札幌新琴似、八回劇的サヨナラ勝ちで有終飾る!
中学硬式野球のリトルシニア、ボーイズリーグ、ポニーリーグの垣根を越えた道内49チームの頂点を決める。FIGHTERS BASEBALL CHAMPIONSHIP U-15の決勝が20日、札幌ドームで行われた。決勝は札幌新琴似シニアと札幌西シニアの対戦となり、札幌新琴似が八回タイブレークの末札幌西を4‐3で下し、初優勝に輝いた。生嶋宏治監督(56)は「最後にこう言う勝ち方は初めて、選手たちにはありがとうと言いたい」と選手たちへ感謝を口にした。3位には岩見沢シニアと旭川大雪ボーイズ。
◆決勝(20日・札幌ドーム)
札幌西シニア
00002010=3
00001111=4
札幌新琴似シニア
(西)橋本、行方-今村
(新)山田、岡部-五十嵐
▽三塁打:今村、行方(西)
▽二塁打:橋本(西)、金野2(新)
『札幌新琴似』七回二死から驚異の粘りで、てっぺん掴む!
札幌新琴似は2‐3と1点を追う七回、二死から2番・岡部巧実(3年・篠路ビッグファイアーズ出身)が、内安で出塁すると3番・金丸斗南(3年・札苗スターズ出身)が、ライト線を破る三塁打で一走・岡部が一気に二塁から三塁を回りホームまで激走し生還した。札幌新琴似が土壇場で同点に追いついた。八回からは七回まで投げ抜いた山田翔太投手(3年・中の島ファイターズ出身)に代わり岡部投手がマウンドに上がり、八回の札幌西の攻撃を、三者凡退に抑えた。勢いに乗る札幌新琴似は八回裏、先頭の金野颯太(3年・木の花ブラックジャガーズ出身)が、右前でチャンスメイクすると代走に豊嶋大芽(3年・銭函ボーイズ出身)が二盗を決め好機を広げた。次打者が内ゴロの間一死三塁。続く次打者も凡退し、二死、三塁。ここでここまで3打席ノーヒットの8番・岸部大征(3年・中の島ファイターズ)が、一、二塁間へのゴロを放つと一塁手と打者走者・岸部が競争する形となり、岸部はヘッドスライディングで飛び込んだ。際どいプレーに一塁塁審のジャッチは両手を横に伸ばし「セーフ」とコール。この瞬間、三塁側の札幌新琴似ベンチからは多くの選手が飛び出し、岸部の下に集まり途端に大きな輪ができた。岸部選手は「打った瞬間、ダメかと思ったが全力で走った。審判からセーフと言われた直後にベンチから飛び出してくる仲間を見て泣きそうになった」と興奮を隠せなかった。
▽金丸斗南主将(3年・札苗スターズ出身)は「全国での悔しさを決勝で、ぶつけることができた。最後に自分たちの戦いができた」と充実した表情で話した。
▽生嶋監督は「最後に意地を見せてもらった。今日のこの気持ちを忘れないで次のステージで頑張ってもらいたい」と愛弟子たちにエールを送った。
札幌西、互角の戦いにも涙
札幌西は、札幌新琴似を相手にこの日先発投手を任された橋本大昂(3年・金山ファイターズ出身)が、得点圏に走者を置くも粘り強く六回まで2失点の好投を見せた。七回には先頭の橋本がレフトオーバーとなる二塁打で好機。代走に増田 弾(3年)に代わると二死三塁から2番・馬場湧磨(3年)が、中前打で二走・増田が生還し1点勝ち越した。しかし七回裏に同点、八回にはサヨナラ負けで涙した。田辺 翼監督(34)は「最後、守備の差が出てしまったがベストゲームをしてくれた。この世代、最強のチームと互角に戦えたことは自信にしてほしい。また一歩足りないところも忘れず、この悔しさは練習でしか返せないのでこれからも頑張ってほしい」と高校野球を見据え、最後に選手の背中を押した。
協力:北海道日本ハムファイターズ