故障しやすいフォームの場合、加速期に手首が・・・＜第7話＞
コラム「ドクターから一言」院長・瀧内敏郎氏＜復刻＞
ベースボール北海道ストライクの前身で2007年よりフリーペーパーとして発行した『熱球マガジンストライク』の人気コラム「ドクターの一言」院長・瀧内敏郎氏のコラムを、紙からWEBに変え復刻させていただき、１０月３１日水曜日より隔週に渡り掲載させていただくこととなりました。
同氏は、すでに「たきくちプレス」でもご承知の瀧内氏ですが、コラム「ドクターの一言」では、投球傷害で起こりやすい投球フォームの事例や逆に起こりにくい投球フォームを紹介するなど当時、目からうろこの情報として話題となった。
これまで正しい投球フォームと故障しやすい投球フォームについて述べてきましたが、今回はフォームの見極め方について述べたいと思います。
選手のキャッチボールを投球側からよく観察すると、故障しやすいフォームの場合は加速期に手首が後ろに反り、ボールの中心が前腕の延長線から外れているのがわかります。
小学校高学年以上になると腕の振りが早くなり、一見すると腕のしなったきれいなフォームに見えてしまいがちです。
この場合はシャドウピッチングをさせて、加速期、つまり肘が顔の横を通るタイミングで静止させます。
多くの選手は無意識に手首を後ろに反らせていますが、正しいフォームでは手首が反らず手のひらが自分の頭の方を向きます。
また、指先のマメも判断材料のひとつです。
速球派なのにマメができない投手は手首を反らせてから押し出すようにリリースしている可能性が高く黄色信号、反対に小学生のうちからマメができる選手は将来が楽しみと言えるでしょう。
～プロフィール～
たきうち整形外科スポーツクリニック
院長 瀧内 敏朗
1968年、むかわ町生まれ、1993年札幌医科大学卒業，同大学整形外科入局
道内各地の病院で研修を受けた後，大阪厚生年金病院にてスポーツ傷害治療の研鑽を積む。
以来，肩・肘を中心に関節鏡視下手術を数多く手掛ける。海外ではオーストラリアやアメリカ，国内では東京・大阪はもとより名古屋・那覇など全国各地で手術の指導や講演を行う。 著書・論文多数。
札幌医科大学付属病院整形外科医員，西岡第一病院スポーツ診療部長を経て，2009年4月，当クリニックを開院。
日本整形外科学会専門医，北海道スキー連盟強化委員。
