岩見沢リトルシニアの「挑戦の力、継続の力、感謝の心」

岩見沢リトルシニア
岩見沢リトルシニア チーム訪問レポート
主将・甲斐颯汰選手インタビューと谷口監督の戦力評価
★現在、チーム訪問先募集中です!
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ウォーミングアップする岩見沢ナイン=10月、岩見沢市営球場

ウォーミングアップする岩見沢ナイン=10月、岩見沢市営球場
<活動>
-平日-
火・木曜日(全学年)
18~21時
平日練習でも岩見沢市営球場、岩見沢栗沢球場と恵まれた環境で練習が行われていた。

平日練習も恵まれた環境で充実した練習が繰り返されていた。
-土日-
みずほ公園野球場(岩見沢市稔町)
<選手>
3年生 12人
2年生 16人
1年生 12人
合計:40人
選手たちは岩見沢市内はもちろん、特に南空知管内から集まっており、中には車で1時間ほどかかる夕張市から熱心に通う選手もいます。
創部21年目を迎えた岩見沢リトルシニア
~「挑戦の力、継続の力、感謝の心」で未来を切り拓く~
2003年に創部し、岩見沢市を拠点に活動している岩見沢リトルシニア。
今年で21年目を迎える同チームは、「挑戦の力、継続の力、感謝の心」をスローガンに掲げ、心と行動の変化が運命を変えるという理念のもと、選手たちを育成している。
現在の新チームもそのスローガンに基づき、互いに声を掛け合い、野球の理解を深め、メンタルを強化することで結果をつかみ取っている。
新チームの特徴としては、投手陣はあまり四球は出さず、捕手も様々な状況を踏まえ全体を掌握している。
内野は二塁手の田中 蓮(2年・夕張ダイヤモンドスターズ出身)遊撃手の鈴木翔貴(2年・三笠スピリッツ出身)らがミスなく良いリズムでデフェンスをけん引している。
外野は中堅手の柴田丈栄(2年・新陽スターズ出身)、左翼手の髙野成矢(2年・栗山ロッキーズ出身)

実戦練習に励む岩見沢ナイン
攻撃の要は4番・高野成矢
攻撃面での鍵を握るのは、4番を任される高野成矢(2年・栗山ロッキーズ出身)。
これまでオープン戦などで多くの場面を経験してきたが、ここ一番の勝負強さが際立つ選手だ。
打撃の場面で頼れる存在として、チームを牽引している。
機動力の要は1番・柴田丈栄
チーム一の俊足を誇る1番打者、柴田丈栄(2年・新陽スターズ出身)は、その思い切りの良さが魅力だ。出塁すれば一気にチームの士気が上がり、攻撃の流れを作り出す。彼の走力がチームの機動力を支えている。
守備の要は2番・鈴木翔貴
守備では遊撃手を務める鈴木翔貴(2年・三笠スピリッツ出身)がチームの中心だ。広い守備範囲と速い打球への巧みな対応力が光り、状況に応じた瞬時の判断でチームを救う。特に一・三塁のピンチでは、冷静にバックホームやゲッツーを狙うプレーが目立つ。
投手陣の中心は吉田暁
投手では吉田暁(2年・由仁ファイターズ出身)がストレートを武器にチームを支える。力強い直球は角度があり、相手打者を圧倒する場面が多い。今後の成長が大いに期待される選手だ。
精神的支柱は副主将・橋本煌汰
キャプテンの甲斐颯汰(2年・ 三笠スピリッツ出身)がケガで練習に参加できない中、副主将の橋本煌汰(2年・岩見沢南ビクトリー出身)が精神的支柱としてチームを支える。
普段の練習でも、周りの選手に適切な声掛けを行い、監督の指示を迅速に理解してチームに落とし込むそのリーダーシップは、チーム全体にとって大きな存在だ。
レギュラー争いが激化する新チーム
今シーズンの新チームは2年生16人が主体となり、激しい競争が展開されている。
また、1年生でも置田健琉(1年・美唄キングフェニックス出身)と千葉瑛太(1年・岩見沢学童野球クラブ出身)が既にレギュラーメンバーに食い込んでおり、来春のレギュラー争いはさらに熾烈を極めるだろう。
谷口監督による戦力評価
谷口正行監督がチームの戦力を10項目で評価したところ、特に機動力(10点)、層の厚さ(10点)、戦略力(10点)が高く評価された。
これらの強みがチームの戦略に活かされ、勝利に繋がっている。
選手たちは逆境にも負けず、勝負を引き寄せる力を持ち、今後のさらなる成長が期待される。
<谷口監督から見た戦力評価>
-10項目を10段階評価-
(1)攻撃力=6
(2)機動力=10
(3)守備力=9
(4)投手力=6
(5)層 力=10
(6)精神力=8
(7)チームワーク力=8
(8)勝負力=8
(9)適応力=9
(10)戦略力=10
総合評価:84

実戦練習に励む岩見沢ナイン
岩見沢リトルシニアの未来
岩見沢リトルシニアは、創部から21年を経て、着実にチーム力を向上させている。
攻撃、守備、機動力、投手力、精神力など、それぞれの分野でカギとなる選手たちが揃い、全国を見据えた強豪チームへと成長している。
これからも「挑戦の力、継続の力、感謝の心」を胸に、さらなる飛躍が期待される。
OBの活躍も光る-。
夏の北北海道予選ではクラーク記念国際高の鈴木凰介(3年)、辻田 丞(2年)。
秋の北海道大会ではクラーク記念国際高の辻田 丞(2年)、三澤拓己(1年)、向井悠真(1年)らがベンチ入りを果たす。
<キャプテン甲斐君>
②甲斐 颯汰(かい そうた)
2年・三笠スピリッツ出身
右投げ、右打ち
160センチ、61キロ
<自分の持ち味>
バッティングでは広角に打てる。
守備では捕球力が高い。
<新チームはどんなチーム?>
チームの強みとして「足を活かした機動力」と「チャンスの場面で勝負強く一本出る力」を挙げています。
チーム全体が機敏に動けることが大きな武器であり、重要な場面での勝負強さも自信の源となっています。
-谷口監督から-
甲斐は、チームのムードメーカーとして明るく前向きな性格で、常にチームの雰囲気を盛り上げてくれる存在です。
彼の「捕る」「打つ」技術を高く評価しており、特にバッティングではチャンスに強く、勝負強さを発揮する選手です。
しかし、今シーズンはケガに泣かされる形となりましたが、その実力と存在感はチームに欠かせません。

甲斐主将(岩見沢)
キャプテン甲斐颯汰、ケガを乗り越えチームを支え続ける
主将・甲斐颯汰(かい そうた)君は、腰のケガにより秋季全道大会でプレーできなかったものの、裏方としてチームを支え続けています。
2月頃から腰に違和感を感じていた彼ですが、7月頃の練習後に車から降りた際、強い痛みが走りました。
それでも自主練を欠かさず続けていた中、素振りの最中に耐えられない激痛に襲われ、数日後に整形外科で「腰椎分離症」と診断されました。
この痛みは、彼が主将として迎える予定だったマツダボール旗大会直前に起こったものです。
自らが引っ張るはずだった大会に出場できない状況はショックでしたが、甲斐君は気持ちを切り替え、「今できること」を考えました。
シートノックでの球渡しや試合前のヘルメット出しなど、限られた役割ながらも、彼はチームのために何ができるかを常に考え、行動し続けました。
現在、彼の腰の状態は徐々に回復しており、来年1月には復帰が見込まれています。
長いブランクに対する不安も感じつつ、「腰が治っても試合に出られるか不安はあるけど、やってやるという自信もある」と、しっかりと前を向いています。
明るく前向きな性格でチームを和ませながら、献身的に仲間を支える甲斐主将。
彼は自らの復活を信じ、チームの中心に戻る日を目指してひたむきに努力を続けています。
<球速測ってみた>
投手陣が投げるボールの球速をスピードガンで計測するものです。
選手たちの実力を測る指標の一つとして挑戦しました。

取材当日、最速を出した大沼投手(岩見沢)
★第1位 124キロ
〇大沼 俊斗(おおぬま しゅんと)
3年・美唄キングフェニックス出身
左投げ、左打ち
173センチ、76キロ
Q)着てみたい高校野球(道内)のユニフォームは?
A)クラーク記念国際高等学校
★第2位 116キロ
〇奥山 勇太(おくやま ゆうた)
3年・岩見沢南ビクトリー出身
右投げ、右打ち
センチ、キロ
Q)着てみたい高校野球(道内)のユニフォームは?
A)旭川龍谷高等学校
★第3位 114キロ
〇澤野 一輝(さわの いっき)
3年・夕張ダイヤモンドスターズ出身
左投げ、左打ち
163センチ、52キロ
Q)着てみたい高校野球(道内)のユニフォームは?
A)札幌国際情報高等学校

今夏、全国大会3回戦進出に尽力した投手陣(3年生)、写真左から澤野、大沼、奥山(岩見沢)
<スイングスピード測ってみた>
今年から学童用バットを使用して、選手のスイングスピードを競い合う企画を始めました。
使用されるバットは、長さ83センチ、重さ800グラムという中学硬式用バットを使ってスイングスピードに挑戦しました。

スイングスピード測ってみた!に挑戦した岩見沢ナイン
<中学2年生以下>
★第1位 132キロ
〇吉田 暁(よしだ あかり)
2年・由仁ファイターズ出身
右投げ、右打ち
秋は6番・投手兼右翼手として出場。
<持ち味>チャンスに長打を打つことができる。
★第2位 129キロ
〇田中 蓮(たなか れん)
2年・栗山ロッキーズ出身
右投げ、右打ち
3番・二塁手として出場。
<持ち味>次の打者につなげるバッティング。
★第3位 125キロ
〇柴田 丈栄(しばた じょうえい)
2年・新陽スターズ出身
右投げ、右打ち
1番・中堅主として出場。
<持ち味>出塁率が高いところ。

写真左から田中蓮、吉田、柴田(岩見沢)

スイングスピード測ってみた!に挑戦した岩見沢ナイン
<中学3年生編>
★第1位 142キロ
〇横田 晃大(よこた こうだい)
3年・岩見沢南ビクトリー出身
右投げ、左打ち
170センチ、70キロ
Q)着てみたい高校野球(道内)のユニフォームは?
A)白樺学園高等学校
★第2位 141キロ
〇大沼 俊斗(おおぬま しゅんと)
3年・美唄キングフェニックス出身
左投げ、左打ち
173センチ、76キロ
Q)着てみたい高校野球(道内)のユニフォームは?
A)クラーク記念国際高等学校
★第3位 139キロ
〇高木 洸(たかぎ ひろ)
3年・岩見沢南ビクトリー出身
右投げ、右打ち
172センチ、65キロ
Q)着てみたい高校野球(道内)のユニフォームは?
A)北海道岩見沢緑陵高等学校

写真左から大沼、横田、高木(岩見沢)
<発行人>
岩見沢リトルシニア、初優勝と全国への道—2009年秋の挑戦
今から15年前の2009(平成21)年、岩見沢リトルシニアは一つの歴史的瞬間を迎えた。
秋季全道大会新人戦の決勝戦。
対戦相手は、強豪・余市リトルシニア。
両チームが全国大会の切符を懸けて戦う舞台は、熱気に包まれていた。
岩見沢のエースは、白崎塁投手(駒大-札幌日大-岩見沢シニア-江別中央タイガース出身)。
当時、白崎は本格派右腕で、どこか未来の大舞台を感じさせる落ち着きと力強さがあった。
その日、白崎は見事なピッチングを披露し、チームを勝利に導いた。
岩見沢リトルシニアは、この試合で初優勝を飾り、全国選抜大会へ北海道第一代表として切符を手に入れたのだ。
そして迎えた翌春、全国選抜大会。
初戦の相手は関東の強豪・横浜緑東(現在の青葉緑東)だった。
当時、横浜緑東には注目を集めていた左腕エース、松井裕樹(現・MLBサンディエゴ・パドレス)が在籍しており、全国中が彼の活躍を注目していた。
後に甲子園でも活躍し、プロ野球界、さらにはメジャーリーグで成功を収めることになる松井投手を相手に、岩見沢リトルシニアはどう挑むのかが大きな焦点となった。
岩見沢は北海道の中でも豪雪地帯であり、久しぶりに土の上でプレーすることに加え、春の全国大会という大舞台がチームにとって大きなプレッシャーとなり、初戦で涙を飲む結果となりました。
相手のエース・松井投手の圧倒的なピッチングに苦しめられましたが、岩見沢の選手たちはこの経験を糧に、さらなる成長を誓いました。
この全国選抜大会出場は、岩見沢リトルシニアにとって歴史的な出来事であり、後に続く選手たちへの大きな刺激となった。
そして、この時の悔しさと経験は、彼らの心に深く刻まれ、今も語り継がれている。

指導者の話に耳を傾ける岩見沢ナイン
協力:岩見沢リトルシニア