~試される大マスコミ~「大谷翔平」ウォッチ!
菅野投手の強行指名から一年。
それは、読売入りを希望する菅野投手に対し、強行指名の日本ハムがクジを引き当てた衝撃的なドラフトだった。
どちらも法を犯すことなく、ルールにのっとってのドラフト。結局、菅野投手は小さいころからの夢を一年越しに叶えた。
今年、花巻東高校の超高校級投手である大谷翔平君が「アメリカ行き」を表明し、高校入学時からの夢だったと、その理由を語った。
もちろん、メジャー球団の「御挨拶」がなければ日本でプレーすることしか選択の余地はなかっただろう。
しかし、「160km」という、野球の業界では「神」にも近い、もっといえば「大谷翔平」という投げた本人をも越えてしまいそうな「160km」が「一人歩き?!」して日本だけではなく、野球の本場である「大陸」をも本気にさせた。
と、ここまでは「大谷翔平」を巡る日米の争奪戦と、それらの報道にすぎない。
だが、問題はここからで、声小さくも菅野投手を叩き続けた大マスコミが、大谷君に対してはどういうスタンスで「横並び」もしくは、表明前のように「割れる」のか?
アメリカとの契約はいつなのか?日本ハムは本当に何度も「頭」を下げ「挨拶」に行くのか?
「規格外の選手」「打者としても超一流」「160km」
「100年に一度の選手」など、まだまだ彼を表現するフレーズはある。
これに大陸の超メジャー球団が、わざわざ「御挨拶」に来れば、大谷君でなくても心は揺れる。
18歳で「160km」
大事に育って欲しいとは誰もが思う野球ファンの本心だが、もしアメリカでダメになっても、それは本人が夢見た世界であり、誰もこれを侵すことは出来ない。
しかも、大谷君でなければチャレンジする「権利」もないだろう。
成功するもしないも、チャレンジしなければ前に進まないし、超逸材の流出を止めたいのなら、これを機に考えればいい。ダメになるのも成功するのも、どちらに転んでも「大谷翔平」という凡人では考えられない「非凡」な彼の人生だ。
もともと実力の世界で、ファンにとっては「非日常」の空間であるプロ野球に、「保険」をかけたようなプレーは魅力がないし、ファンの掘り起こしには到底繋がらない。
これを機に報道の仕方も「売」から「質」へと動いてほしい。
どちらに転ぶかわからないギリギリのところでプレーする「凄味」をファンは見たいはずだから。
佐藤 大(北海道日大高~札幌大)
日高ベースボールスクール/代表