心は来季、札日大高の俊足男・佐藤君
「医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院」(札幌市厚別区青葉町3丁目)の「院内で見つけたアスリート」は、100m11秒台の走力を持つ札幌日大高野球部の佐藤宏賢君(1年)を紹介する。佐藤君は今年1月に右ひじ(じん帯損傷)のけがで手術を行い、いま完全復活に向けてリハビリ治療の真っ最中だ。足の速さを買われて中3時には北海道選抜メンバーになり、軟式のアジア大会で堂々の準優勝を勝ち取った。この経験を生かし、より高いレベルの野球を目指すためにも、けがに負けない強い精神力と、強い体づくりを目標に一生懸命に取り組んでいる。
▽佐藤 宏賢=ひろのり(16、1年、175センチ、61キロ=野球・内野手)苫小牧・美園スラッガーズ-苫小牧シニア(1年秋退団)-苫小牧・和光中軟式野球部-札幌日大高野球部
野球は小学2年から始めた佐藤君。小学時代は捕手、中学時代は捕手と投手・サード、高校になってからは内野手(主にサード、ショート)と活躍してきた。今回のけがは投手をしていた中学時代から引きずってきた右ひじ。1年秋に痛めて、その後中3までずっと我慢をし続けてきた。我慢強さがアダになったわけだが、それには訳があった。中3の秋、U-15軟式野球アジア選手権大会(台湾)の北海道選抜メンバーに選ばれ、出場することに大きな目標を置き挑戦した。そのためにも大会が終わる11月まで、なんとしても我慢する必要があった。そして念願のアジア大会メンバーに選ばれ、2番・セカンドで出場した。そのかいあって北海道選抜チームは好成績を収め準優勝に輝いた。けがを我慢し、国際大会で準Vという、一生忘れることのできない誇らしい思い出を作った。
しかし、けがは進行し、じん帯は切れる寸前にまでなっていた。即、羊ヶ丘病院で診察を受け今年1月に手術をすることになった。術後の経過は順調で今では軽くボールが投げられるようになり、あと1か月ほどのリハビリ治療を施せば完全復活の目途も立つところまでこぎつけた。「早く治してチームメートに追いつきたい」と、今季は治療に専念し2年生になる来季に出直しを誓って再スタートを切る覚悟だ。
最大目標は甲子園優勝。「足を使って、相手チームから嫌がれる選手になりたい」と話す。その俊足ぶりは群を抜く。中3時のアジア大会北海道メンバーになったのは100m11秒5の足を買われての選抜メンバー合格だった(本人談)。半端の速さではない。近代野球の一番の武器を持ち合わせており、将来に大きな期待が膨らむ。常にレベルの高い野球を求めており、高校進学も甲子園出場の可能性を考慮して札幌日大を選んだ。目標達成への第一歩は、まずはけがからの完全脱出だ。「あせらず、ゆっくり」を肝に銘じて、来季へスイッチを切り替えている。
(記者の目・中山武雄)足の速さにはびっくりした。将来が本当に楽しみな一人だ。目標の立て方がユニークなところも面白い。「甲子園優勝」なら道外大学、「できなければ」道内大学に進学すると、はっきり決めている。取材中、何度か「親への感謝」の言葉が聞かれた。たぶん、親の負担を配慮しての発言と思うが、聞いていて最高にうれしかった。
「医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院」
JR新札幌駅、地下鉄新さっぽろ駅から徒歩7~8分の恵まれた立地条件の「医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院」(札幌市厚別区青葉町3丁目、厚別消防署向かい)は、札幌市内はもちろん近郊市町村からの通院、入院患者も多く整形外科の専門病院として、まさに地域医療の拠点になっている。肩・ひじ・手・首など部位別の専門ドクターが配置されているほしたか、リハビリテーション科には100人近い理学・作業療法士がリハビリを担当するなど、その充実した医療内容が評判になっている。
理事長の岡村健司医師は肩鏡視下手術5000例超の実績を誇る全国トップクラスの肩障害治療の専門医。当ストライク・サイトの「野球肩って何?」でもおなじみのドクターで、自身も高校球児で活躍したが、肩を壊して野球を断念するという辛い経験を持ち、患者の立場になって治療が出来る医師としても人気が高い。また、理学・作業療法士の大半が学生時代には野球、サッカー、バレーボール、テニス、スキーなどのアスリート経験者で、こちらも患者の気持ちが理解できる治療者だ。
「野球肩って何?」(バックナンバー)
第1話「その原因」
第2話「投球フォームから」
第3話「どうして起こる」
第4話「症例の中から」
第5話「症例の中から」
第6話「不安定肩」
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取材協力:医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院