【2015春季全道】北海、優勝ウォッチ!
1963年の北海以来、2度目の快挙を果たした東海大四のセンバツ準V。あの、「駒苫」の時のような「熱」が蘇った感があった北海道。その「熱」を確かめるべく高校野球の春季全道大会は初日から人でいっぱいになった。
何事もなく東海大四が勝ち上がると思った一回戦での東海大四vs北照戦。甲子園の疲れもあり、また各方面での露出など目に見えない疲労も東海ナインにはあったであろうことは容易に想像がつくが、観客は明らかに東海の「準V」を観に来ていた。一方の竹内新監督のもと挑んだ強豪校の一角、北照高校。もともと「大学生」のような大人な野球をしていた北照は、竹内監督のもと更に進化し力をつけていた。試合は一方的になりそうなところを東海大四が凌ぎ粘ってみせたが、僅差の4-3で北照が勝利。結果的には昨年の覇者がセンバツ準Vを破ったことになった。
決勝戦は東海大四が去った時点で「期待値」が一番高かった北海vs駒大苫小牧に。春の大会であることから夏の甲子園とは無関係。だが、どの大会であろうとも北海道チャンピオンの称号はベンチ入り選手達にとっては一生もん。試合になれば春も夏も関係なく「勝ち」にいくのがアマチュア野球。ましてや一番露出の高い高校野球では、「優勝」の二文字はこちらの想像を遥かに超える高いステイタスだ。
試合は北海が14-5で駒苫を破り3年振り11度目の優勝を果たした。いくら春とはいえこれだけの圧勝は夏の対戦にも響きそうな気がするが、実は駒苫のエース伊藤が登板した終盤4イニングは北海も無失点。これは一回戦の東海大四vs北照戦の東海大四のエース大澤投手の時もそう。やはり実績のある好投手からは、どのチームもなかなか点は奪えない。
甲子園での活躍組のいる東海大四と駒大苫小牧、地力を見せた北照、例年安定した力を誇る札幌日大と札幌第一、抜群の投手力を誇る北海道栄、と、どこも夏は狙える位置にいる。しかも南、北ともに力のある投手が今年、来年と目白押しな北海道の高校野球界。各校は春の結果を踏まえ「仕掛け」と「戦略」を練り直すはず。ある意味、決勝戦は正攻法で挑んだ北海。エースが投げ切り、夏の切符を大きく大きく引き寄せたともいえるだろう。
佐藤 大(北海道日大高~札幌大)
日高ベースボールスクール/代表