新人戦 札幌北が8年ぶり制覇
リトルシニア第38回秋季全道大会新人戦・兼第28回麻生自動車学校杯最終日(15日 札幌・麻生球場)
主催:全日本リトル野球協会リトルシニア北海道連盟、麻生自動車学校)
札幌北のエース蟹江、余市を1安打完封
9月27日から始まった予選リーグ、決勝トーナメントを経て、最終日は3位決定戦と決勝戦の2試合が行われた。決勝戦は2003年に優勝した札幌北が、同じカードとなった余市を再び撃破し、8年ぶり5度目の優勝を飾った。札幌北のエース・蟹江亮太(あいの里東中2年)が六回までノーヒットピッチング、最終回に内野安打を許したものの6-0の見事な完封劇だった。3位決定戦は札幌豊平東が3-1で札幌真駒内を破り、初の全国大会出場を確実にした。3位までのチームは来年3月に大阪で行われる、第18回全国選抜大会への出場を推薦される。
▽3位決定戦
札幌豊平東 1000020=3
札幌真駒内 0001000=1
(豊)石川-松原
(真)山本-箭内
▽決勝
札幌北 0220200=6
余 市 0000000=0
(札)蟹江-渡邉
(余)藤田、千葉、小林-三浦
▽二塁打 菅野、渡邉、佐々木
蟹江、準決に続く快投、六回まで無安打投球
札幌北のエース蟹江が準決勝に続く完封劇でシーズンを締めくくった。決勝のこの日も強豪・余市を相手にコーナーを突く、丁寧なピッチングで好投。六回まで四死球を出したものの、安打を許さなかった。バックもよく守り、エースを守り立てて無安打投球が完成するかと思われたが、余市も意地を見せて最終七回、先頭打者の4番・三浦滉司(小樽北山中2年)に遊撃内野安打を打たれて、無安打試合はならなかった。蟹江は「ストレートが走っていた。気持ちで負けないように投げた」と快投を振り返った。大井秀光監督も蟹江の精神面の強さの成長ぶりを認め、「ボールのキレがよかった。強い気持ちが持てるようになったのが準決勝、決勝の好結果につながった」とエースを称えた。それでも、上を見て謙虚さを忘れない。「もっと足腰を鍛えるため、オフは体力づくりをしたい」、全国に向けて課題もしっかり分析している。
打線も援護、佐々木4の4、3打点の大暴れ
打線もエースを盛り立てた。二回無死、4番・渡邉翔太(山鼻中2年)、5番・柿沼和樹(柏丘中2年)を塁に置いて6番・佐々木佑斗(あいの里東中2年)が右前打で先制点、その後押し出し四球で2点目をあげ、試合の主導権を握った。三回、五回にも連打を重ねて2点ずつ得点し、余市の3投手から10安打、6点を奪った。中でも大暴れしたのが一塁を守った6番の佐々木。先制の右前打、4点目の中前打、6点目の左翼二塁打、そして最終打席で中前打と、4打数4安打3打点の大活躍だった。「4の4は初めて。絶対勝つという強い気持ちで打席に立ったのがよかった」。予選リーグでも大当たりした絶好調男・佐々木の打撃は全国大会でも大きな期待が寄せられる。
5シーズンぶりに復帰した大井監督。8年ぶりの優勝が決まった瞬間、うれしいというよりも「ようやく強い札幌北に戻ったか」という安堵の表情がうかがえた。「準決勝、決勝でようやく、うちらしいゲームができた。それまでは予選も含めて1点差ゲームなど大変な勝ち上がりでした」と、厳しい内容での優勝旗奪還を振り返った。さあ、今度は全国舞台での古豪・札幌北の復活だ。渡邉翔太主将も「オフはもっともっと鍛え直して、全国大会で勝ち上がりたい」と3月の選抜大会へ照準ピタリと定まっている。
▼準優勝の余市・井村啓思主将(小樽望洋中2年) 負けたけど、みんなで最後まで全力を尽くして戦ったので悔いはない。全国では、自分たちのできる野球をして、1試合、1試合を大切に戦いたい。
▼3位の札幌豊平東・佐々木鉄也監督 予選で1点差2回、決勝トーナメントでは延長戦2回を制して勝ち上がった。ラッキーな3位と思っているが、全国(初体験)では胸を借りるつもりで戦ってきたい。