名門復活を目指す、ニュースタイル札幌北球団
11日、札幌市東区丘珠に位置する札幌北シニア球団室内練習場に訪れた。札幌北と言えば創部42年目を迎える名門。しかしここ数年部員不足に苦しんでいた、昨秋の新人戦では江別シニアとようやく合同チームで出場。この部員不足でチームの本質を考え直したという。就任3年目の田中則行監督(49)は「以前のような教え込むのではなく、選手一人ひとりの素材を生かそうと指導方法を変えたところ選手の自主性が芽生えてきた」と言う。現在球団関係者や選手たちの表情は実に明るくのびのびと練習に取り組んでいた。4月上旬苫小牧、日高遠征を経て今春は自前で4月25日の開幕を待つ!(書き手:大川祐市)
「選手が少ない分練習の意味もしっかり伝えることができている」と言う。
以前の練習スタイルは、9:00~18:00まで腹いっぱいの練習メニューがここにはあった。
しかし現在は9:00~16:00までと時間短縮され16:00からは選手のみで「ミーティング」が行われる。
新3年を中心に時には歯に衣着せぬ意見を出し合って行われているという。
取材当日、体験に訪れた6年生3人に対しても側にいた1年生が練習の意味や仕方を、自然発生的に伝える様子があった。
自主性がもたらす意欲的な行動に他ならない。
またボールはキレイにケースに並べられていて、1つでもボールが無いと分かるという。(1段に30ヶ×4段で計120ヶある)整理整頓は実に気持ちも良いし練習意欲もわく。
昨秋、3年生20人を送り出し、現在団員は2年2人、1年12人、6年8人と22人とまだまだ選手募集中だ。
選手たちは東区、北区、中央区、白石区、清田区と多方面から様々。
記者の目:昨年も取材に訪れたが、明らかにチームの雰囲気は意欲的に明るく変貌していた。
ニュースタイルで舵を取り直した名門の復活はそう遠くはない。
◎田中監督に聞いた!
投手陣では5人の名前が挙がった!
リトルリーグ出身でクロスファイヤーから内角にキレのいい球を投げ込む左腕・太田滉大(1年・札幌豊平リトル)。ズドンと言う表現が当てはまる球威が武器の加藤光流(1年・あいの里バイソンズ出身)が、投の両輪。加えて2枚の左腕で渡辺颯斗(1年・東札幌ジャイアンツ出身)、千田晴也(1年・あいの里バイソンズ出身)。また主将で左腕の竹内快惟(2年・大栄クーガーズ出身)も投手兼外野手で加わる。
攻撃陣では4人の名前が挙がった!
昨秋、中学軟式から硬式へ移籍した選手。秋季大会では5番を任されていた堀川省吾(2年)はパワーが持ち味だ。4番は池添雄樹(1年・新琴似ウィンキーズ出身)。3番は広角に打ち分けられる太田がいる。俊足・渡辺は足があるので1番もしくは3番とチャンスメイク出来る選手だ。
◎キャプテンに聞いた!
チームの雰囲気は明るい。今年のチームは選手一人ひとりがキーマンです。チームワークがすべてです。
Q1)秋季大会で印象に残った試合は?
A)札幌西戦です。試合終盤に逆転で敗れた試合、悔しい思いは忘れない。
Q2)ズバリ目標は?
A)全国大会出場
『自主性』がもたらした秘話
以前、PL学園・中村順次氏の監督秘話を思い出した。それは1980(昭和55)年8月、PL学園の13代目監督に就任した中村氏は、下級生の声を聞き、約60人いた部員全員に均等に練習時間を与えたことが1つ。
もう1つは、その練習時間を大幅に短縮したことだった。早々と練習の終了を告げて、引き揚げる中村に対して、当時主将の吉村(後に読売巨人で活躍)は「もっと練習をさせてください」と直訴。中村はこれを待っていた。何もかも与えられ指示される選手気質を変えようとした中村の理想がここにあった。
後に夜間照明もつきっぱなしが続き、早朝練習も自然発生し選手間のライバル意識も芽生えたという。翌春選抜に監督就任7ヶ月で初出場優勝を飾った。
【お問合わせ】
連絡先:田中監督 携帯番号 090-3776-0304