大人びた投球フォームは・・・・、?
今回で4回目となる『ドクターのフォームチェック』今回紹介する清田区真栄ボーイズ大関投手は、小柄ながらテンポよく投げ込むストレートは中々の球威!またそれ以上に気の強いマウンドでの姿!将来楽しみ。それではドクターに詳しくチェックしていただきます。また夏の高校野球南北海道大会も始まる!期間中瀧内院長が昼の部は休診となり、期間中は夜の部のみの診療となるようだ。※7月19日(火)~7月22日(金)まで、瀧内院長が「第93回全国高等学校野球選手権大会 南北海道大会」の大会ドクターを務めるため。詳しくはこちら
【ドクターのフォームチェック】
第1回「金子投手&高田投手」
第2回「町田投手」
第3回「立野投手」
【目次】
・「ドクターフォームチェック」真栄ボーイズ:大関君
・「院内で見つけたアスリートたち」小樽潮陵高校:川原田君・工藤君・恵庭シニア:石川君を紹介!
・「スタッフ紹介」 理学療法士:新居美紗子さん
こんにちは。瀧内です。
「ドクターのフォームチェック」第4回は真栄ボーイズ、大関彩紀投手です。いかにも小学生らしい、どこか微笑ましく感じさせられる投球フォームですね。
連続写真は大きくワインドアップするところから始まり、6コマ目で軸足をプレートに入れています。前回の立野歩佳投手と同じく、軸足のつま先が本塁方向を向きかかとがプレートに乗ったまま左足を引き上げています。ここまではバッチリです。
10コマ目から11コマ目でヒップファーストに移行し始めていますが、左のお尻をキャッチャーに向けようと体を捻った瞬間に軸足も一緒に少し回ってしまい、つま先の向きがわずかに三塁方向に変化しています。この程度なら許容範囲内なのですが、強豪チームの高校生などでも勢いよく重心移動しようとする余り完全にかかとがつま先より前に出てしまい、極端なつま先開きになってインステップしがちになる選手が多いので軸足ごと回らないように気をつけましょう。
12コマ目と13コマ目の間にヒップファーストのピークが来るのですが、13コマ目を見る限り左膝が伸びて軸足にエネルギーを蓄積した形跡は見られません。14コマ目では両腕がヤジロベーのように伸びきってしまい、ここから15コマ目までに肩と骨盤の捻転差が現れることなく上半身と下半身が一緒に回旋してしまっています。15コマ目と16コマ目の間に加速期が来るのですが、ヤジロベーの状態からは肘がたたまれた立野さんのようなきれいな加速期にはなりにくいので、野球肘の発生が少し心配ですね。また、グラブも抱えられていません。第1回の高田投手の5コマ目を参考にすると良いでしょう。彼はヤジロベーになっていませんよね。
その後のフィニッシュでは、軸足の向きが良いためきれいに上体を回旋させて右足を思い切り跳ね上げていますし、第1回の金子投手同様、右足が左足を大きく踏み越しています。
全体には、いかにも小学生らしい「手投げ」の状態です。これから成長とともに骨はがっしりし筋力も備わってきます。そうなって初めて上半身と下半身の捻転差が伴ってくるのでしょう。体の成長に見合わない大人びた投球フォームは、腰椎分離症などの重大なスポーツ障害を引き起こす原因にも成り得るので、今の年齢で無理に体幹筋力が発揮しやすい理想のフォームを追い求めるのは一歩間違えば危険です。ただし、肘の使い方だけは気をつけないとリトルリーグ肘や離断性骨軟骨炎を引き起こしかねないので、立野さんのような腕がしなって見えるフォームに直すべきでしょう。
[院内で見つけたアスリートたち」
~南・北海道大会出場選手を発見!~
夏の甲子園を目指す高校球児は、もうすでに道内にはわずか31校までとなった、31高は満を持して挑む!
その一校に「小樽潮陵高校」がある。たきうち整形外科で調整中の選手を取材!ケガを経験した選手たちのメンタルは想像以上に強かった!
1回戦の相手は公立対決!知内高校(函館)以前練習試合で対戦!その時は打力に勝る知内に敗れている、しかし選手たちは臆する所はまったく無い!「現在打線の調子は良い、投手陣が3点以内に抑えれば勝機はある・・・」と。選手の持つ実力以上の潜在能力にも大いに期待したい!3年前リトルシニア主催大会ゼット旗決勝戦余市シニアvs羊ヶ丘シニアを取材していた。心身ともに一回り大きく成長した選手たちにどこか頼もしさ感じた。スケジュールが合えば観に行きたい。書き手大川祐市
▽川原田 誠君 高3(新光東タイガース-余市リトルシニア出身)
所属:小樽潮陵高校3年
身長:175㎝
体重:71㎏
ポジション:投手
現在の状況:膝の療養中
持ち味:伸びのあるストレート
南・北海道大会へ向けて抱負を語ってもらった!
今まで支えてくださった人々への感謝の気持ちを持って自分のできる最大限のプレーで恩返し!
▽工藤浩輔君 高3(余市黒川野球スポーツ少年団-余市リトルシニア出身)
所属:小樽潮陵高校3年
身長:183㎝
体重:80㎏
ポジション:三塁手・投手
現在の状況:肩の療養中
持ち味:重いストレート・つなぐバッティング
リトルシニア時代から投手兼野手!現在四番を務める。
南・北海道大会へ向けて抱負を語ってもらった!
自分の出せる力を出し切り精一杯のプレーをする!
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▽石川 諒君 中3(恵庭柏ホエールズ出身)
所属:恵庭リトルシニア 中3年
身長:165㎝
体重:51㎏
ポジション:二塁手
現在の状況:腰椎分離症治療中
持ち味:正確性の高い捕球!打撃では現在右から左へ転校中!
●ゼット杯へ向けて抱負!
中学最後の大会出場へ向けて最終調整中!
●理学療法士 新居 美紗子 27歳 北海道札幌市出身
~理学療法士~
小学5年生からミニバスケットを楽しむ!高校の進路指導室で理学療法士の職業を知り札幌リハビリテーション専門学校を卒業後西岡第一病院で3年勤め現在に至る。
□患者さんと接する上で気をつけていること!
ケガで落ち込んでいる選手が多いが、少しでも明るく接するよう心掛けている。またうれしいことも多く、ケガから復活した選手が球場で活躍している姿を見ると「あの時頑張ったネ!」と母のようにうれしい・・・と熱い一面も。
今では試合前のコンディショニングとしても利用する選手があとをたたない!発行人大川
次号7月28日号へつづく