再起へ心は一つ、東海大札幌の中村君

まだ腕は振れないが、投球ポーズで感触を確かめる中村君
「医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院」(札幌市厚別区青葉町3丁目)の外来専用施設、「羊ヶ丘病院付属リハビリクリニック(同区青葉町11丁目)に通院し、復帰に向かって頑張っている様子を紹介する連載企画「院内で見つけたアスリート」の今回の登場者は、札幌6大学野球の強豪校・東海大学札幌キャンパス1年の中村海翔君(かいと、19)。
中村君はシーズン開幕前の3月に「羊ヶ丘病院」で右ひじ内側側副靭帯損傷、いわゆるトミージョン手術をし今リハビリに全力を尽くす毎日だ。
小学生から投手一本、完全復活まではまだまだ遠い道のりだが、プロへの夢を描きながら再出発へ心を一つにしている。

東海大札幌キャンパスの中村海翔君
▽中村 海翔(東海大札幌キャンパス1年、19=178センチ、80キロ、投手)札幌・藻岩下BBJ-藻岩中軟式野球部-東海大付属札幌高-東海大札幌キャンパス硬式野球部
初めてのけがだった。
ひじじん帯損傷を医師から伝えられ、不安でいっぱいになった。
さらに「手術」という二文字で心に追い打ちがかかり、不安怖さがピークに達した。
「本当に元に戻るのだろうか」、「また野球ができるのか」、考えれば考えるほど負のスパイラルに吸い込まれるような気持になった。
しかし心配は無用だった。術後の経過もすこぶるよく、あと2週間ぐらいで腕をふることが可能となりシャドーピッチングができるまで回復している。
野球は小学2年生から始めた。
プロ野球選手になるのが夢として、投手1本で頑張ってきた。小学5年からエースになり、中学・高校と活躍してきたが高3になってひじに異変を感じるようになった。
激痛が走る時もあったが我慢を重ねて悪い結果を招いてしまった。
「最後は痛みを通り越して、肩に力が入らなくなりました」。
辛いことを思い出すように中村君は語った。
得意な球はストレートとスライダー。コントロールよく、まっすぐで押してスライダーで決める-これが中村君のピッチャー信条だ。打力もあり、中学時代は4番を打っていた。
けがで失った1シーズンは大きいが、得たものの方が多かった。
「自分の欠点が分かりました。すべてが体の固さに起因していると思います」と中村君。
それによって今後どの部分を鍛えるか、ターゲットを絞ってトレーニングをすると言う。
気持ちもスッキリ、「今季はけがをしない体づくりに徹します」。
プラス思考で2年生からが本勝負と決意を固め、来季への構想を練っている。
(記者の目・中山武雄)プロへの挑戦を語るとき、中村君の表情が輝く-。
老年記者にとってはうらやましい限りです。
私にも小さいながら夢があり、いくつか手にできました。
中村君の輝く表情を見て当時の自分を思い出しました。
中村君、ありがとう。
期待しています。
豊富な人材・知識で迎える医療スタッフ「医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院」
「医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院」(札幌市厚別区青葉町3丁目)が2017年3月に外来患者専用のリハビリ施設「羊ヶ丘病院付属リハビリクリニック」を近隣の同区青葉町11丁目に開業し急増する患者に対応するとともに、さらなる医療サービスの向上を目指している。
施設内には野球規準に適合したリハビリ用のマウンドや最新のスポーツ鍛錬器具などを揃え、患者の早期復帰をサポートしている。
病院長の岡村健司医師は肩関節鏡視下手術7000例を超える実績を誇り全国トップクラス。当サイト・ストライクで連載した「野球肩って何?」(バックナンバー)は野球少年・少女、指導者や父母らの人気コーナーになった。また、リハビリを担当する理学療法士・作業療法士は90人を超えるスタッフが対応し、その大半が学生時代には野球、サッカー、スキー、テニス、バレーボールなどのアスリート経験者で、患者の気持ちをよく理解し、あるときは良き相談者になり、患者の心の支えにもなっている。
「野球肩って何?」(バックナンバー)
第1話「その原因」
第2話「投球フォームから」
第3話「どうして起こる」
第4話「症例の中から」
第5話「症例の中から」
第6話「不安定肩」
【受付・診療時間(外来・リハビリテーション】
♦月~金 受付・午前の部:8:30~11:00 午後の部:11:00~16:00(土曜は午前のみ)
(自動再来受付機は午前7:00~)
診療・午前の部(月~水・金)10:00~13:40 午後の部:15:40~19:30(土曜は午前のみ)
(木・土) 10:00~13:45 午後休診
♦休診日 日曜・祝日・年末年始
【予約・問い合わせ】
羊ヶ丘病院付属リハビリクリニック ☎011-351-0881
取材協力:医療法人社団 悠仁会 羊ヶ丘病院