選抜高校野球
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出場校の選抜 |
出場校は、選考委員会によって決められる。一般に、新チームで臨む最初の公式大会(実質的な新人トーナメント戦)となる秋季各都道府県大会・地域大会(全国10ブロック)がこの大会出場校・並びに補欠校の選考資料となる。また、出場校が最大32校と定められているため、1ブロックとして定められている東京都・北海道を除けば、出場校が1校もない府県が毎回生じる。逆に、同一府県から2校選出される可能性もあるのが、夏の大会と大きく異なる点の1つでもある。
選考会における出場校の決定には高野連の役員の意思が反映されるため地域的なバランスを考えた選考、秋の地区大会で初戦敗退だった高校が選ばれるなど時々首をかしげたくなるような選考が起こる。そしてこれら一連のことが選考後に毎年といっていいほど物議を醸しているのも事実である。「明確な選考基準」を示すことを望む高校野球ファンは多い。
出場校決定後に組み合わせ抽選会を行いトーナメント方式で頂点を決め、2校出場した都道府県代表校は決勝戦まで当たらない様に配置させる。そのため、同じ都道府県代表校の対戦の機会は非常に少ない。
21世紀枠
第73回大会(2001年)から設けられた。
部員不足などの困難を克服した学校や、他校の模範となる学校を選出。推薦は基本的に各都道府県の秋季新人大会で参加校数が128校を上回る都道府県ではベスト16、それ以外の県ではベスト8以上のチーム。各ブロックから1校ずつ出してもらいその中で2校(東日本〜東海以東・西日本〜近畿以西各1校)を選出。第80回大会(2008年)は記念大会で例年より1校増の3校で「北海道、東北、関東・東京」、「東海、北信越、近畿」、「中国、四国、九州」各1校が選出。第81回大会(2009年)は東日本1校、西日本1校、その他1校の3校が選出された。この21世紀枠は他競技にも影響を及ぼしており、近いものとして全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会の「チャレンジ枠」、全国選抜高等学校テニス大会の「ドリーム枠」が後に設けられた。
“他校の模範であること”を根拠に名門大学へ現役合格者多数、学校全体での「朝の読書」推進、「青少年赤十字部」の活動、生徒のボランティア活動など野球そのものとは直接関係のない事象により推薦されるケースがあり、「選考基準が曖昧」という理由により非難の声も聞かれる。さらに、過去の選出校のほとんどが一般選考ライン一歩手前で敗れており、実質的には地区大会出場校の救済枠となっている。高校野球バージョンのワイルドカードと捉えても良いだろう。2009年の利府高校に至っては困難克服どころか、地元紙の特集において「恵まれた環境」とされていた。また、「他校の模範となるチーム」を選出する枠でありながら、2006年から2010年までは毎年都道府県推薦校が不祥事により推薦を取り消される事態が発生していた。2011年の第83回大会では見直しが行われるはずだったが、結局は地区大会の成績に「原則」が付記され、出場校選出の最終優先条件が「30年以上出場がない学校」から「出場からより遠ざかっている学校」となったのみで、事実上の前例踏襲となった。
なお、この枠で出場した高校は全て公立校であり私立校の出場は一校も無い。2011年現在、初戦の成績は10勝16敗。通算成績は14勝26敗。勝率は3割5分。
ウィキペディアより