室蘭、創部12年目で初V

ナンバーワンポーズで優勝を喜ぶ室蘭シニア
リトルシニア日本選手権北海道大会
六回打線爆発、札幌大谷に逆転
第40回リトルシニア日本選手権北海道大会の決勝戦、3位決定戦が6月30日、滝川市営球場で行われた。
室蘭と札幌大谷の決勝戦は、どちらも初優勝をかけての戦い。
先取点を許し、五回まで札幌大谷の大友亜蘭投手(3年)に完全に抑えられていた室蘭打線が六回に爆発し大量4点をあげ逆転、創部12年目で念願の初優勝を飾った。
9年ぶり2回目の日本選手権出場のほか、第6回全日本中学野球選手権(ジャイアンツカップ)の出場権も獲得した。
3位決定戦は札幌新琴似が札幌北を9-6で破った。
今年は北海道連盟(伊藤儀隆理事長)の40周年記念にあたり、上位5チームが8月1日から東京・明治神宮球場ほかで行われる全国大会に出場する。
順位は①室蘭②札幌大谷③札幌新琴似④札幌北⑤札幌中央。
▽決勝戦
室蘭
0000043=7
1000000=1
札幌大谷
(室)外山-川波
(札)大友、岡本-石田
▽三塁打 大友(札)、松村(室)
▽二塁打 岡本(札)
強打の室蘭、六回集中打で逆転!
眠っていた強打の室蘭が六回に爆発した。
打線は上位から始まる好打順。
一死後、2番・金子蓮(登別幌別3年)が口火の左前打、続く3番・外山悠太(豊浦3年)が右前打、二死になってから6番・吉田航也(港南3年)、7番・菊地隆太(東明3年)、8番・川波俊也(登別西陵3年)の3連続安打などで一気に4点を上げて逆転した。
最終七回にも4番・松村拓夢(桜蘭3年)の走者一掃の三塁打で3点をあげ、試合を決めた。
四回まで札幌大谷のエース大友に無安打で抑えられ、苦しい戦いだった。
それでも室蘭には焦りはなかった。
キャプテンでエース、3番を任されている外山は「いつものパターンで心配はなかった。後半必ず打ち崩せると思っていた」と、ナインの打力を信じて最後まで投げ切った。
全国大会に向けては「自分たちの持ち味をすべて出し、声を出して一つ一つ勝っていく」。
頼もしい大黒柱の言葉が返ってきた。
創部3年目から指揮を執る水本隆監督(55)も悲願の初優勝に大喜びだった。
チーム関係者らから祝福の声をかけられ、満面に笑顔。
「選手のみんなが、無敗で選手権に行くと誓ったことが現実となり、うれしい。
このチームは、試合で勝つことを知っている」とナインを称えた。
そして、初優勝に導いたもう一つの大きな要因はコーチ陣の下支えがあった。
「新井、磯部、外山の3コーチがそれぞれの役割をきっちりと果たし、選手の面倒を良く見てくれた。
この3人がいなかったら優勝はなかった」とキッパリ言い切る水本監督。チーム一丸の悲願達成を強調した。
今大会は、強力打線に加え、エース外山を中心に、小嶋寛人(登別幌別3年)、女性投手として注目されている小原美南(登別明日3年)の踏ん張りも見逃せない。
特に小嶋、小原の成長は監督も認めるところだ。
「男子と変わらない投球力を持っている小原には期待したい。
次の道新スポーツ杯では先発も考えている」と言う水本監督。
日本選手権などのビッグ大会の前に、いろんな試みをし万全な態勢で全国に臨む気迫がビシビシ伝わってくる。
道内初制覇が選手をまた一回り大きく成長させた。
さあ、今度は全国の舞台で思いっ切り暴れてほしい。
創部5年で準V、全国に挑戦する札幌大谷
◎ 創部5年目で決勝進出を果たした札幌大谷。
決戦で室蘭に敗れはしたが、内容は見劣りせず随所に光るプレーが見られた。
圧巻はエース大友亜蘭(3年)のピッチングだ。
四回まで強力打線の室蘭を相手にノーヒットノーランの素晴らしい投球。
五回に1安打を許したものの1-0と完全に抑え切っていた。
勢いからして完封勝利も見えかけていた終盤の六回に室蘭打線につかまり勝利は消えたが、大物感いっぱいのピッチングだった。
この悔しさを全国で晴らしてほしい。
☆札幌大谷・村吉晃一主将(3年) [東ハリケ-ン出身]
優勝して全国に行くのが目標だったので、負けたのは悔しい。全国ではすべてをぶつけて戦い、優勝を目指す。
☆札幌新琴似・仏具和哉主将(新陵3年) [曙ドラゴンファイヤーズ出身]
(全国大会まで)あと1カ月あるので、しっかり練習して目標の「全国V」を果たしたい。みんなでつなぎ、勝つことに集中していく。
☆札幌北・渡邉翔太主将(山鼻3年) [現中南イーグルス(中南ブラックジャガーズ)]
北海道チームの中で、最後まで勝ち残りたい。チーム持ち味のつなぐ野球を見せたい。
協力:全日本リトル野球協会リトルシニア北海道連盟