初優勝の深川一已バトルズ 準V岩見沢学童

初優勝の瞬間、マウンドに駆け寄る深川一已ナイン
「小学生の甲子園」と呼ばれる全日本学童マクドナルド・トーナメント南北海道予選の決勝が26日、後志共和町で行われ北空知支部代表の深川一已バトルズが南空知支部代表の岩見沢学童野球クラブを七回タイブレークの末、7-4で退け初優勝に輝いた。
史上初となる空知対決は北空知に軍配。
北空知勢としては2003(平成15)年に西藤昭太(現日本製紙石巻)を擁した砂川スティッカーズ以来20年ぶり2度目の快挙。
同チームは8月5日から東京都で行われる全日本学童マクドナルド・トーナメントへ北海道南代表として初出場する。
さらに7月21日から徳島県阿南市で行われる野球のまち阿南第11回少年野球全国大会にも前年度優勝枠で出場することもわかっている。
準優勝の岩見沢学童野球クラブは7月28日から和歌山県高野町で行われる高野山旗全国学童野球大会へ北海道代表として出場する。

応援団も一緒に初優勝を祝った深川一已バトルズ
〇西藤昭太(にしふじ しょうた)
日本製紙石巻 4年目
右投げ、左打ち
182センチ、85キロ
道都大-鵡川高-空知滝川シニア-砂川スティッカーズ出身
148キロ右腕として活躍中。
2009年(春)甲子園大会で菊池雄星投手を擁する花巻東と対戦。
当時、ストレートが144キロを計測。
◆決 勝(26日、共和町営球場)
深川一已バトルズ(北空知)(5)2-2(2)岩見沢学童野球クラブ
深川一已バトルズ
1000015=7
0001012=4
岩見沢学童野球クラブ
(七回タイブレーク)
(深)遠藤、川音、遠藤、川音-川音、遠藤、川音、遠藤
(岩)内田、高橋-高橋、内田
▽本塁打:川音(深)
▽三塁打:笹岡(深)
▽二塁打:川音(深)、青柳(岩)

優勝旗を掴む深川一已ナイン
深川一已、接戦で初優勝をつかみ獲る
苦しい接戦の末、見事初優勝をつかみ獲った深川一已バトルズ。
初回、1番・川音希心(6年)の先制ホームランで勢い付けるも四回に同点にされ、最終回の六回に5番・菊池蒼空(5年)の内安で1点勝ち越すもその裏、同点に追いつかれ。
六回終わって2-2の同点。
大会規定により七回から無死一、二塁のタイブレーク突入。

六回、一時勝ち越しの得点を踏む佐藤(深川一已)、捕手内田(岩見沢学童)
タイブレークで、初優勝手繰り寄せる!
深川一已は7番・藤原虎之助(5年)の2点タイムリー、さらに9番・菊地 暖(6年)のセンター前と四球で一死一、三塁とチャンスを広げると、第1打席でレフト柵越えとなるホームランを放っている<注目選手>1番・川音希心(6年)に対し、申告敬遠で満塁とすると2番・佐藤涼侍(6年)が、スクイズを決め3点目。
結果、これが決勝点となった。
尚も攻撃の力を緩めない深川一已は3番・遠藤優心(6年)が、センター前へはじき返し2点タイムリーを放ちこの回、一挙5点を奪った。
投げては遠藤、川音、遠藤、川音の小刻みな継投が実り、粘る岩見沢学童野球クラブに七裏に2点献上するも7-4で退け、七回タイブレークの末、初優勝を手繰り寄せた。
試合後・開口一番、柴田和宏監督(45)は「子供たちが頑張りました。一戦、一戦大きく成長してくれた。ここまで来たら全国頂点目指して頑張りたい」と決意を新たに上を目指した。

川音投手(深川一已)

応援席に勝利を報告する深川一已ナイン

メダルの授与を受ける深川一已ナイン

初優勝の深川一已バトルズ
投打の活躍、遠藤・川音
投手としては強打の岩見沢学童に対し、2人で七回10安打4四球の内容だが、要所で3つの併殺で切り抜け岩見沢学童の追撃を許さず4失点に抑える粘り強いピッチングがあった。
攻撃でも3打数2安打1四球の川音、七回の決勝打を放った遠藤と投打でチームの勝利に大きく貢献した。
―試合後、インタビュー―
川音は「全国では三振をもっと獲ってホームランを打てる活躍をしたい」と目を輝かせた。
遠藤は「決勝のピッチングでは絶対に点をやらないとアウトコース中心のピッチングを心掛けた。全国ではしっかり抑えるピッチングをして、打つ方でも貢献したい」と全国での活躍も誓った。

決勝で活躍をみせた2人(写真左から遠藤、川音)
<ホームラン談話>
〇川音 希心(かわおと きしん)
深川一已バトルズ・6年
右投げ、右打ち
155センチ、40キロ
決勝の大舞台で初回、先頭打者として出場した川音はレフト柵越えホームランを放った。
今シーズンはすでに16本の本塁打を数える。
川音は「柵越えホームランは特別にうれしい。打席では、いつもホームランを狙っている」とホームランアーチストぶりを発揮。
Q)憧れのプロ野球選手は?
A)ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス所属)
コントロールが良く、球が速いところに憧れる。

ホームランボールを手にする川音(深川一已)
岩見沢学童、あと一歩で涙
今大会優勝候補にも挙げられていた岩見沢学童野球クラブが、決勝で粘りみせるも七回タイブレークの末、涙となった。
追いかける岩見沢学童―。
初回、敵失と2四球で満塁と絶好の先制機をもらった。
二回にも得点圏に走者進めるも深川一已の堅守の前に併殺で無得点。
三回にも二死一、二塁とチャンス掴むもホームが遠かった。
同チームとしては中盤まで重たいゲーム展開となっていた。
ようやく掴んだ同点シーン。
0-1と1点を追う四回、一死一、二塁から1番・内田彗翔(6年)が、センター前へはじき返し二走・山本塁斗(6年)が、生還し同点とした。
岩見沢学童ベンチはようやく沸きに沸いた!
しかし1点を勝ち越され1-2と1点を追いかける六回、先頭の8番・山本が幸先良くセンター前へはじき返し出塁。
次打者が犠飛するも小飛球に相手三塁手の笹岡哲大(5年)が、ダイビングキャッチで好捕。
このプレーで一走が戻れずダブルプレー。
万事休す、絶体絶命と思われたが、二死から驚異的な粘りを魅せた。
1番・内田がセンター前と二盗で一打同点を演出すると2番・高橋 颯(6年)が、期待に応え勝負強くレフトへ同点タイムリーを放った。
5点を追う七回には、一死一、二塁から相手バッテリーミスで二、三塁とチャンスを広げると5番・千葉瑛太(6年)が、センターに打ち返し2者が還る2点タイムリーヒットで3点差に迫った。
さらに二死から7番・奥山勝太(6年)が、センター前へ運び一、三塁と粘り見せるも後続が倒れ4-7で涙した。
小林大助監督(48)は「深川さんの好投手の前にうちの打線が打ちあぐね、向こうの集中力の高さに敗れました」と悔しさをにじませた。
同チームは全日本学童への出場は叶わなかったが、この悔しさ忘れず高野山旗へ向け今度こそ全国制覇を目指して頑張ってほしい。
次こそは咲かせてください勝利の華を!

準優勝楯を手にする岩見沢学童ナイン

メダルの授与を受ける岩見沢学童ナイン

準優勝の岩見沢学童野球クラブ
協力:北海道軟式野球連盟