速い球を投げるには<前編>
<前編>
Q)速い球を投げるには どうしたらいいですか
A)理由まで全部書ききれないので、大事な動作のポイントだけ挙げておきます。
①投げる方向へ倒れていく
脚を上げた後に、軸脚を少し曲げて重心を沈める動作や、脚を降ろす動作を行いますが、これは真っ直ぐ立った状態のまま行なうのではなく、軸脚を投 げる方向に斜めに傾けて腰を進めていきながら行ないます。
ピッチャープレートやベースの角(辺の部分では角度が急 過ぎるので)などに脚の裏の小指側半分をかけて投げてみてください。
その使 い方の効果を体験できます。
②着地までに軸脚を伸ばし、投げる方向に勢いよく進む
このためには、ステップ動作は上げた足から着きにいくのではなく、できるだけ軸脚の働きだけで進むように行ないます。
上げた脚は、腰を進めていきながらプレートに向かって降ろし、腰の移動に遅らせて前に引き出します。
③肩越しに目標を見据えた上半身の角度を平行移動させる
着地のタイミングでは、決して腰よりも頭を前に出すことなく、頭を後ろに残 して肩越しに投げる方向を見据えた角 度を上半身につくります。この角度で着地できれば、胴体の移動と回転を生 かして腕を振ることができます。
この上半身の角度は、脚を上げて降ろす前ま での間か、遅くても脚を降ろしたときにはつくっておき、着地まで平行移動させるように心掛けます。この平行移動は 軸脚だけでのステップで実現されます。
◇前田 健 プロフィール
筑波大学大学院で体力トレーニング論を専攻後、日本石油野球部で9年間コンディショニングコーチを務める。2003年、当時監督の星野仙一氏入団要請され、阪神タイガース一軍トレーニングコーチに就任。同年、18年ぶりリーグ優勝に貢献した。
現在は野球選手個人とチームを対象に、ピッチング、バッティングの「動作指導」と「トレーニング指導」を行う「BCS Baseball Performance」(兵庫県芦屋市、埼玉県和光市)の代表として、日本全国の野球選手の活躍をサポートしている。
北海道には札幌のバッティングセンター「ピッチャーガエシ」(札幌市手稲区)に訪れ、マンツーマンの動作改善指導を行っている。