けがを治して正位置どり!恵庭南高の伊藤君
「医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院」(札幌市厚別区青葉町3丁目)が昨年3月、患者急増のために開業した外来専用の「羊ヶ丘病院付属リハビリクリニック」(同区青葉町11丁目)に通院するスポーツ競技者の奮闘ぶりを紹介する「院内で見つけたアスリート」は、恵庭南高硬式野球部の伊藤悠希君(16、1年)に登場してもらった。伊藤君は昨年12月、バスケットボールの授業中にジャンプして着地に失敗し大けがを負ってしまった(左ひざじん帯断裂)。初めてのけがでショックも大きかったが、「焦らず、じっくり完全にけがを治そう」と自分の心に言い聞かせて、今懸命にリハビリに取り組んでいる。全治8か月、2月に手術をし順調に経過しているが頭の中は復帰後の野球のことばかり。4月から新2年生、まずは秋の新人戦までにレギュラー取りを目標にリハビリに専念する覚悟だ。

リハビリ治療を受ける伊藤君。けがをして学ぶことが多いようだ

恵庭南高硬式野球部の伊藤悠希君
▽伊藤 悠希(16、恵庭南高1年=170センチ、68キロ、セカンド)千歳・北栄フェリックス-千歳中軟式野球部-恵庭南高硬式野球部
これまで大きなけがの経験がなかった伊藤君にとって、今回のけがあまりにも衝撃的な出来事だった。歩けなくなり、将来への不安が頭をよぎることもあったが、幸い手術後の経過も順調に進み今はリハビリに専念できるまでに回復しホッと胸をなでおろしている。けがをして「自分の役割、重要さがわかりました。早く治してチームのみんなと一緒にプレー出来る日を思い描いて頑張っています」と、日々のリハビリに取り組んでいる。現在は週3回、「羊ヶ丘病院付属リハビリクリニック」に通い治療を受け、回復度に合わせて通院回数を減らしていく予定だ。
中学時代は3番、捕手で活躍した。一番の思い出プレーは3年時、滝川市で行われた全道軟式野球大会。準決勝で1-3で負けていた試合を伊藤君のランニングホームラン(3ラン)で逆転、チームのムードを最高潮に盛り上げたとき。結果的に再逆転され勝利を逃したが、「(チームの)みんなの喜ぶ姿を見て、本当に充実感を感じました」と振り返る。足も速く、バッティングには自信を持っている。流し打ちやコースの打ち分けを考えながら打撃技術を磨いている。本人いわく、「あとは守備を完ぺきにしてチームに貢献できればいいと思っています」。
まずは新人戦(秋)までに完全にけがを治してレギュラー取りを目指す。昨年の新人戦で背番4をもらった実績もある。病院でのリハビリのほか、学校のトレーニング室で自主的にスクワットなど体幹を強化するトレーニングを積極的に行っている。夢は甲子園出場とプロ野球選手、それだけにリハビリにも自然と力が入っているが、「焦らず、じっくり」を肝に銘じながら1日も早い復帰を願っている。
(記者の目・中山武雄)けがをして「ストレッチの大切さを知った」という伊藤君。初めてのけがでしたが、その重要性をしっかり学んでいるところが素晴らしい。「足首が固い」ということも再認識し、プレー前のストレッチを念入りにした-と大きな収穫も得たようです。上達するには、まずけがをしない体づくりが大切ですね。
「医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院」(札幌市厚別区青葉町3丁目)が昨年3月に外来患者専用のリハビリ施設「羊ヶ丘病院付属リハビリクリニック」を近隣の同区青葉町11丁目に開業し2年目に入り、急増する患者へより良い医療サービスを提供し対応している。施設内には野球規準に適合したリハビリ用のマウンドや最新のスポーツ鍛錬器具などをそろえ、患者の早期復帰をサポートしている。
理事長の岡村健司医師は肩関節鏡視下手術7000例を超える実績を誇り全国トップクラス。当ストライク・サイトで連載した「野球肩って何?」(バックナンバー)は野球少年・少女、指導者や父母らの人気コーナーになった。また、リハビリを担当する理学療法士・作業療法士は90人を超えるスタッフが対応し、その大半が学生時代には野球、サッカー、スキー、テニス、バレーボールなどのアスリート経験者で、患者の気持ちをよく理解し、あるときは良き相談者になり、患者の心の支えになっている。
「野球肩って何?」(バックナンバー)
第1話「その原因」
第2話「投球フォームから」
第3話「どうして起こる」
第4話「症例の中から」
第5話「症例の中から」
第6話「不安定肩」
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羊ヶ丘病院付属リハビリクリニック ☎011-351-0881
取材協力:医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院