南・北海道大会「三澤vs鳥越」ウォッチ!
南・北海道大会
「三澤vs鳥越」ウォッチ!
北・北海道大会は旭川工業、南・北海道大会は札幌第一の優勝で幕を閉じた北海道大会。
南北の決勝とも1点差という、どちらに転ぶかわからないスリリングな展開で、まさに「夏の高校野球」だった。
まずは、両校の優勝を祝福し、甲子園での検討をお祈り致します。
そんな熱戦の中でも特に気になり、思い入れが強い好ゲームを一試合、強いてあげるとするなら、
「北海道栄-苫小牧東」
前回の白球ウォッチでも触れましたが、両校のエースはともに北海道を代表する右腕。
●三澤 祐輔(北海道栄3年・投手)140km台のストレートと必殺スライダーで地区予選は無失点。ピンチになればなるほど「大人のピッチング」で打者を翻弄。
●鳥越 翔(苫小牧東3年・投手)北海道内より中央での評価が高く、145kmのストレートが持ち味。色んな意味で今年の最注目投手。
試合は、先取点が始まりの終わりか!?とも思わせる緊張感のある両投手の投げ合いが続き、迎えた4回表北海道栄の攻撃。
走者三塁、ここしかないという場面でのスクイズ成功。
三澤投手は楽になり、鳥越投手は線が「切れた」。
怒涛の攻撃、4~5回で8点をあげた北海道栄がコールド勝利。
しかし、先取点のスクイズまでは大会一緊張感のあるゲームだった。
去年の秋、毎年強力投手陣を従える北海道栄のエースの座についた三澤投手は、結局7回を完封し予選からの無失点を守った。
一方の鳥越投手は昨夏、支部予選決勝で駒大苫小牧をキリキリ舞いさせたが、延長の末に敗退。その後、駒大苫小牧は全道大会で準優勝。
奇しくも今年の支部予選決勝も駒大苫小牧が相手で、一年越しのリベンジを果たした。
スクイズの失点から崩れながらも最速145kmをマークしたこの日の鳥越投手は、一度後輩にマウンドを譲ったものの最後の守備には再びマウンドへ。
すると、今までセットで投げていた鳥越投手が最後の回に「前」を向いて投げ始めた。ノ―ワインドアップで。
昨年、今年と何度か見ているが、「前」を向いて投げている姿は初めて見る。
これは、高校卒業後も野球を続けて行くという鳥越投手の意思表示だろう。
両投手とも色々な思いを持って挑んだ南・北海道大会。
同じ室蘭支部で凌ぎを削った3年間。
「もう少し上」で対戦させたかった・・・
佐藤 大(北海道日大高~札幌大)
日高ベースボールスクール/代表