新琴似シニアV5、全国取りへ弾み

試合を決めた瞬間、小野投手のもとへ駆け寄る新琴似ナイン
リトルシニア(中学硬式野球)の第51回日本選手権北海道大会の決勝、3位決定戦が6月24日札幌・麻生球場で行われ、札幌新琴似シニアが延長の末2-1で日高シニアを破り5年連続17度目の優勝を飾った。
V5は古豪の球史の中でも初の快挙。
8月の全国大会には準優勝の日高シニアとともに出場し、頂点どりを狙う。

球史に残る5連覇を達成した札幌新琴似ナイン。5本指をかざして喜びポーズ
◆決 勝(24日)
札幌新琴似
10000001=2
00100000=1
日高
(延長八回)
▽本塁打:小野悠(札)
▽二塁打:中谷(札)、佐々木(日)

先制ホームランを放ちホームベースを踏む小野
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札幌新琴似・小野悠、先制ホームランと好救援の活躍
札幌新琴似シニアは春季、今大会と負けなしの快進撃。
これまで選手権北海道大会では3連勝はあったが5連勝は初めての経験だ。
ナインの成長も著しく、準決勝が終了した時点で陣頭指揮を執る生嶋宏治監督(62)が打撃陣、投手陣ともに気になる選手の弱いところをチェックして改善を図った。
ナインもそれに応えV5の快挙につなげた。
「まだまだ打撃は弱いが守備陣はピリッとしてよく頑張っていた」と生嶋監督。
その集大成は全国の舞台で完結させるのだろう。

先発で好投した新琴似シニアの櫻田投
投打の二刀流で活躍したのが2番・小野悠真(3年・東雲ファイターズ出身)。
初回、92mの左翼スタンドを超える先制ホームラン(今季3本目)を放ちモチベーションをあげ、1-1で4回から先発・櫻田彪真(3年・白石リトルファイターズ出身)の救援をして5回無失点の好投を見せ、勝利を呼び込んだ。
延長に入った八回表、チームは8番・石田稀代和(3年・平岸ベアーズ出身)が死球で出塁し、一死後1番の櫻田が右前打で出た後に相手チームの送球ミスを誘い、石田が一気に決勝点となるホームを踏んだ。
この1点を落ち着いたマウンドさばきでしっかり守り切った小野。
「ホームランはインコースの真っすぐ。思い切って振りました。昨秋の敗退(予選)ですごく悔しい思いをしました」と話し、「監督からの助言もありフォームを上手から横手に変えたのがよかった。体重移動など改善し、コントロールがよくなりコースを狙えるようになりました」と変身ぶりを語った。

初優勝ならず。惜しくも準優勝になった日高シニア
互角の戦い、全国初出場の日高シニア
創部14年目にして初めて全国大会(日本選手権大会)に出場を決めた日高シニア。
初回に先制された後の三回一死後、8番・佐々木翔己(3年・JBC日高ブレイヴ出身)が、左中間二塁打で口火、二死になって1番・川合 黎(3年・様似野球スポーツ少年団出身)の遊撃内野安打、2番・加藤謙太(3年・三石リトル野球協会出身)の右前打と連打して同点に追いつく。
古豪・新琴似シニアに食らいつく素晴らしい日高魂を見せた。

堂々のピッチングで7回を投げ切った日高シニアの橋本投手
試合は1点争いで延長戦にもつれ込んだが堂々としたプレーはV5を果たした王者新琴似と互角の内容だった。
その立役者は7回1失点の好投を見せた橋本だ。
エースナンバー「1」はダテではなかった。
相手に許したヒットはわずか4安打、5奪三振の素晴らしさ。
橋本は「二回以降立ち直った。スライダーがよかったのでストレートが生きた。全国では自分たちの野球をやって金メダルを狙います」と力強く話した。
高城幸司監督も「がむしゃらにやるだけです」と意気込み、全力でぶつかっていく覚悟を語ってくれた。

激戦を制し3位を勝ち取った洞爺湖シニア
◆3位決定戦(24日)
札幌大谷
0210004=7
0001511=8
洞爺湖
(札)小野木、松井、須永、八城-岸田
(洞)佐竹、清光琉、佐竹、清光琉-清光琉、遠藤
▽三塁打:湊(洞)
▽二塁打:高橋、寺町、刈谷(札)、湊(洞)
洞爺湖シニア、根性のサヨナラ3位取り
3位決定戦は打撃戦で激しい戦いを繰り広げた。
洞爺湖シニアは札幌大谷シニアに2点のビハインドを背負った五回裏、3四球の走者を置いて7番・湊 航真(3年・八雲ヤンガーズ出身)の右中間三塁打、8番・細口生翔(2年・喜茂別ファイターズ出身)の右前打などで一挙5得点を挙げ6-3の逆転劇。
六回に1点を追加して7-3で最終七回表を迎えたが強豪・札幌大谷シニアの底力を見せられ同点に追いつかれてしまった。

自身初めての全国大会へ燃える洞爺湖シニアの若松主将
延長戦もちらちら頭をよぎる最終攻撃。
洞爺湖シニアはあきらめなかった。
先頭打者は五回に三塁打を放った7番・湊。センター前に上がったフライが二塁打(野手同士が衝突)となりサヨナラのお膳立てをした。
湊はすかさずスチールをし三塁へ。
次打者の細口がしっかりレフトフライを打って湊がタッチアップ、決勝ホームを踏んだ。
「1点1点を積み重ねる根性・協調野球が実って嬉しい」(2年生キャプテン・若松空/虻田ジュニアオーシャン出身)。
チームの個性を生かして思い切り全国で戦うとも宣言した。
4位の札幌大谷ともに林和男旗杯に出場する。
協力:日本リトルシニア中学硬式野球協会 北海道連盟