「ハンデはオフ・トレで取り戻す」三愛高の石垣君
11月の医療法人社団 悠仁会 羊ケ丘病院(札幌市厚別区青葉町3丁目)の「院内で見つけたアスリート」は、江別・とわの森三愛高野球部で捕手として頑張っている石垣孝之君(16、2年)を紹介する。幼稚園から野球を始め、小学3年から捕手1本でプレーしてきたが今春、利き腕の右肩とひじを痛めて送球停止になりながらの状態で走塁練習をしていたら、今度は左肩が亜脱臼、翌日にはまったく動かなくなるというダブル不幸に見舞われた。6月に羊ケ丘病院で左肩の手術を受け5か月間のリハビリを頑張り通して、両肩、ひじはほぼ完治するまでになった。今オフは「来年は最上級生になるので、けがでチームメートに差をつけられた分を取り戻す」と気合が入っている。
▽石垣 孝之(とわの森三愛高2年、16=捕手、172センチ・86キロ)千歳・春日ライオンズ-千歳中軟式野球部-とわの森三愛高硬式野球部
2年生になりベンチ入りを目指していたシーズン始めのけがはショックも大きかった。4月に利き腕の右肩とひじが野球肩で病院の先生から1か月の送球停止宣告を受け、その翌月に今度は左肩が走塁練習中に亜脱臼する最悪の事態に。「病院の先生から手術(6月、左肩)と言われた時は、もしかしたら野球ができなくなるかもしれない」と不安に襲われたという石垣君。チームメートのことを考えれば、自分ひとりが取り残された気持ちになった。利き腕の右肩は高1から痛みが発症し我慢をしながらプレーしていた事が2年生の春になって一気に悪化したようだ。
けがの代償は大きかったが、それを上回る収穫もあった。自分を見つめ直し、チームメートとの競争心もこれまで以上に高まっている。「この冬はガッツリ自分を追い込んで練習し、(チームが)全道大会に出場できるように頑張りたい」。今シーズン棒に振った分、何としても自身のハンデを取り戻しレギュラー入りを果たし、チームに恩返ししたい気持ちがあふれている。
秋から練習試合にも出て、半年ぶりの実践も味わった。手術後、初めての試合で2盗を刺殺プレー。「最高にうれしかった」と実践の喜びを話す。自分一番いいところとの質問に、捕手らしく「感情を表に出さない」ときっぱり。喜び過ぎると勇断が生まれ、怒り過ぎると雰囲気が壊れると冷静に分析する。将来は英語教師を目指したいと、野球に勉強に文武両道の夢を託す。
(記者の目・中山武雄)中学では4番を打っていたこともあり、打者としても期待される体格があり、チームの牽引車には最適だ。けがをしてもチームのこと、仲間のことを忘れない心はいつまでも持ち続けていてほしい。けがをしている時、痛め止めを飲んで試合に出るなど、精神的にも強いものを持っていそうだ。ぜひ全道大会に出場、そして甲子園を目指してほしい。
「医療法人社団 悠仁会 羊ケ丘病院」
JR新札幌駅、地下鉄新さっぽろ駅から徒歩7~8分の恵まれた立地条件の「医療法人社団 悠仁会 羊ケ丘病院」(厚別区青葉町3丁目、厚別消防署向かい)は、札幌市内はもちろん近郊市町村からの通院、入院患者も多く、整形外科の専門病院として、まさに地域医療の拠点になっている。肩・ひじ・手・首など部位別の専門ドクターが配置されているほか、リハビリテーション科には60人を超える理学・作業療法士がリハビリを担当するなど、その充実した医療内容は評判を呼んでいる。
病院長の岡村健司医師は肩鏡視下手術5000例の実績を誇る全国トップクラスの肩障害治療の専門医。当ストライク・サイトの「野球肩って何?」でもおなじみのドクターで、自身も高校球児で活躍したが、肩を壊して野球を断念するという辛い経験を持ち、患者の立場になって治療が出来る医師としても人気が高い。また、理学・作業療法士の大半が学生時代には野球、サッカー、バレーボール、テニスなどのアスリート経験者で、こちらも患者の気持ちがわかる治療者だ。
「野球肩って何?」(バックナンバー)
第1話「その原因」
第2話「投球フォームから」
第3話「どうして起こる」
第4話「症例の中から」
第5話「症例の中から」
第6話「不安定肩」
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取材協力:医療法人社団 悠仁会 羊ケ丘病院