「中学生に太い幹と根を育てる」 札幌新琴似リトルシニア・生嶋宏冶監督が語る育成の哲学と実績
「中学生に太い幹と根を育てる」
札幌新琴似リトルシニア・生嶋宏冶監督が語る育成の哲学と実績
札幌市北区を拠点に活動する中学硬式野球チーム「札幌新琴似リトルシニア」は、8月に東京都で開催された「エイジェックカップ第52回日本選手権大会」で全国ベスト4という輝かしい成績を収めました。
この結果は、昨年の全国ベスト8、一昨年の全国ベスト4と合わせ、3年連続で全国ベスト8以上の成績を達成したことを意味し、全国でも屈指の強豪チームとしてその存在感を示しています。
9月12日、発行人はこのチームの指導者である生嶋宏冶監督に取材を行い、生嶋監督の指導方針や選手育成に対する考えについて話を伺いました。
また、新チームの主将に選ばれた和田昊大選手(2年・南スーパースターズ出身)にもチームの特長や注目選手についてもインタビューしました。
さらに、今回の企画である「スイングスピードを測ってみた!」では、札幌新琴似リトルシニアのメンバーの記録が、他のチームにとって一つの基準となりそうです。
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「太い幹と根を育てる」
札幌新琴似リトルシニアの生嶋宏冶監督は、単なる野球の技術指導にとどまらず、選手の人格形成や精神面の成長にも重きを置いた指導を行っています。
その哲学は、選手が「太い幹」と「深い根」を持つことが大切だという考えに基づいています。
この「幹と根を育てる」という比喩は、単に野球選手としての能力を伸ばすだけではなく、人生全般においても必要な基盤を築くことを指しています。
生嶋監督は「中学生のこの時期は、しっかりと地に足をつけ、将来に向けて強固な基礎を築くべき時期だ」と強調しています。
競争心を促す「レギュラーは固定しない」方針
生嶋監督の指導方針は一貫しており、常に選手たちに挑戦を促します。
生嶋監督はよく「昔から札幌新琴似シニアにはレギュラーはいない」と話します。
つまり、試合に出場している選手こそがその時点での「レギュラー」であり、固定されたポジションは存在しないという考え方です。
「試合に出ている選手がレギュラーだ」という生嶋監督の言葉には、選手たちに競争心を持たせ、常に高い意識で努力を重ねさせるという強いメッセージが込められています。
技術だけでなく生活態度も重視する指導
また、生嶋監督は技術的な向上だけでなく、選手の生活態度や人間性にも厳しく目を向けます。
「練習だけではなく、生活態度がだらしない選手は試合に出しません」と断言する生嶋監督は、選手の全体的な成長を見守りながら、その一つ一つの行動がチーム全体の向上に繋がると信じています。
選手としてだけでなく、社会人としての規律や責任感を育てることに重きを置き、それが結果的に野球のパフォーマンスにも大きく影響を与えると考えています。
このような指導のもと、選手たちは自分自身を高め、周囲との調和を図りながら成長していくのです。
実績を残す生嶋監督の教え子たち
実際、生嶋監督の指導を受けた選手たちは、その後の進路で目覚ましい成果を挙げています。
今年の夏、甲子園で全国制覇を果たした健大高崎高の内野手、加藤大成選手(2年・札幌新琴似シニア出身)は、生嶋監督の教えを胸に、高校野球の舞台で大いに活躍しました。
彼はまさに「太い幹」と「深い根」を持ち、全国の舞台でその力を存分に発揮したのです。
また、地元北海道からは、北北海道のクラーク記念国際高の新キャプテンに選ばれた中田壮謙選手(2年・札幌新琴似シニア出身)や、南北海道の札幌日大高の新キャプテンに選ばれた帶川拳誓選手(2年・札幌新琴似シニア出身)も、生嶋監督の指導を受けて成長し、現在は新チームのリーダーとして活躍しています。
今後の活躍が期待される札幌新琴似の選手たち
このように、札幌新琴似リトルシニアの選手たちは、生嶋監督のもとでしっかりと「根を張り」、その基盤をもとに大きく成長しています。
監督の指導哲学は「木を見て森を見ず」ではなく、一人ひとりの選手を長い目で見て、その成長を大切にしています。
彼の教えを受けた選手たちは、野球だけでなく、その後の人生においても大きな飛躍を遂げる可能性が高いのです。
今回の企画で行われた「スイングスピードを測ってみた!」では、札幌新琴似リトルシニアの選手たちが記録した数値が、大きな指標となることは間違いありません。
彼らの結果は、他のチームにも影響を与え、さらなる成長への刺激となるでしょう。
札幌新琴似シニアの未来へ向けた挑戦
生嶋監督の指導を受ける選手たちは、野球の技術だけでなく、人間性や生活態度にも厳しい指導を受けることで、将来の挑戦に向けた準備が整っていきます。
彼のもとからは、これからも多くの優れた選手たちが育ち、全国の舞台でその才能を発揮していくことは間違いありません。
<キャプテン和田君>
〇和田 昊大(わだ こうた)
2年・南スーパースターズ出身
右投げ、右打ち
174センチ、71キロ
<新チームはどんなチーム>
今年のチームは守りからリズムを作り攻撃に繋げていきます
<選手>
3年=24人 2年=25人 1年=22人
キャプテンに聞いた!
Q1)投手の注目選手を教えて下さい。
A)太田 幸成投手(2年・月寒スターズ出身)と小田桐 悠斗投手(2年・東雲ファイターズ出身)。
-太田投手-
球種:ストレート、カーブ。
持ち味:緩急で打ち取るピッチング。
和田主将は「太田は常に安定感のある投手で、ピンチの場面でもテンポ良く投げ続けます。大崩れすることがなく、守っている野手にとっても安心できる存在です」
-小田桐投手-
球種:ストレート、カーブ。
持ち味:ストレートとカーブのコンビネーション。
和田主将は「真っすぐに力があり、パワーピッチングができる投手です。テンポが良く、守備陣も守りやすいと感じさせます」
Q2)捕手の注目選手を教えて下さい。
A)其田 陽輝(2年・札苗スターズ出身)
持ち味:投手の個性を活かし、良いところを引き出す配球を心掛けている。
Q3)内野手の注目選手を教えて下さい。
A)中村 優斗内野手(2年・東雲ファイターズ出身)と有山 大陸内野手(2年・月アパッチャーズ出身)と中根 翔外野手(2年・西発寒ホークス出身)、山崎 太雅外野手(篠路ビッグファイヤーズ出身)。
-中村 優斗内野手-
持ち味:出塁率が高く、長打力もある。チームのチャンスメイクを演出したり、得点圏に走者がいれば勝負強く走者をかえすバッティングができる。
和田主将は「守備範囲が広く、三遊間寄りのゴロも上手くさばく優れた守備力を持っています。ピンチの場面でもチームを鼓舞し、雰囲気を盛り上げる選手です」
-有山 大陸内野手(一塁手)-
持ち味:打撃では遠くに飛ばすパワー。
和田主将は「ファーストを守る有山は、野手からの難しい送球も上手く捕球し目に見えないファインプレーを見せている」
-中根 翔外野手(右翼手)-
持ち味:選球眼が良く、出塁率が高い。長打力も兼ね備えている。
和田主将は「明るく常に笑顔を絶やさず、ベンチ内が元気のない時でも積極的に声をかけてチームを盛り上げる選手です。守備範囲も広く、守備でも頼れる存在です」
-山崎 太雅外野手-
和田主将は「守備範囲が広く、センター付近への打球も安心して見ていられる選手です」
Q4)攻撃面での注目選手を教えて下さい。
A)二塁手の高木 幹太(2年・あいの里バイソンズ出身)、一塁手の有山。
-高木 幹太内野手-
和田主将は「選球眼が良く、出塁率が高く、下位打線からチャンスをつくる選手」
持ち味:守備範囲が広く、走者を置いた場面では確実に走者を進め、次につなげる打撃ができる選手。
-有山 大陸
和田主将は「札幌栄シニア戦で中々点数が入らない展開で右中間への2点タイムリー三塁打を放つなどチームに勢いをもたらした」
<スイングスピード測ってみた>
例年行っている人気企画、選手のスイングスピードを競い合う企画です。
使用されるバットは、今までと変わらず長さ83センチ、重さ800グラムという中学硬式用バットを使ってスイングスピードに挑戦しました。
★第1位 138キロ
〇渡邊 翔天(わたなべ しょうま)
2年・手稲東ファイターズ出身
右投げ、右打ち
177センチ、66キロ
★第2位 133キロ
〇佐井 悠真(さい ゆうま)
2年・東札幌ジャイアンツ出身
右投げ、右打ち
172センチ、71キロ
★第3位 132キロ
〇其田 陽輝(そのだ はるき)
2年・札苗スターズ出身
右投げ、左打ち
176センチ、70キロ
★第3位 132キロ
〇有山 大陸(ありやま りく)
2年・月寒アパッチャーズ出身
右投げ、左打ち
174センチ、79キロ
<発行人>
生嶋監督の情熱が導く札幌新琴似リトルシニアの未来
札幌新琴似リトルシニアは、これまで多くの全国的な大会で結果を残してきた伝統あるチームだ。
今年のチームについては、例年のように全国レベルの実力を持つ突出した選手が揃っているわけではないが、それでも来年の夏には全国トップクラスのチームへと成長することが予感される。
その理由は、生嶋監督の情熱あふれる指導と、選手たちのそれに応えようとする真摯な姿勢にある。
この日の練習では、試合を想定した実戦的なメニューが多く取り入れられており、限られた時間の中でも効率よく集中したトレーニングが展開されていた。
選手たちは一人ひとりが自らの役割を理解し、真剣な表情で練習に取り組んでいる。
その姿には、監督からの指導をしっかりと吸収し、実力を着実に伸ばしていることがうかがえる。
特に印象的だったのは、生嶋監督の選手たちに対する熱意だ。
生嶋監督は常に選手の成長を第一に考え、その情熱をもって選手たちを指導している。
厳しさの中にも温かさがあり、選手一人ひとりに対して真剣に向き合う姿勢が、チーム全体の士気を高めている。
監督の言葉は選手たちに響き、彼らが持つ潜在的な力を引き出しているように見えた。
輝かしい過去の実績と未来への期待
札幌新琴似リトルシニアは、これまでも全国レベルで輝かしい成績を残してきた。
その実績は、チームの底力と監督の手腕を証明するものである。
- 全国制覇: 2度の全国優勝を果たし、トップレベルのチームとしての地位を確立。
- 春季全国選抜大会: 3位に1回、ベスト8には3度と、常に上位を争う存在。
- 日本選手権大会: 2009(平成21)年には準優勝、さらにベスト4には3度、ベスト8に4度の進出実績を持つ。
これらの実績は、生嶋監督の卓越した指導力とチーム全体の粘り強さを物語っている。
今年のチームはこれまでとは違うチャレンジを抱えているが、生嶋監督の指導のもと、来年の夏には再び全国の舞台で強豪として立ちはだかることだろう。
今後の成長が楽しみであり、札幌新琴似リトルシニアが再び全国制覇を狙う姿に期待が高まる。
選手たちの持つ可能性と、生嶋監督の情熱が一体となったとき、札幌新琴似リトルシニアはさらなる高みへと進化していくはずだ。
協力:札幌新琴似リトルシニア