とったぞ~!正夢だ、jrファイターズ日本一
NPB12球団ジュニアトーナメントENEOS CUP 2011(12月27日~29日・札幌ドーム)
▽主催 日本野球機構、プロ野球12球団▽特別協賛 JX日鉱日石エネルギー株式会社▽運営協力 全日本軟式野球連盟▽協力 ミズノ株式会社、ナガセケンコー株式会社▽NPBパートナー 株式会社コナミデジタルエンタテインメント、ジョージア、日本生命保険相互会社、マツダ株式会社
3年ぶり2回目の決勝トーナメントに進出した北海道日本ハムファイターズジュニアチームが初優勝、夢にまで見た12球団の頂点に立ち日本一の座を獲得した。就任1年目の森範行監督(44)率いる選抜チームは予選リーグから安定したゲームを展開し、2戦全勝で決勝トーナメント進出、決勝戦では東京ヤクルトスワローズジュニアを4-3の接戦で下した。監督、選手、そして応援の父母らも「まさか優勝するとは・・・」と、うれしい”誤算”に狂喜乱舞した。(取材・中山 武雄)
「予選リーグ成績」
▽グループA
読売ジュニア3-0阪神ジュニア、東京ヤクルトジュニア6-2読売ジュニア、東京ヤクルトジュニア3-3阪神ジュニア
▽グループB
横浜DeNAジュニア5-3中日ジュニア、広島東洋ジュニア2-1横浜DeNAジュニア、中日ジュニア4-1広島東洋ジュニア
▽グループC
オリックスジュニア1-1福岡ソフトバンクジュニア、福岡ソフトバンクジュニア3-1埼玉西武ジュニア、埼玉西武ジュニア1-1オリックスジュニア
▽グループD
北海道日本ハムファイターズジュニア2-0東北楽天ジュニア、北海道日本ハムファイターズジュニア6-1千葉ロッテジュニア、東北楽天ジュニア1-0千葉ロッテジュニア
「決勝トーナメント」
▽準決勝
北海道日本ハムファイターズジュニア4-0福岡ソフトバンクジュニア、東京ヤクルトジュニア8-1横浜DeNAジュニア
▽決勝
北海道日本ハムファイターズジュニア(パ・リーグ代表) 0001030=4
東京ヤクルトスワローズジュニア(セ・リーグ代表) 0001020=3
(日)秋山、菊地、川端、品田、八和田-佐藤
(ヤ)原田、鴨志田、佐藤-庄村
▽二塁打 桜井、庄村(ヤ)▽本塁打 庄村(ヤ)
「おめでとう!ジュニアファイターズ日本一メンバー」
(チームスタッフ)
▽代表者 村上 真哉▽監督 森 範行▽コーチ 立石 尚行▽同 牧谷 宇佐美
▽マネジャー 池田 剛基
▽チームスタッフ 榎本賢司 先名輝彦
(選手)
①井上 雄喜=外野手(6年、札幌・緑ヶ丘パワーズ)
②伊藤 世那=捕手(6年、旭川・永山西クラブ)
③福川 夏央=内野手(6年、七飯・大沼ブルーレイク野球少年団)
④山田 翔斗=内野手(6年、江別・上江別ブルードリームズ)
⑤文入 魁斗=内野手(6年、札幌・厚別信濃スターズ)
⑥宮澤 晃汰=内野手(6年、遠軽・遠軽西ファイターズ)
⑦石川 陸貢=外野手(6年、札幌・KAPPA`S)
⑧中村 泰賀=外野手(6年、札幌・東月寒レオンズ)
⑨高階 成雲=外野手(6年、札幌・札苗スターズ)
⑩松田 卓也=内野手(◎主将、6年、札幌・札苗スターズ)
⑪前田 剛志=投手(6年、室蘭・海陽ファイターズ)
⑫渡辺 佑汰=捕手(6年、札幌・東札幌中央ビクトリーズ)
⑬佐藤 翼=内野手(6年、札幌・札苗スターズ)
⑭秋山 遼=投手(6年、滝川・滝川少年野球倶楽部)
⑮菊地 脩斗=投手(6年、湧別・湧別マリナーズ)
⑯品田 悠輔=投手(6年、新ひだか・緑ホークススポーツ少年団)
⑰川端 龍仁=投手(6年、網走・網走つくしマスターズ)
⑱八和田恭希=投手(6年、小樽・小樽幸ファイターズ)
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[日本一を振り返って]
道内の少年野球選手、950人からセレクションされメンバーに選ばれた18人の北海道日本ハムファイターズジュニアがついに日本一の座を獲得した。予選リーグから安定したチーム力は、まさに全員野球で勝ち取った金字塔だ。ずば抜けた選手はいなかったが、全員のレベルが「最近にない高さ」(森範行監督)だった。特に6人の投手陣はレベルも高く、安心して任せられる存在だった。集中打を浴びて降鈑することは一度もなかった。ピンチになっても、どの投手も冷静に対応、追加点を許さない気迫があった。もう一つの特筆ものは、完璧な守備だ。予選リーグから決勝まで4試合で一つのエラーもなかったことだ。こんなチームは見たことない。少ない日数でいかに目標に向かって鍛えてきたか、が伺える。選手たちの努力とセンスもあるが、森監督、コーチらの適切な指導が大きな要因となったことは間違いない。優勝あいさつの中でも監督、コーチらから「練習するごとに上手くなっていった」という言葉の通り、選抜チームとは思われないチームワークを見せていた。まとめ役のキャプテン松田君の大ホームランだ。また、父母会の熱烈応援も選手たちの励みになった。練習、練習試合も含めて引率して、常に励ましてきた。選手と一緒のネーム入りレプリカユニホーム、Tシャツを作って、大会を盛り上げてきた。選手たちのモチベーションを刺激するのに、十分な効果を発揮したはずだ。
「決勝VTR」
終盤六回、七回の攻防戦は決勝戦にふさわしい熱い戦いだった。六回表、1-1の同点で迎えたファイターズジュニアの攻撃。先頭打者の1番・宮澤晃汰が中前ヒット、続いて2番・中村泰賀の投前バントが内野安打に。3番・八和田恭希の犠打でランナーが2、3塁に進塁したあと、4番・井上雄喜が鮮やかな中前適時打で2-1と勝ち越し。そのあと二死になって流れが止まったかに見えたが、6番・高階成雲がやってくれました。「絶対打ってランナーを返そうと思ってバッターボックスに入りました」。気迫のバッティングが左前に抜けて、2者が生還した。これが決勝点となったが、そのあと相手チームの東京ヤクルトジュニアも、ものすごい反撃を見せた。
意地を見せた東京ヤクルト。3点取られたあとの六回裏にすぐ2点を取り返し、最終七回裏には一死後、1番・綿田が右前打、犠打で二死になったあと3番・中島が中前打に弾き返して、同点かと思われたが、ファイターズジュニアのセンター中村泰賀がホームへ好返球してランナーを3塁に足止めした。このファインプレーが大きかった。中村は四回にもセンターの大飛球を好捕した。さあ、あと一つアウトで日本一。ここでファイターズベンチは、再三のピンチをしのいで好投した品田悠輔から八和田恭希に投手交代。八和田は期待にこたえ、最後のバッターをサードフライに打ち取って有終の美を飾った。
ファイターズジュニアを支えた投手6人衆
「準決勝VTR]
先攻のファイターズジュニアは初回から攻めた。先頭打者の宮澤晃汰がサードエラーで出塁、2番・中村泰賀が送って、一死後3番・八和田恭希が左前適時打であっさり先制した。五回、一死後に9番・前田剛志が中堅越え二塁打、1番・宮澤が左前打でチャンスを広げて、二死後3番・八和田のショートエラーで2点目。ランナー2人を置いて4番・井上雄喜が中堅を破る二塁打で2点を挙げてダメを押した。
守っては先発の前田が踏ん張り福岡ソフトバンクジュニアを五回まで零封、品田悠輔、八和田とつないで完封リレーを成し遂げた。
北海道日本ハムファイターズジュニア 1000300=4
福岡ソフトバンクジュニア 0000000=0
(日)前田、品田、八和田-佐藤
(ソ)平元、小塩、久保、田中-伊藤、中村、鶴田
▽二塁打 西浦(ソ)、井上、前田(日)
▽就任1年で日本一になった森範行・ァイターズジュニア監督 思いもしなかった優勝です。予選リーグ突破を目標にしていたのですが・・・。安心して任せられる6人の投手と、毎試合にキーとなる選手が現れたことがよっかった。これも選手とコーチらの努力の結果、ほんとにうれしいです。
先発で踏ん張った秋山投手
秋山遼投手が先発で踏ん張り投球を見せた。予選リーグ2試合、決勝1試合に先発して、トータル13回三分の一を投げ抜いて与えた得点はわずか1点。バツグンのコントロールで、監督の信頼も厚かった。「秋山でいけるところまで行く」のが、必勝パターンとなり、日本一のけん引車となった。157センチ、50キロ、将来はプロを目指す野球少年だ。「先発投手として勝ちパターンのゲームを作ることに心がけた」という秋山。目標はダルビッシュ投手。気持ちの強いところにあこがれ、「ツーアウトから三振の取れるピッチャー」を目指している。
父母らの応援団も燃えに燃えて
父母らの応援団も開催中の3日間燃えに燃え、決勝戦の29日はドームの3塁側スタンドに約60人の大応援団ができあがった。選手の名前の入ったレプリカユニホーム、Tシャツを着込んで、太鼓とメガホンでのりのり。優勝の瞬間は、だれかれとなく、抱き合い、ハイタッチで喜びを表わした。父母会会長の文入圭輔さん(魁斗君の父)は「父母会全員で祝勝会をします。もう予約済みです」と気合が入っていた。今年からは札幌・信濃スターズの父母会会長も務める予定だ。
▽主将・松田卓也君の父、晋さんの話
まさか、夢のよう(優勝したことが)。今は、とにかく休んでくれ、といいたい。いつもチームをまとめることを考えていたようです。
メンバーに選ばれることだけでも名誉なことなのに、優勝までして大変うれしい。セレクションはダメもとで受験したのが、幸運にも受かった。息子には、よくやったとねぎらいたい。
協力:北海道日本ハムファイターズ