札幌新琴似V 2年ぶり11度目出場<ジャイアンツカップ道予選>

北海道地区大会2度目の優勝を飾った札幌新琴似シニア=7月、札幌麻生
◆第4回全日本中学野球選手権北海道地区大会(ジャイアンツカップ道予選)
▼決勝・札幌新琴似リトルシニア(シニア1位)×札幌大谷リトルシニア(シニア2位)=(7日、札幌麻生球場)
中学硬式野球の最高峰を懸けるジャイアンツカップを目指す北海道予選・決勝で札幌新琴似シニアが、粘る札幌大谷シニアを3-2で退け2年ぶり11度目のジャイアンツカップ出場を決めた。
最優秀選手賞には札幌新琴似・田中佑弥投手(3年・札苗スターズ出身)が選ばれた。
同チームのジャイアンツカップ戦績は2003年の準優勝が最高。
決勝では福田永将(現・中日ドラゴンズ―横浜高)を擁する神奈川県の緑中央リトルシニアと対戦し5-10で涙した。
同チームは8月11日、開会式(東京ドーム)に参加し、12日からの協議に出場する。
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大黒柱の活躍を見せる田中投手=7月、札幌麻生
田中、粘る札幌大谷を抑え2年ぶりのG杯へ!
先発のエース田中投手が、七回6安打2失点で粘る札幌大谷打線を要所で抑え勝利した。
札幌新琴似は2-2の同点で迎えた四回、先頭の1番・小林春輝(2年・西琴似パンダーズ出身)が、四球を選ぶとバッテリーミスで三進。
続く2番・淺野裕生(3年・羊ヶ丘ブルースターズ出身)も四球で無死一、三塁の好機で3番・賀集竜世(3年・北光ジュニアファイターズ出身)の内ゴロが敵失を誘い三走・小林が生還し3-2で勝ち越した。
結果これが決勝点となった。
九回最大のピンチを迎える
疲れが見えてきた先発・田中投手が、二死から6番・瀧口夕翔(3年・東雲ファイターズ出身)、7番・柴田温記(3年・東雲ファイターズ出身)、8番・阿竹奨悟(3年・茨戸タイガース出身)らの連続安打を許し二死満塁とするも最後の打者を二ゴロに打ち取り3-2で逃げ切った。
二死満塁のピンチの場面、田中は「ゆっくり、焦るな!とベンチにいる監督からの言葉で落ち着くことができた」と試合後、振り返った。
また度重なるピンチの中、縁の下の力持ちとして好リードで田中投手を支えた疋田悠真捕手の存在も大きい。
主将の井樫太希(3年・前田リトル出身)は「チームとしては凄くうれしいです。しかし個人的には悔しい思いがある。全国まではまだ時間があるのでチャンスをもらえたらそのチャンスを生かしたい」と力を込めた。
同選手は決勝では8番・左翼手として出場するも準決勝・北斗ベースボールクラブ戦で二回途中で降板と本来の力を発揮できずマウンドを降りた。
全国制覇にはこの投手陣の一角を担う井樫の完全復活が絶対条件と言える。
生嶋宏治監督(58)は「決勝では大谷の執念みたいなものも感じた。ジャイアンツカップは、かなり前の準優勝が最高。今回はてっぺんを狙います」とまた戦う指揮官の表情に戻った。
同チームは昨年夏から新チーム結成後、道内公式戦負け知らずの29連勝。
2年ぶりの聖地・東京ドームで、北海道の雄がチーム一丸で初の全国制覇を目指す!

ピンチにマウンドに集まる札幌新琴似=7月、札幌麻生

優勝を受け取る井樫主将=7月、札幌麻生
<注目選手>
〇田中佑弥(たなか ゆうや)
3年、投手 兼 外野手
札幌新琴似リトルシニアのエースは下半身主導の右の本格派。
体力もさることながら何より気持が強く、マウンド上で向かう姿勢がブレないのが大きな特長だ。
ゆったりとしたフォームからストレート、カーブに加え3種類のスライダーとチェンジアップと投球の幅を見せる。
特に指にかかった時のストレートは威力充分で三振も奪える。
ジャイアンツカップでは「中学硬式野球のリトルシニア以外の他団体の選手たちと戦える。チーム一丸となって熱い試合をしたい」と大会を楽しみにしていた。
大いに全国大会での活躍に期待が懸かる!
野球は小学2年生から1つ下の弟と札苗スターズで始める。
5年時には太陽杯全道大会で初優勝に貢献した。
6年夏にはIBA世界大会東京予選へ北海道代表として出場。
同年秋にはNPB12球団ジュニアトーナメントで日本ハムジュニアのメンバーに選出される。
同大会3位の成績に大いに貢献した。
右投げ、右打ち。
身長174センチ、体重72キロ。
家族は両親と弟2人と妹。

田中投手(札幌新琴似)=7月、札幌麻生
札幌大谷、三度涙をのんだ
今シーズン、札幌新琴似シニアとの決勝の舞台で三度挑戦も涙に終わった。
5月5日に行われた春季全道大会では六回まで9-5と4点リードするのその裏ゲームをひっくり返され9-10。
6月29日、再び日本選手権道予選・決勝で、相交えるも3-15の大敗。
何として勝ちたかったジャイアンツカップ道予選・決勝だったが三度涙をのんだ。
初回、先頭の1番・飯田星哉(3年・緑苑台ファイターズJr.出身)の右中間を破る三塁打で好機を作ると次打者四球と二盗で無死二、三塁の先制機。
ここで3番・濱野 櫂(3年・新川ウィーディス出身)、4番・鳴海健臣(2年・石山アトムズ少年団出身)ら2人の内ゴロで2点先制。
しかし三回に2-2の同点、四回に逆転を許してしまった。
絶対負けたくない相手に対し、四回、五回、六回、七回と毎回得点圏に走者進め札幌新琴似にプレーシャーかけ続けるも相手の度重なる好守に阻まれホームが遠かった。
ジャイアンツカップ出場は叶わなかったが、この悔しさを日本選手権大会で晴らしてほしい。
同チームは8月1日、柏の葉球場で14時半から取手リトルシニア(関東)と対戦する。

瀧口投手(札幌大谷)=7月、札幌麻生

マウンド上に集まる札幌大谷=7月、札幌麻生

決勝で惜しくも涙した札幌大谷ナイン=7月、札幌麻生
閉会式で森谷大誠選手(3年・石山アトムズ少年団出身)が、優秀選手賞に選ばれた。

優秀選手賞の森谷選手(札幌大谷)=7月、札幌麻生