札幌新琴似、日高が決勝進出!

勝利の瞬間、喜びを爆発させる日高ナイン
中学硬式野球リトルシニアは岩見沢市栗沢球場で18日、第51回日本選手権北海道大会の準決勝2試合が行われ、第一試合では札幌新琴似が洞爺湖を8-1の五回コールドゲームで下し、5年連続優勝に王手をかけた。
第二試合では日高が札幌大谷を八回タイブレークの末、8-7のサヨナラ勝ちを収め初の決勝進出を果たした。
決勝・3位決定戦は24日、札幌麻生球場で行われる。
札幌新琴似5年連続Vにロックオン!
札幌新琴似は今シーズン春・夏通乗じて初の先発マウンドを任された菅原歩夢投手(3年・東ハリケーン出身)が、強豪・洞爺湖打線を五回3安打無四球1失点に抑え、打っては五回、一死満塁からレフトオーバーのフェンス直撃となる2点タイムリー二塁打を放つなど投打で勝利に貢献した。
この勝利で札幌新琴似は5年連続優勝がいよいよ現実味を帯びてきた。
同チームは過去16度の優勝を誇る名門だ―。
札幌新琴似は初回、4番・中谷隼斗(3年・篠路ライオンズ出身)の犠飛で1点先制すると二回にも1番・櫻田彪真(3年・白石リトルファイターズ出身)が、一死満塁からセンターへの犠飛で三走・菅原が生還し加点。
結果、この2点目が決勝点となった。
三回には相手バッテリーミスから加点。
五回には打者9人で5点を奪い五回コールドゲームで試合を決めた。
試合後、生嶋宏冶監督は「円山で131キロの球速表示を出すなどこのところ菅原の調子が良いので初先発させた。チームとしてはまだまだ、もっと強いスイングをしなければ!来週の決勝までもっと鍛えてきます」とまさに勝って兜の緒を締めていた。
<注目選手>菅原の活躍が決勝でもカギを握る!

5年連続決勝進出を果たす札幌新琴似ナイン
◆準決勝(18日)
洞爺湖
00100=1
11105=8
札幌新琴似
(五回コールドゲーム)
(洞)加藤、清光、佐竹、舘岡-遠藤、清光
(新)菅原-中谷
▽三塁打:櫻田(新)
▽二塁打:佐竹(洞)、菅原(新)

準決勝に挑んだ洞爺湖ナイン、個の能力も高かった。
洞爺湖、本来の力だせず涙
洞爺湖は個の能力があるが、準決勝で本来の力を存分に発揮することができなかった。
悔やまれるのは四死球と失策が失点へと繋がってしまったところだ。
準決勝で敗れはしたが、全国大会・林和男杯でこの悔しさを晴らしてほしい。
唯一の得点シーンは三回、二死から2番・桐 僚三朗(2年・若草スティキーズ出身)のレフト前とバッテリーミスから得点圏に走者を進めると3番・佐竹徠都(3年・長和ジュニアスワローズ出身)が、左中間を破るタイムリー二塁打で1点を奪った。
次こそは咲かせてください勝利の華を!
〇菅原 歩夢(すがわら あゆむ)
3年・投手 兼 内野手
右投げ、右打ち
178センチ、77キロ
★2020日本ハムジュニア
球種はストレート、カーブ。
準々決勝の余市リトルシニア戦では最速131キロを計測した。
伸びしろたっぷりの注目右腕の活躍に期待が高まる。
打撃では春季大会で3本の本塁打を放つなど右肩上がりの好調ぶりを発揮している。
<試合後のインタビュー>
投打の活躍をみせた菅原は「久しぶりの先発で序盤は緊張からボールがばらついた、徐々にストレートと変化球のコンビネーションで組み立てることができた。タイムリーを打ったのは初球のインコースよりの真っすぐ。次の決勝ではチームの為にチャンスで打ちたい!投手としては周りを信じて投げる」と自らの活躍にもおごることなく己の役割を確認した。
同選手は春先、打の不調から打順も8番まで下がることがあったが、監督のアドバイスもあり、打撃フォーム改造で徐々に調子を上げ打順も6番まで上昇している。

菅原投手(札幌新琴似)
日高タイブレークの末、初の決勝進出!
日高は札幌大谷とのシーソーゲームを制し、初の決勝進出を果たした。
七回終わって7-7の同点。
八回からは大会規定により一死満塁からのタイブレーク突入。

勝利の瞬間、喜びを爆発させる日高ナイン
外崎が超ファインプレーでチーム救う!
八回、札幌大谷の攻撃は先頭が倒れ二死満塁から6番・青坂修斗(3年・菊水ベアーズ出身)が、右中間を破ったか!?に思われたが、その打球に対し日高の中堅手・外崎太一(3年・様似野球スポーツ少年団出身)が、右中間へ向かって斜めに背走後、最後に左手を大きく伸ばしスーパーキャッチを魅せこの大ピンチを無得点に抑える超ファインプレーがあった。
沸きあがる日高ベンチの攻撃は1番・川合 黎(3年・様似野球スポーツ少年団出身)から。
この日3打数2安打1四球とあたりに当たっている川合は1ボールからの2球目のカーブを三遊間へ放った。
打球はレフト前に転がり三走・中野廉士(3年・えりも岬野球少年団出身)が、生還するとベンチからは日高ナインが飛び出し喜びを爆発させた。
三回まで札幌大谷が6-3と主導権を握るも四回に日高が打者9人の猛攻で一挙同点さらに4点目も奪い逆転した。
五回には札幌大谷が1点を加え7-7。
まさにシーソーゲームとなったが、わずかな差で創部14年目の日高リトルシニアが初の日本選手権大会出場を掴んだ。
◆準決勝
札幌大谷
12301000=7
20140001=8
日高
(八回タイブレーク)
(大)鳥海、小野木、須永-岸田
(日)本、林、樋渡、林、本、林、本-川合
▽三塁打:田口、寺町(大)、本、川合(日)
▽二塁打:岸田(大)、本(日)

準決勝に挑んだ札幌大谷、惜しくも準決勝で涙した。
札幌大谷、序盤主導権握るも涙
札幌大谷は初回、3番・岸田悠幹(3年・上江別ブルードリームズ出身)のタイムリーで1点先制すると二回には2番・八城寿希(3年・岩見沢南ビクトリー出身)のタイムリーと押し出し四球でこの回2点。
三回には1番・寺町颯太(3年・東16丁目フリッパーズ出身)の2点タイムリーなどで一挙3点を奪い主導権を握った。
五回には一死二塁から3番・岸田が、勝負強くレフトオーバータイムリーで一時は同点とした。
準決勝で敗れはしたが、紙一重の実力。
全国大会・林和男杯でこの悔しさを晴らしてほしい。
次こそは咲かせてください勝利の華を!
〇外崎 太一(そとざき たいち)
3年・外野手
右投げ、右打ち
173センチ、80キロ
※スイングスピードは139キロを計測(2023年1月チーム訪問より)。
Q)憧れのプロ野球選手は?
柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)
スイングスピードが速く、広角に打てて、足も速いところ。
<試合後のインタビュー>
八回、ファインプレーでチームを救った外崎は「打球が自分の予想より伸びてので取れて良かった。初めての全国大会はうれしい!攻守でチームに貢献したい」と笑顔でインタビューに答えた。

ファインプレー直後、顔をくしゃくしゃにして喜ぶ外崎(日高)、写真左は樋渡
〇川合 黎(かわい れん)
3年・捕手
右投げ、右打ち
178センチ、63キロ
<試合後のインタビュー>
ゲームを決め殊勲打を放った川合は「総監督から言われカーブを狙っていた。打ててめっちゃうれしいです」と喜んだ。
四回には二死一塁からライトオーバーとなるタイムリー三塁打を放つなど打撃絶好調だ。
「全国でも今までやってきたことをしっかり出したい」と全国での活躍も誓った。

サヨナラ打を放つ川合(日高)
〇佐藤 響(さとう ひびき)
3年・内野手
右投げ、右打ち
167センチ、74キロ
※スイングスピードは131キロを計測(2023年1月チーム訪問より)。
<試合後のインタビュー>
3点差を追う四回、7点目を放った佐藤は「自分で決めるつもりで打席に立ち、インコース寄りの真ん中を打った。勝てて本当にうれしい。次の決勝では春季大会で負けている新琴似にリベンジしたい」と次の決勝に向け気を引き締めた。

7点目のタイムリーを放った佐藤主将(日高)、写真左は佐々木