札幌新琴似シニア、貫録の19度目V

19度目の優勝にも嬉しさ抑えてベンチに引き上げる新琴似ナイン
感謝の気持ちを”力”に換えて-日本リトルシニア中学硬式野球協会北海道連盟(伊藤儀隆理事長)の今季最終戦、「第50回秋季全道大会新人戦兼第40回麻生自動車学校杯」の決勝戦・3位決定戦が10月15日、札幌・麻生球場で行われた。
決勝は札幌新琴似と初進出の大空の対戦となったが過去18度の優勝を誇る札幌新琴似が8-3で貫録勝ちした。
タイブレーク決着となった3位決定戦は札幌大谷が9-5で空知滝川を破り激戦をものにした。
今大会上位5チームとなる優勝の札幌新琴似、準優勝の大空、第3位の札幌大谷、第4位の空知滝川、敗者復活戦を制した第5位の苫小牧が来春3月の全国選抜大会(大阪)に出場する。
◆決 勝
札幌新琴似
1030022=8
0000120=3
大空
(新)本山聖、戸田、井上來、佐井、渡部-佐藤良
(大)窪田、石崎、窪田-高岡
▽三塁打:村岡(大)
▽二塁打:佐藤良、櫻田、田中敬、渡部(新)、高岡(大)

笑顔を見せ集合写真におさまる札幌新琴似シニア
試合の流れをつくり、攻める-古豪、常勝チームの伝統を受け継いだ札幌新琴似の初回表の攻撃は「さすが」と思わせた。
二死のあと3番・渡部瑛太(2年・厚別桜台パワーズ出身)が左前打で出塁、4番・佐藤良晄(2年・大麻アトムズ出身)が、左翼を破る二塁打であっさり先制した。
ヒットわずか2本の”省エネ攻撃”。
三回も四死球で無死満塁になって4番・佐藤が犠牲フライ、5番、主将の櫻田英汰(2年・西琴似パンダース出身)が、2者を返す右前タイムリー。
ここも犠打、ヒットで3得点し序盤で完全に主導権を握る鮮やかな攻めだった。
この日、3安打3打点と大暴れしてチームを引っ張った櫻田主将は「今年は打って勝つ積極的な野球をしてきたのがよかった。チームも自分も課題はいっぱいあるがオフで一生懸命練習し修正していきます。全国ではチームの持ち味(積極打撃)を生かしてチャレンジします」と、頼もしい。
六、七回の終盤も積極打撃が実り4得点を追加し、相手チームの戦意を奪った。
6番・斎藤璃維也(2年・札苗スターズ出身)も3安打2打点と大当たり、5番・櫻田と合わせると5打点の活躍、トータル10本のヒットは強打・札幌新琴似らしい積極さが出ていた。

札幌新琴似の先発、本山投手(屯田ベアーズ出身)

最終回はエース渡部で締めくくる
快勝と思われる勝利にも名将・生嶋宏治監督にとって、内容にはまだまだ満足していない。
「バッティングの弱さ、3枚目以降の投手など課題が多すぎる。どこまで成長できるか-オフの一番の課題」と話す。
決勝戦も5人の投手で継投した。
全国に向けての”試投”ともとれる。
常に選手たちの成長を探る生嶋監督、そのカギはオフの熱指導にかかっている。
大空シニア堂々プレー!
創部9年で決勝初進出
創部9年で決勝進出した大空シニア。4年前の春季大会でベスト4になったことはあるが決勝進出は初めての経験。選手たちからは緊張場面も見られたが王者・新琴似相手に堂々のプレーをした。
チームは東農大オホーツク野球部OBが集まって立ち上げられ
創部時からオーナー兼ヘッドコーチを務め今季から指揮を執ってきた富田大介監督。
まだ45歳の若さだ。
「勝ち上がっての王者(札幌新琴似)との対戦はチームにとってすごく価値があります。だから選手たちには思い切って行こう-と言って戦いました。全国大会では、まず1勝を目指します」と話し、地元網走地区の子供たちに夢を与えられるようなチーム作りをしたいとも願っている。

大空先発の窪田投手

胸には銀メダル、ナインの表情も誇らしげ

決勝初進出で堂々のぷれーを展開した大空シニア
◆3位決定戦戦
札幌大谷(7)2-2(3)空知滝川
札幌大谷
200000034=9
110000030=5
空知滝川
(八回からタイブレーク)
(大)北井、佐々木、須永-木村
(空)伊東、松岡-西村
▽三塁打:矢野(大)、松岡(空)

タイブレークを制し3位を勝ち取った札幌大谷