旭川大雪・田澤、抜群の投球で優勝導く 準Ⅴ札幌手稲

優勝旗を受け取る旭川大雪ナイン
◆第8回日本少年野球北海道選手権大会(全国大会予選)
決勝・旭川大雪ボーイズ6-0札幌手稲ボーイズ=19日、栗山町民球場
栗山町民球場で19日、中学硬式野球ボーイズリーグの全国大会予選の準決勝、決勝が行われ旭川大雪ボーイズが3年連続6度目の優勝に輝いた。
表彰選手には最優秀選手賞に近 豪己(3年・旭川大雪ボーイズ-東光サンボーイズ出身)、優秀選手賞に松木優弥(旭川大雪ボーイズ-近文レッドライナーズ出身)、西田 光(3年・札幌手稲ボーイズ-星置ブラックタイガース出身)、敢闘賞にジョンソン寿蓮(3年・函館ボーイズ-函館アンビシャス出身)、北村健二(3年・札幌北広島ボーイズ-平岡カウボーイズ出身)らが選ばれた。
◇決勝
札幌手稲ボーイズ
0000000=0
200121X=6
旭川大雪ボーイズ
(手)水野、古川龍、高野-古川慶、水野
(旭)田澤、伊知地-近
▽三塁打:松木(旭)
▽二塁打:石川、近(旭)

3年連続優勝に輝いた旭川大雪ナイン
<4強ベンチ入りメンバー>
旭川大雪・田澤、抜群の投球で勝利導く!
19日、栗山町民球場で準決勝、決勝が行われ決勝で旭川大雪・先発の田澤慶朔投手(3年・東光サンボーイズ出身)が、札幌手稲打線を相手に五回2安打無失点と完ぺきな投球。
5点差がついた六回から伊知地 晴投手(3年・東聖イーグルス出身)が、マウンドに上り得点圏に走者を許す場面はあったが要所を締め二回無失点で見事完封リレーで勝利を飾った。
先発の田澤投手は昨秋に比べ球速も上がり変化球のキレも増していた。
特に外に逃げるスライダーや外のストレートで札幌手稲のバットが空を切っていた。
同日行われた準決勝・函館ボーイズ戦で好投を見せた高橋悠人投手(3年・新富野球少年団出身)のピッチングに触発され「自分も」と刺激を受けマウンドへ上がっていたのだ。

田澤投手(旭川大雪)
4番・近が大活躍
旭川大雪は初回、一死から2番・石川翔心(3年・近一チャレンジャー出身)の三塁打と3番・田澤の四球で一、三塁とすると4番・近 豪己(3年・東光サンボーイズ出身)が、レフト前タイムリーで先制。
結果、これが決勝点となった。
さらに7番・岸本颯仁(2年・忠和サンダース出身)のライト前タイムリーでこの回2点を奪った。
四回には二死三塁から4番・近が、この試合2打点目となるセンターオーバータイムリー二塁打で加点。
五回に2点、六回に1点と札幌手稲を突き放し勝利した。

近捕手(旭川大雪)
西大條敏志監督(52)は「田澤が期待通りの頑張りを見せてくれた」とエースの投球に手放しで喜んだ。
同氏は全国大会に向け「全国用のバッティング練習をスピード感を持ってやっていきたい」とさらにギヤを上げ全国大会に備える。
また今回、優秀選手賞に代打の切り札・松木優弥(3年・近文レッドライナーズ出身)が、選ばれた。
代打で結果を出すのは至難の業。
そんな厳しい環境で準決勝、決勝と2度のチャンスに指揮官の期待に応え受賞となった。

代打の松木(旭川大雪)
同チームは4年前の全国ベスト8が最高。
全国常連の西大條監督が大阪夏バージョンにチームを仕上げる。
同チームは8月8日から大阪府で行われるリポビタンカップ第51回 日本少年野球選手権大会へ北海道支部代表として出場する。
〇田澤 慶朔(たざわ けいさく)
3年 投手
昨秋からチームのエースとして存在感を見せる。
貴重な左として今後の成長に期待が膨らむ。
球種はストレート、カーブ、スライダー。
自粛期間中のトレーニングのお陰で各球種に磨きがかかった。
全国大会では「全員一丸になって優勝できるよう頑張ります」と意気込んだ。
小学3年生から東光サンボーイズで始める。
そこにはすでに小学1年生から野球を始めていた近君がいました。
左投げ、左打ち
172センチ、62キロ
〇近 豪己(こん ごうき)
3年 捕手
タイプの違う投手の特長を十二分に引き出す捕手でありダイヤモンドを一望する扇の要も任される。
攻撃では四番も任され、その重圧に負けることなくここぞいう場面でシャープに振りぬくバットからは力強く低い弾道で好打が生まれる。
全国では「ピッチャーの持ち味を引き出せるようリードしたい。バッティングでは右中間、左中間の間を抜く強い打球を打てるよう頑張りたい」と明確なイメージを明らかにした。
野球は小学1年生から旭川市の東光サンボーイズで始める。
右投げ、右打ち
168センチ、65キロ
札幌手稲、決勝で力尽きる
初回に2点献上、四、五、六回と続けて失点。
しかし六回、一死から3番・若菜に代わって代打の高橋海翔(2年・北発寒エンジェルス出身)が、センター前へしぶとく出塁。
続く4番・笹田がレフト前でつなぎ一、二塁のチャンス。
札幌手稲、この試合一番の見せ場を作るも後続が倒れ無得点。
旭川大雪・好投手の前にあと一本が無く涙に終わった。
しかし同チームの夏はまだまだ終わらない!
同チームは、8月13日から埼玉県本庄市で行われる第45回関東大会へ北海道支部代表として出場する。

準優勝の札幌手稲ボーイズ
西田は攻守で活躍
決勝終了後に行われた閉会式では表彰選手に西田 光外野手が選ばれた。
準決勝で2四球とレフト前、守備では俊足を生かしセンター後方や左中間へ抜ければ長打コースの打球に対し、俊敏に反応し投手陣を支えた。
チームのトップバッターとしての彼の役割は大きく。
同選手の出塁率がチームの得点に直結する。

優秀選手賞の西田(札幌手稲)
準決勝で力尽きた札幌北広島ボーイズと函館ボーイズ
~2年生・宮澤好投光る~
準決勝・第1試合で札幌北広島ボーイズは涙するも五回まで札幌手稲を苦しめた宮澤李佑投手(りゆう・2年、西の里カープジュニア出身)の好投が光った。
初回に1点先制されるも二回から五回までの4イニングを一人の走者も許さないピッチングあった。
さらに0-1と1点を追う二回、二死一塁の場面で7番・宮澤が、ライト線を抜くタイムリー二塁打で同点とした。
宮澤は「自分が許した失点なのでしっかり取り返そうと打席に向かった」と胸を張った。
まだ2年生ながら投打に力強さがある。
右投げ、右打ち
175センチ、65キロ
家族は両親と弟2人の5人。
山田 徹監督(60)は「コントロール、ボールのキレがあるので思った以上に良く投げてくれた」と宮澤を称えた。
~勝敗を分けた1プレイ~
札幌北広島は五回、内安と四球、敵失で一死満塁のチャンスを迎えた。
ここで好打者の3番・小竹森 尋(3年・札幌豊平リトル出身)が、あわやセンターに抜けるような強い打球を放つも札幌手稲・笹田投手が俊敏に反応し、これをキャッチしホームへ送球し1-2-3のダブルプレーで勝ち越せなかった。
仮にこの打球が抜けていればゲーム展開は変っていたかもしれない大変大きな勝敗を分けた紙一重の1プレイだった。
札幌手稲ボーイズ
1000040=5
0100000=1
札幌北広島ボーイズ
(手)若菜、笹田-水野
(北)宮澤、稲田、中倉-小竹森
▽二塁打:若菜(手)、宮澤、北村(北)

宮澤投手(札幌北広島)
~注目・ジョンソン寿蓮~
準決勝・第2試合で涙を呑んだのはアメリカ人の父と日本人の母を持つジョンソン寿蓮(じゅれん・3年、函館アンビシャス出身)。
同選手は三回、一死二、三塁のピンチにマウンドに上がり見事0に抑え味方のピンチを救った。
六回に1失点するもキレの良いストレートとスライダー、ツーシームの変化球が冴え強打・旭川大雪打線の勢いを止めた。
ジョンソンは「個人的には良かったのですが自分がもっとチームを鼓舞していれば」と試合後。
「選手の少ないチームで三年間、全国大会出場を目指してやってきたが、今日負けた大雪にリベンジしたい」と唇をかんだ。
チームの主将であり投打の中心。
文句なしにチームの大黒柱。
ボールのキレ、打球の速さ、さらに統率力。
プレーも常に全力疾走と際立ち。
端正な顔立ちに加え三拍子そろった逸材だ。
今後の進路も注目したい選手。
憧れのプロ野球選手はギータこと柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)。
右投げ、右打ち
182センチ、65キロ
旭川大雪ボーイズ
5000010=6
0010001=2
函館ボーイズ
(旭)高橋、渡邊-近
(函)山口、ジョンソン-正津
▽三塁打:高橋、松木(旭)
▽二塁打:日光(旭)、信平(函)

優秀選手賞のジョンソン(函館)

第3位の函館ボーイズ
協力:公益財団法人日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)