ドクター絶賛!北の下重!
今回で7回目となる『ドクターのフォームチェック』今回紹介するのは、全日本リトル野球協会リトルシニア北海道連盟所属、札幌北シニア球団(中3)下重匡史投手。ゼット杯準優勝に大きく貢献!本シリーズ初のサイドスロー投手をドクターが斬る!
☆たきうち整形外科スポーツクリニック 9月2日昼の部は、診察受付が13:30まで。リハビリ受付が14:00までとなります。次回の下肢外来は9月17日(土)です。
☆お休み☆
9月2日夜の部から5日昼の部までお休みとなり、9月3日(土)の下肢外来もお休みとなります。
【ドクターのフォームチェック】
第1回「金子投手&高田投手」
第2回「町田投手」
第3回「立野投手」
第4回「大関投手」
第5回「関根匤希」
第6回「竹内快維」
瀧内です。やっと涼しくなり過ごしやすくなってきましたね。シーズンはまだまだ中盤、小学生から高校生まで新人戦が真っ盛りで、僕も息つく暇がありません(笑)。
さて、今回のフォームチェックは札幌北シニア、下重匡史投手、本シリーズ初のサイドスローです。彼は今シーズンの途中からサイドスローに転向したのだそうです。
1コマ目ではすでに始動しており、ノーワインドアップもしくはワインドアップからの投球で軸足がプレートに入っています。2コマ目から3コマ目で左足を上げていますが、両足が「外また」につま先開きになってしまっています。これは彼の身体的特徴なのかもしれません。
4コマ目から5コマ目にかけてショートの方向に左足を蹴り出し、きれいなヒップファーストを作っています。6コマ目では左肩の開きを我慢したまま左足をステップしようとしています。7コマ目は完璧でしょう。正面(本塁方向)から見て体幹が垂直に立ったサイドスローですから、腕は回転軸に対して直角、つまりほぼ真横に振られるのですが、肘が全く下がらず肘の先からボールの中心までが一直線になりリストが全く利いていません。グラブも完璧に巻き取られています。この1枚は、プロ注目と言われる高校生や大学生の連続写真でも滅多に見られません。本当に惚れ惚れとさせられます。
また、6コマ目で左肩が開いていないことから、6コマ目と7コマ目の間では上半身と下半身の捻転差が保たれていたはずだし、8枚目では背中に巻きつくほど腕が振り切れています。
8、9枚目での右足の跳ね上がり方は、横回転のサイドスローですから、第1回のオーバースロー、金子投手ほど上がるはずがないのですが、それにしてもやや少ない気がします。10枚目の右足の着地位置も、もっと軸足を大きく踏み越して前に着けるはずです。これらは、最初の「外また」に原因がありそうです。左足はともかく、軸足のつま先が開くとどうしてもインステップしがちになるので、体幹の回旋量が減ってしまうのです。プレートに足を入れる時のつま先の方向付けに改善の余地があります。
とにかく7コマ目の加速期の肘の使い方が完璧なので、ストレートは切れるし、ボールの握り方さえ覚えたらスライダーは大きく曲がるし、右打者インコースへのシンカー系のシュート(ワンシーム)でサードゴロを量産できるし、カットボール、ツーシーム、カーブ、チェンジアップ・・・もう止まらなくなってきました。正に実戦向きの右サイドハンド、高校生になって体力がつけば球速も上がり、きっと活躍できるでしょう。期待していますよ!
協力:たきうち整形外科スポーツクリニック
写真:ベースボール北海道STRIKE