どうして肩、肘を痛める選手がこんなにも多いの!?
エンジョイベースボールセミナー
「野球肩・野球肘は防げる!」
2月16日(土)午後4時から羊ヶ丘病院2階リハビリ室で、当医院理事長・整形外科医岡村健司氏とベースボールコンディショニングシステムズBCS代表前田健氏によるダブル講演会が行われた。会場の羊ヶ丘病院リハビリ室は受付午後3時30分前から120名限定の入場希望者を大きくうわまる150名以上の小、中、高校球児、保護者、大学、社会人などを含む関係者など入場者の熱気であふれた。
どうして肩、肘を痛める選手がこんなにも多いの!?
【講演1】
「野球にいける肩、肘障害の実態と予防」
医療法人社団悠仁会羊ヶ丘病院理事長整形外科医 岡村健司氏
■整形外科医 岡村健司さんは内視鏡手術をいち早く導入し野球肩、肘の手術を昨年度で600例(通産6000例)を行い、多くの選手を支えている。
野球肩、肘は投げ過ぎによって起こる。肩の禍外旋が野球肩、肘の外応ストレスが野球肘の原因だ。
治療については、肩、肘だけでなく体幹、股関節の訓練も必要。予防は正しいフォームでの投球を心がけることはもちろんだが投球に負けない体づくりも必要そして、オーバーユーズ(使いすぎ)を避ける事も忘れてはいけない。野球肩のメディカルチェック(予防検査)の推進などをあげ、動画による実証例も含め予防の重要性をあげていた。
【講演2】
「障害を引き起こさない投球フォーム」実演指導
ベースボールコンディショニングシステムズBCS代表 前田 健
■ BCS代表 前田 健さんは筑波大学卒業後、社会人野球(現JX-ENEOS)、阪神コンディショニングコーチを務め、動作改善専門の施設「BCS」を開設、プロ、アマ問わず野球選手をサポートし、動作改善メカニズム論の第一人者として活躍中
障害を起こす原因として、「腕だけ(手投げ)で投げる投球フォームが肩、肘に障害を起こしやすいパターン」と解説し、四つの基本動作で障害回避をする。「①肩ごしの向き(平行移動)②投球方向へ勢いをつける③足の着地のタイミング(勢いのトップ)④体の回転で腕を振る。」を挙げ、映像で実際にコーチングした事例を解説した。短時間でのコーチングで投球フォームが変わっていく様子があった。参加者たちは驚きの表情を見せていた。
【講演に参加した方々の声】
◆「子供たちが怪我をしないこは指導者の責任でもあり、正しい投げ方等、とても勉強になった。会場に来られた人たちの熱意と北海道の野球熱の高さを感じました。」と帰りの列車の時間を気にしながらも話してくれた。
[少年野球関係者の八木橋さん(青森県)]
◆「肩も快方に向かっていて、レッスンを受けたのは4、5回目になります。いろいろな指導者に指導を受けていますが、前田さんの指導は野球、体を知っているのが伝わり基本となることを指導してくれます。この正しいフォームで怪我をせず実践につなげたい」とシーズンインが待ち遠しい気持ちを熱く話してくれた。
[大谷中学校一年後藤竜希君(東月寒レオンズ出身)]
◆「非常に興味のある話で、時間の制約もあり内容のボリュームも多かったのですが、もう少し詳細を聞きたいこともあったのではないかと思います。指導者などは指導法の復習などになって良かったと思いますし、怪我をしないフォーム指導は、特に小中学校の指導者に聞いてもらいたい講演内容と感じました。」と語ってくれました。
[新井田野球部監督(札幌新川高校)]
今回の「エンジョイベースボールセミナー」の運営と講演進行をしていた「西宮の沢バッティングパーク・ピッチャーガエシ」からは、講演資料と一緒に「ピッチャーガエシ無料バッティング券(2,000円相当)」とスポーツドリンクが配られ、参加者たちは講演内容も含め笑顔と満足の表情で会場を後にした。
【講演の様子】
協力:羊ヶ丘病院/BCS