苫小牧ボーイズ初優勝に輝く!準V札幌手稲

優勝の瞬間、マウンドに駆け寄る苫小牧ボーイズナイン
中学硬式野球ボーイズリーグ最高峰の大会と言える第11回日本少年野球北海道選手権大会・決勝、3位決定戦が17日、札幌麻生球場で行われ決勝で苫小牧ボーイズが札幌手稲ボーイズを6-5と接戦を制し、初優勝を飾った。
同チームは8月2日から大阪府で行われる『第54回日本少年野球選手権大会』へ北海道代表として初出場する。
加えてジャイアンツカップ道予選(全日本中学野球選手権)とFBC U15への出場権も掴んだ!
準優勝の札幌手稲ボーイズは8月11日から埼玉県本庄市で行われる第48回日本少年野球関東大会へ北海道代表として出場する。
尚、3位に旭川大雪ボーイズ、4位に札幌北広島ボーイズとなりこの2チームは8月11日から福島県いわき市で行われる第2回日本少年野球東北選抜大会へ北海道代表として出場する。
◆決 勝(6月17日)
苫小牧ボーイズ
1102101=6
1002020=5
札幌手稲ボーイズ
(苫)山田、石川、山田―橋場凰
(手)平野、岩崎、羽賀―森田
▽三塁打:川崎(手)
▽二塁打:漆沢、春日(苫)、及川、三浦公(北)

初優勝に輝いた苫小牧ボーイズ
◆3位決定戦
旭川大雪ボーイズ
3000003=6
0000000=0
札幌北広島ボーイズ
(旭)伊藤、加藤蒼―松本
(北)中倉、道佛―神田
▽三塁打:億貞(旭)
▽二塁打:高本蔵(旭)、石田晄(北)
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苫小牧、粘る札幌手稲を振り切り初優勝!
昨秋、全国予選(新人戦)選手権では1回戦で敗れた苫小牧ボーイズが、今年最高の全国夏切符を掴んだ!
苫小牧は初回、一死一、三塁の場面で一走・橋場凰太郎(3年・厚真ファイターズ出身)の二盗を狙う間、札幌手稲が警戒する中、三走・平野温大(3年・日新スポーツ少年団出身)が、札幌手稲のすきを突きホームスチールに成功。
電光石火の攻撃に苫小牧ベンチは沸いた。
―下位打線の攻撃光る!-
二回にも二死から8番・細川瑠星(3年・苫小牧末広アトムズ出身)が、センター前と二盗でチャンスを作ると9番・漆沢拓己(3年・泉野イーグルス出身)が、しぶとくセンター前にはじき返し加点。
四回にも9番・漆沢、1番・平野のタイムリーで2点と主導権を握った。
さらに4-3と1点差に迫られた五回にも7番・山田宗継(2年・苫小牧末広アトムズ出身)の犠飛で5-3と2点差とした。
粘る札幌手稲の奮闘もあり6-6と同点で迎えた七回、二死から7番・山田が、ライト前で出塁すると8番・細川もセンター前でつなぎ無死、一二塁と再び勝ち越しの機運を高めた。
ここで9番・漆沢が、ライト前を放つと二走・山田が一気にホームへ生還し、6-5と勝ち越した。
―MVPの9番・漆沢-
普段わき役に回ることの多い、下位でありながら攻守で活躍!
攻撃では4打数3安打3打点と大活躍し、守備では五回、一死一、二塁で二塁手の漆沢はセンター寄りのライナーを横っ飛びで好捕するスーパープレーで二走が戻る前に二塁送球し、ダブルプレーでチームのピンチを救った!
この打球がもしセンターへ抜けていたら一気に二走が生還となりゲームの流れも急変し、流れが札幌手稲に傾いたかもしれない大事なプレーとなった。
しかし六回、自らのプレーから失策絡みで失点。
決勝打を放った漆沢は「ミスを取り返したかった、七回にチャンスが回って来て絶対打ってやろうと強い気持ちで打席へ。守備では厳しい試合だったので、ピッチャーを助けてやりたい思ってプレーしていた。全国大会は人生初。まずは一勝して優勝を目指したい」と照れくさそうにインタビューに答えた。

決勝打を放つ漆沢(苫小牧ボーイズ)
投げては先発・山田、石川瑛二朗(3年・沼ノ端スポーツ少年団出身)、山田の継投で粘る札幌手稲を1点差で振り切りうれしい初優勝に輝いた。
今大会一番の成長株『山田宗継投手』。
髙橋輝昭監督(50)は「笑顔で投げる度に良くなってきている。一戦毎に自信を掴み、見る度に足が上がってきている」と2年生投手山田を称えた。
試合後、山田投手は「絶対勝ちたいと言う強い気持ちでマウンドに上がった。優勝の瞬間、言葉では言い表せないほど、うれしかった」と笑顔でインタビューに答えた。

決勝でも高々と左足を上げるフォームが特徴的な山田投手(苫小牧ボーイズ)
チーム一丸で掴んだ初優勝!
全国一次予選となる春季リーグ戦では8戦中5勝3敗の4位で臨んだ今大会(全国2次予選)。
けっして楽な戦いは無かった!
初戦となる2回戦ではとかち道東ボーイズを6-5、準決勝では絶対王者・旭川大雪ボーイズを4-3で下すと、この勝利が苫小牧ナインに自信をつけ、決勝の札幌手稲を6-5と下した。
すべて1点差で勝ち切った要因は、戦う度に選手個々の結束が高まり、指導者と選手の信頼関係がさらに深まり、結果を恐れず迷いの無い戦いぶりが挙げられる。
攻撃も1番から9番まで後ろにつなごうと必死の粘り強さも備わった。
髙橋輝昭監督(50)は試合後、開口一番「子供たちに感謝の言葉しかない。初戦から1点差で勝ち抜き、手稲さんのしぶとさは流石。上手いこと七回に1点取ってくれた。まだまだミスがある。全国までにあたり前なことを徹底したい」と額から汗を流しながら終始喜びをにじませていた。
苫小牧ボーイズの平日練習は火・水・金曜日の三日間。
苫小牧市山手球場を使用し、夕方16:30~19:00頃を目安に恵まれた環境の中、行われている。
髙橋監督は元王子製紙硬式野球部で2000(平成12)年には遊撃手として北海道ベストナインにも選ばれた名選手でもあった。

優勝旗を掴む苫小牧ボーイズナイン
札幌手稲あと一歩及ばず準優勝
3年ぶりの決勝進出を果たし10年ぶり2度目の優勝を目指した札幌手稲。
決勝では序盤からリードを許すもなんとか追いすがり随所で粘りを見せた!
1-4と3点を追う四回、先頭の7番・伴 友希(3年・屯田ベアーズ出身)がレフト前。
次打者倒れ7番・川崎蒼雲(3年・北発寒ファイヤーズ出身)が、右中間を深々と破るタイムリー三塁打で1点返すと8番・岩崎賢成(2年・北発寒ファイヤーズ出身)に代打・三浦公太(3年・篠路ライオンズ出身)が、見事期待に応えレフトオーバータイムリーを放ち2点を返し1点差に迫った。
さらに3-5と2点差となった六回、6番・津川迅太(3年・屯田ベアーズ出身)、7番・川崎の連続安打で無死一、二塁とすると8番・羽賀大登(3年・屯田ベアーズ出身)の内ゴロが敵失を誘い二走・津川が一気に生還。
次打者倒れ一死一、三塁から1番・中井遥都(3年・北発寒ファイヤーズ出身)の内安で三走・川崎が生還し遂に5-5の同点とした。
1点を追う七回、先頭の4番・森田琉海(3年・朝里ホーネッツ出身)が、四球を選び同点の走者を置くも後続が倒れあと一歩及ばず涙した。
同チームは大会2週間前から打力向上を目指し、徹底的に打ち込んできた。
その努力の甲斐もあり決勝では長単10安打を放つも勝利はあと一歩に終わった。
越中 築監督(32)は「六回裏に2点を取り同点とするも相手が1枚上手でした。しかし決して恥ずかしい負けではない。次の目標、関東大会ではもう一度チームを作り直して挑みます」と悔しさをにじませながら球場をあとにした。
津川主将は「もうちょっとできたかなぁと思います。六回に2点を取り、しかし七回の1点が大きかった。関東大会では今大会の反省を踏まえ挑みたい」と試合後、新たな目標に胸を張った。
準優勝となった札幌手稲ボーイズは8月11日から埼玉県本庄市で行われる熱中症対策カップ第48回日本少年野球関東大会へ北海道代表として出場することが決まった。

4打数2安打と活躍した中井(札幌手稲ボーイズ)

四回にタイムリー三塁打を放った川崎(札幌手稲ボーイズ)

準優勝の表彰を受ける札幌手稲ボーイズナイン

準優勝の札幌手稲ボーイズ=(写真・チーム提供)

大応援団で札幌手稲を後押した三塁側スタンド。
<表彰選手>
▽最優秀選手賞
〇漆沢拓己(苫小牧ボーイズ・3年)
▽優秀選手賞
〇山田宗継(苫小牧ボーイズ・2年)
〇中井遥都(札幌手稲ボーイズ・3年)
〇松本琉葦(旭川大雪ボーイズ・3年)
〇平野 蒼(札幌北広島ボーイズ・3年)

写真左から最優秀選手賞の漆沢、優秀選手賞の山田、中井、松本、平野

第3位の表彰を受ける旭川大雪ボーイズ

第4位表彰を受ける札幌北広島ボーイズ
協力:公益財団法人日本少年野球連盟 北海道支部