軟式野球大会2024へ北海道代表として出場する。
◆決 勝(24日、コンサドーレ仁木パーク野球場)
岩見沢学童野球クラブ(南空知)10-4深川一已バトルズ(北空知)
岩見沢学童野球クラブ
011134=10
011002=4
深川一已バトルズ
(岩)大西、吉田(6回)−北川
(深)笹岡、藤原(3回)、関向(4回)、笹岡(5回)、小鍛冶(6回)、関向(6回)−藤原、渡邊(3回)、藤原(4回)、渡邊(5回)
▽本塁打 大矢、北川(岩)
▽二塁打 井川、笹野、大矢、井川(岩)、立川2、小鍛冶、渡邊(深)
岩見沢学童が五回、集中打で突き放す!
岩見沢学童打線が五回、浮足立つ深川一已に対し、容赦なく集中打を浴びせた。
3-2と1点リードで迎えた五回、先頭の3番・北川 遼(6年)が、レフト前と2つのバッテリーミスから三進。
続く4番・大西 竣介(6年)が、センター前タイムリーとパスボールで二進。
ここで5番・井川晴斗(6年)が、レフト前に放つと二走・大西が一気に生還しこの回2点目。
結果、これが決勝点となった。
さらに8番・大矢 巨(5年)にも右中間を破るタイムリー二塁打が飛び出しこの回一挙3点を奪い大きく突き放した。
最終回の六回にも3番・北川の2ラン本塁打など打者9人で4点を加えダメを押した。
投げては先発大西が強打・深川一已打線に対し六回途中までで7安打1死球を許すも、要所でギヤの入ったストレートを投げ込みピンチを切り抜けた。
深川一已の反撃を許さず5奪三振で2失点とゲームを作った。
最終回に登板した吉田 晴(5年)は大舞台の緊張の中、味方のミスで浮足立つ場面もあったものの最後2失点で締め勝利に貢献した。
小松 連史監督(28)は「決勝で昨年のリベンジができてうれしいです。子供たちには大会を通じて、やりきる、アウトを取る、下を向くな!と3つの約束をしましたが決勝でもこのスタイルを忘れることなく頑張ってやってくれました」と試合後、少し肩の荷がおりたのか優しい表情でインタビューに答えてくれた。
エース・大西投手は「優勝が決まった瞬間、めちゃくちゃうれしかった。全国では今よりもっと成長してチームに貢献できるようなピッチングをします」と高らかに公言した。
同選手は1回戦から決勝まで全試合登板。
コースにしっかり投げ分けて緩急も使える本格派右腕だ。
パンチ力抜群のホームランアーチスト・北川は今大会3本のホームランを放ち、決勝でも六回にダメを押す2ラン本塁打を放った「打席では1、2回戦、準決勝と同様に決勝でも絶対に勝ってやるぞと言う強い気持ちで打席に入り、緩いボールをしっかりためて振ることができた。ちょっと先っぽだったので入ってくれて良かった。いつも応援してくれる親に恩返しできるよう全国でも頑張りたい」と胸を張った。
四回に2-2の同点の場面で勝ち越しソロホームランを放った8番打者の大矢 巨(6年)は「前の打者が凡退していたので何とか塁に出たいと思って打席に入った。思い切り打った瞬間、確信するような打球ではなかったが、一塁ベースを回ったあたりで二塁塁審が腕を回していたのでホームランと分かった。人生初のホームランは、めちゃくちゃうれしかった。全国では自分の役割を果たせるよう頑張りたい」とホームランに酔いしれることなく自らの役割を忘れない素敵な選手だった。
岩見沢学童野球クラブが誕生するキッカケには少子化が大きく影響を及ぼし、単独チームでの存続が難しく近年、岩見沢東小学校、岩見沢南小学校、岩見沢第一小学校、岩見沢北真小学校、幌向小学校からの生徒らを中心に結成された。
指導者がすべて教員ということも大いにあるが、野球だけではなく野球を通じて子どもたちに判断力と感謝の力を身につけさせることを前提に、自律した人間に育てるためには、技術的な指導だけでなく、精神的な成長を促す指導が岩見沢学童にはある。
これは、日々の練習や試合、チームの活動を通じて、子どもたちに多くの経験と学びの機会を提供することで達成されるものだ。
指導者の熱意の賜物であることは言うまでもない。
若武者が大きく成長するさまを垣間見た-。
大会初日の第三試合で岩見沢学童野球クラブは王者・東16丁目フリッパーズと対戦。
逆転に次ぐ逆転のシーソーゲーム、最後7-8と1点を追う場面でなんと柵越え満塁ホームランで決着をつけた。
まるで映画のクライマックスシーンのような劇的な勝利であった。
試合終了後、ベンチ裏の小松監督に駆け寄った先で目にした光景には、ちょっと驚いた。
小松監督の手が震えていた。
「昨日から寝てないんです、この一戦を考えていると寝れなかったんです」と少し興奮気味に話してくれた。
人は何事においても経験則から紐づけて判断、行動するものだが、小松監督自身の中でかつて経験の無い攻めぎ合いが繰り広げられ、想像を超えた結末に脳内が追い付いていない状況にあったのかもしれません。
東16丁目フリッパーズを破ったと言うこともしかりだが、この戦いを制したことは2回戦以降の戦いに力以上の大きな自信を指導者、選手に与えていったのではないだろうか。
今大会だけではなく、これまでの試合や練習で培った成功体験や失敗から学んだ教訓が、今の彼らの強さと自信を支えているのかもしれない。
指導者の的確なアドバイスや、選手たちの努力が積み重なり、その経験が彼らを一段と強くしている。
まさに、経験が人を創るのだ。
指導陣も充実-。
小松監督をすぐ側でサポートする今野継一コーチ(43)、安定感抜群の坂下賢一代表らもこのチームの強さを一層引き立てている。
多様な指導者たちの影響が大きい-。
小松監督の若さと行動力-。
加えてベテランの安定感がバランスよく組み合わさり、チームを勝利へと導いた。
特に坂下代表は三年前、岩見沢南ビクトリーを率いて並み居る強豪を打ち破り全日本学童マクドナルド・トーナメントで第3位と躍進した。
全国での勝ち筋を十分に熟知している指導者がベンチにいることでチームに安心感をもたらし、勝利の可能性が大いに高めるはずだ。
対戦相手の分析、選手の調整、全国では一瞬にして流れが変わる、試合中の戦術変更など多種多様。
指導者の経験と知識がチームのパフォーマンスを最大限に引き出し、勝利への道筋を示すはずだ!
マック全国大会は8月15日に開幕。
これからも楽しみな岩見沢学童野球クラブだ!
深川一已バトルズ、2年連続決勝進出はあっぱれ!
今大会、二連覇を目指せるのは深川一已バトルズだけだった。
様々なプレッシャーが懸かる中、選手たちは伸び伸びとグラウンドを駆け回った。
1回戦で豊浦シーガルス、2回戦で蘭越野球スポーツ少年団、準決勝では幌別ベアーズとの激闘!
最終回まで2-3と劣勢から大逆転勝利。
チームにとって大きな自信と勢いを掴み決勝進出を果たした。
決勝では中盤まで互角の戦いを繰り広げながらも、終盤での失点が決め手となった。
しかし選手たちが最後まで諦めず挑んだ六回は、このままでは終われないと言わんばかりに泥臭く敵失と四球で得たチャンスを生かし、2点を奪う深川一已の意地を見ることができた。
最終的には涙を飲む結果となったが、こうした戦いぶりは8月1日から徳島県で行われる阿波おどりカップに大いに生かされるはずだ。
試合後の菊池陽介監督(40)は「打力は良くなってきている。昨年のチームに少し近づけたかなと思う。全国ではせっかく北海道から出場するので優勝目指して頑張ります」と再び前を向いた。
深川一已バトルズは攻守のバランスが良い。
守備では内野もさることながら外野の守備範囲が広く球際に強い。
しっかりとした守備練習の賜物だと信じて疑わない。
また打線も好調で上位打線から中軸、さらに下位打線も小柄な選手でも鋭い打球を放つ者もいる。
全国では1番から切れ目の無い打線に期待が懸かる。
徳島の地で全国制覇を掴んで見せる!
頑張れ、深川一已バトルズ!
2022(令和4)~24(令和6)年まで行われた後志開催は今年度で幕を閉じました。
三年間、後志支部関係者の皆様に大変お世話になりました。
果実の町仁木町、らいでんスイカ・らいでんメロンの共和町。
取材と編集で観光など1ミリたりとも堪能することなく会場と宿を行き来するものでしたが、それも不器用がなせる業と勝手に解釈。
2025(令和7)年からは日高支部開催で行うことがすでに決まっている。
見どころ満載の日高には観光で行ってみたいものだいつも思う。
春は桜の見頃に合わせて特産品や食べ物の屋台で食べ歩き。
夏は夜空を彩る大規模な花火が見どころ。
秋は新ひだか町で開催される祭りで、新鮮なししゃもを堪能したいものだ。
皆さんにまたどこかの会場でお会いできることを楽しみにしております。
発行人・大川祐市
協力:北海道軟式野球連盟・後志支部
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