野球肩ってなに?
みなさんこんにちは、羊ヶ丘病院整形外科の岡村です。
今日は、野球肩がどうして起きるのか、お話しします。
もし皆さんが野球のボールを投げて肩が痛くなって整形外科に行くと野球肩と言われるでしょう。でも、人の体で野球肩といわれる部位はないので、一体野球肩ってなんなのかわからないと思います。そもそも、けがなのか病気なのかどっちなのでしょう。
野球肩の原因は大きく2つに分けられます。ひとつはけが(外傷)です。これは急にボールを投げたら肩に激痛が走って、ボールが投げれなくなったといったような、はっきりとした原因がある場合がほとんどです。たとえば、外野から思い切りバックホームしたら肩が抜けそうに痛みが走ったとか、ピッチャーが速球を投げたら肩がバキっと音がして痛くてマウンドにしゃがみこんだとかといった具合です。これは肩のけがで肩のどこかに損傷(傷がつくこと)が起きたと考えられます。具体的には、肩の亜脱臼、関節唇損傷、腱板損傷、骨折(上腕骨の骨端線離解:リトルリーガーズショルダー)などが考えられます。けがですから、症状が軽いものは安静(ボールを投げない)にしているとそのまま治ることもありますが、損傷が強いとなかなか良くならないために治療が必要なこともあります。
野球肩のもう一つの原因は、使いすぎ(オーバーユース)による障害(病気)です。毎日毎日ボールを投げていると、知らないうちに肩が痛くなってきたという具合です。野球肩の原因としては、このオーバーユースが原因のことが圧倒的に多いです。特にピーチャーやキャッチャーといったボールを投げる頻度が多いポジションに多いです。
そもそもボールを投げるとはどういう動作なのでしょうか。人の体はボールを上から投げるような構造にはなっていません。小さな子供や、類人猿(ゴリラ、チンパンジー)にボールを持たせたら間違いなく下から投げるでしょう。ゴリラが足を上げて振りかぶってオーバースローでボールを投げたら皆さん仰天するでしょう。ソフトボールのピッチャーの投げ方が理にかなった自然なボールの投げ方なのです。ですからソフトボール選手では下からボールを投げるピッチャーは肩を壊すことがほとんどありませんが、上からボールを投げる野手は野球肩になります。ではどうして人はボールを上から投げるのでしょうか。それはより速く、より遠くにボールを投げたいからなのです。上から振りかぶってボールを投げた方がより大きなエネルギーをボールに集めることができます。上からボールを投げるということは人間があみだした技なのです。そのため大きな力が肩にかかるので障害や外傷が起きるのです。
ではボールを投げるとどのような無理が肩に起こるのでしょう。それは次回に投球ホームを例にしてお話しします。
【リハビリ室スタッフ紹介】
リハビリ科 科長
骨・関節系専門 理学療法士
●山崎 肇(43歳)
小学校5年生から小・中・高ラグビー一筋!東京都出身
発行人から・・・
ラグビーで鍛えた首周りはさすがといった感じ。スタッフを束ねる気配りや包容力は正にボス。ついてきます!
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