2012・センバツウォッチ!
石巻工業、阿部キャプテンの歴史に残る選手宣誓で幕をあけた今年のセンバツ甲子園。
一年が経ち、忘れかけていた震災を思い起こし、また明日への思いがこもった宣誓は各方面でも大絶賛だった。
さて、大会は好投手が多かった印象で、ざっと思い出してみても、大谷(花巻東)、藤浪(大阪桐蔭)、濱田(愛工大明電)、青山(智弁)、柳(横浜)など、超高校級の投手達は見応えがあり、また彼ら以外にも好投手が多数出場し、大会を盛り上げてくれた。
決勝戦は、大阪桐蔭-光星学院。ある意味、下馬評通りとも思える対戦。
光星学院は、新チーム結成からここまで無敗。また、青森勢初の優勝旗を持ち帰れるか注目が集まった。
結果は、ホームランも放った大阪桐蔭が7-3で押し切りセンバツ初優勝。
戦前は、ベスト8での5イニング以外を全て藤浪投手が一人で投げ、また昨夏のアドバンテージも考えると光星学院に分があると思われた。
しかし、藤浪投手の超インステップからの投球を光星学院は打ち崩せず、終わって見れば大阪桐蔭が一枚上手な印象で大会は終了。
一方、初戦敗退だった北海道の2チーム。
どちらも強豪校との対戦だっただけに、くじ運も含め悔しさいっぱいの帰道となった。
特に攻撃面。
もちろん、出来ることは全て準備して挑んだであろう。
しかし、得点を奪うというよりまずチャンスが訪れない。
ランナーが出てこそ色々な攻撃パターンを駆使し、得点に繋げていく。
どちらの投手も実力、調子とも良かったといえばそれまでだが、でも、それではつまらない。
特に北照の対戦相手となった光星学院の城間投手は、コントロールが抜群で、7安打されながらも無失点で北照打線を抑えた。
この試合、特に城間投手のアウトコースへのストレートの制球が光った、というよりストライクだった!?
高校野球では大学、プロよりも明らかにアウトコースのストライクゾーンが広い。これは善し悪しの問題ではなく、事実としてということ。
それが、元々広めのゾーンを、更に広くとる主審だと、これはもうストレートというより、真っ直ぐな変化球ともいえるボールとなる。
投手はもちろんこれを利用し、打者は攻略しなければならない。
「外が広い」高校野球では、「基本的」なテクニックやパワーはもちろん必要だが、それプラス、アウトコースの出し入れや、これを攻略しきれるかというところに色んな要素があると、改めて確信できたセンバツ大会でもあった。
佐藤 大(北海道日大高~札幌大)
日高ベースボールスクール/代表