おめでとう東北! おめでとう楽天! マー君メジャー挑戦!ウォッチ!
球団創設9年目にして日本一を成し遂げた、東北楽天ゴールデンイーグルス。
揃いのチームシャツもなく合同練習に励む姿が揶揄された球団一年目のキャンプ。
当時の強烈な記憶としてあるのは、記念すべき開幕カードの二試合目、得点は「0-26」しかも一安打で完封されるという、これ以上ない屈辱的な敗戦。
しかも、その年のオフシーズンにフロントが不穏な動きを見せ、田尾監督は解任。ファンからは、「これじゃあ既成球団と変わらない!」という声が多数あがった。
その後、野村氏とブラウン氏が監督を務めたのち、2010年11月27日、星野氏の監督就任会見が行われた。
そう、あの大震災の4ヶ月前に星野氏は監督に就任した。時系列で見ると、星野監督は東北で戦わずして大震災に見舞われたことになる。
まるで何者かに選ばれたかのように・・・
2011年は5位、2012年は4位と、奮闘は見せチーム力も上がってはきているものの、優勝争いとは程遠い順位。
筋書きのあるドラマであれば2011年に日本一になったのであろうが、やはり野球はリアルに凄い。大震災を忘れかけたこの2013年に奇跡が起きドラマは完結する。
更に、星野監督の長年の宿敵であり、生涯のライフワークともいえる「打倒巨人」を果たしての日本一という「副賞」までついた。しかし、日本一の最大の立役者は、駒大苫小牧高校出身で今年の沢村賞を受賞した田中将大投手、マー君だ。
開幕から24連勝という、とてつもない偉業を成し遂げ「浪花節」な星野監督の配慮もあり、大事な試合全てで「胴上げ投手」になった。
マー君も日本、いやアジアNO,1投手の名を欲しいままメジャーへの挑戦が噂されているが、今年のメジャーといえばワールドシリーズを制し優勝の立役者となった上原投手。どちらもキレの良いストレートに加え絶対的な変化球、またその精度の高さと共通点は多いが、実は決定的な違いがある。
それは、「アップテンポ」な上原投手に対して「長い間合い」の田中投手。どちらが良い悪いの問題ではなく、とにかく「違う」両投手。
「長い間合い」が、メジャーではどのように画面に映るのか?
既に成功をおさめている上原投手との対比も含め、早くも来年の開幕が待ち遠しい。
そして、なんといっても我らが日本人投手二人が「大陸」のシーズンとオフシーズンで最大の関心事になっているのは、面白い事実であると同時に非常に興味深い。
だが、あえて不安要素をいうなら、被ホームラン数の違い。今年も大活躍だったダルビッシュ投手も、被本塁打数は日本最後の年となった2011年の5本に比べ今年は26本と激増。
しかし、これ以外には不安はないだろう。不安というより、プレッシャーにもなりそうな程の好待遇が彼には待っているはず。
来年は、上原、ダルビッシュ、田中、日本が誇るこの投手達の活躍、また卓越した「技術」を関心を持って今年以上に見ていきたいと思う。
佐藤 大(北海道日大高~札幌大)
日高ベースボールスクール/代表