速い球を投げるには<後編>
<後編>
Q)速い球を投げるには どうしたらいいですか
A)理由まで全部書ききれないので、大事な動作のポイントだけ挙げておきます。
④テイクバックの『トップ』をつくる
着地のタイミングで、投げる方の腕を『トップ』と呼ばれる位置でたたんでおきます。
トップの位置は耳の上を親指と人差し指でつまんで、肘を背中の方に引いて肩 甲骨を引き寄せた位置です。
この位置で肘がたたまれていれば、下半身や胴体で生み出した力を全 部腕に伝えることができます。
また、肩や肘を痛める危険性も一番 少ない位置です。
⑤着地脚の固定と股関節での回転
着地脚は着地した瞬間に固定し て、ステップで投げる方向に進んできた勢いを強く受け止め、その付け根の股関節を軸にして、鋭く腰を回転させます。
⑥腕の脱力
腕は腕の力で振りません。
『トップ』でつくった肘の位置は、リリー スまでほとんど動かさず、腕が胴 体の回転や移動の動きに遅れて 引き出されて、遠心力に『振られる』のに身を任せることが大切です。
これができたとき、腕は大きくしなってから、左右の肩と肘、 ボールまでが一直線のラインに並んだボールリリースになります。
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◇前田 健 プロフィール
筑波大学大学院で体力トレーニング論を専攻後、日本石油野球部で9年間コンディショニングコーチを務める。2003年、当時監督の星野仙一氏入団要請され、阪神タイガース一軍トレーニングコーチに就任。同年、18年ぶりリーグ優勝に貢献した。
現在は野球選手個人とチームを対象に、ピッチング、バッティングの「動作指導」と「トレーニング指導」を行う「BCS Baseball Performance」(兵庫県芦屋市、埼玉県和光市)の代表として、日本全国の野球選手の活躍をサポートしている。
北海道には札幌のバッティングセンター「ピッチャーガエシ」(札幌市手稲区)に訪れ、マンツーマンの動作改善指導を行っている。