おめでとう!ドラフト1位! 「杉浦稔大」ウォッチ!
高校3年時の指名漏れから4年。
東都大学野球リーグを代表する投手となって1位指名を受けた杉浦稔大(國學院大学)投手。
彼を1位で獲得した「ヤクルトスワローズ」は、在京セ・リーグの人気球団であり、大学時代に慣れ親しんだ神宮球場が本拠地。
高校2年時に帯広大谷高校を初の全道大会へ導き、翌年の全道大会では準優勝の立役者となる活躍、しかも「エースで4番」という文字通り大黒柱だった。
もちろん、高校時代の実力からいって、プロ志望届を出すことは、彼にとって「普通」のことだったのかもしれない。
だが、その年、指名はなかった。
しかし、これが杉浦投手の「運」が強いというべきか、もっといえば、これも「実力」なのだろう。
結果的に高校での指名が回避されたことで、「伸びしろ」に拍車が掛かる。
高校3年時なら、たぶん下位指名。しかも、決して育成が「上手い」とはいえないプロ球団より、日本一のレベルを誇る東都リーグでの切磋琢磨は、彼を数段上の野球人に仕立て上げた。
2013年の北海道の野球業界は、まさに杉浦の年。
母校であり、弟がキャプテンを務める帯広大谷高校が甲子園初出場を決め、その弟が選手宣誓の大役も果たした。
その同じ年のドラフトで1位指名・・・と、月並だが盆と正月がいっぺんにきたような感じ。
彼と最後に会ったのが、今年の北・北海道大会の決勝戦を先輩として、またキャプテンの兄として応援に来てた時。
当たり前だろうが、高校時代より体がデカく、それでなくても「きちんとしてた」彼が、当時の数倍も、きちんとしていた。
その大人な佇まいを見ているだけで、大学での厳しさ、苦労、葛藤を想像し、こちらが感動すら覚えるほど。
そんな「保守的」で、「さりげなさの美学」を持つ杉浦投手は人間としても大好きだ。
プロの世界は想像以上に厳しいだろう。
そんなこと言われなくてもわかっているだろうが、得意のアウトローで、背番号「18」を引退まで背負う活躍を期待したい。
佐藤 大(北海道日大高~札幌大)
日高ベースボールスクール/代表