2014、南北・全道大会!本命なき選手権ウォッチ!
春の覇者、北照が地区予選で敗れ、遡れば室蘭支部では駒大苫小牧vs北海道栄が「十年に一度」の名勝負を演じ、北海がまさかの初戦敗退に終わった夏の甲子園を争う支部予選。
まだまだザワついているのが感じ取れるほど、今年の支部予選は波乱に満ちていた。
南北・全道、先に幕を開けるのは南・大会。開幕ゲームは、60年振りとなる浦河と初出場となる札幌北陵。「ほぼ初出場同士」といえる開幕戦。どんな展開、またどのような内容になるのか?強豪ひしめく室蘭、札幌を勝ち抜いた両校の試合内容は今大会の「流れ」を読む意味でも非常に興味深い。
戦前の注目校はBゾーンに。札幌第一、東海大四、札幌日大、駒大苫小牧と、まだ開幕していない大会前においても、「あと一歩で甲子園」という下馬評を前にして、自分達の野球が出来るのか?高校野球ファンならずとも注目が集まる。
一見、あちこちの支部で波乱が起きているように見えるが、それは全て繋がっているともいえる。もちろん、試合は目の前の対戦校との勝負だが、他地区での強豪校の勝敗情報は入っており、その微妙な心理状態と気持ちの変化が、何かが起こる要因にもなりえ、まして攻守交代があるチームスポーツである野球は、選手全員のメンタルの強さも要求される。簡単に言えば、星の数ほどあるスポーツのジャンル中、最も難しい部類の競技だろう。ましてや高校生。予選、また普段のコンディション管理と共に、メンタル面での指導も大変な作業だと容易に想像がつく。
一方の北・大会。こちらも大本命といわれていた旭川工業が支部予選でまさかの敗退。こちらも混沌とした大会になるのは間違いなく、息づまる展開の連続だと予想できる。
Aゾーンには、常に対抗といわれて久しい武修館、大エース・大城投手擁する遠軽、本命の一角である白樺学園、最近の北・大会出場時には全て優勝している旭大と、専門誌的にはAゾーンに固まった感が強いとなるが、Bゾーンも負けてはいない。密かに本命候補ともくされている北見北斗、十勝支部を代表する本格派・長江投手擁する帯広緑陽、激戦を勝ち抜いてきた旭川明成など、月並だがどこが優勝してもおかしくない布陣。
南北ともに大本命不在の全道は、17日の南・北海道大会開幕で、いよいよ幕があがる。
佐藤 大(北海道日大高~札幌大)
日高ベースボールスクール/代表