春の巻き返しへ!日高リトルシニアの挑戦

日高リトルシニア
春の巻き返しへ!日高リトルシニアの挑戦
~努力が才能を超える瞬間~
2月11日、中学硬式野球の日高リトルシニアを訪問した。同チームは2010年に創部し、今シーズンで16年目を迎える。
2021年には東日本選抜大会で優勝、2023年には日本選手権初出場を果たすなど、北海道内でも確固たる実績を積み重ねてきた。
しかし、新チームは昨秋の秋季全道大会で1勝5敗と苦しみ、課題が浮き彫りとなった。
そんなチームの礎となるのが、「努力に勝る天才なし」というスローガン。
才能だけに頼らず、日々の積み重ねが選手を成長させ、チームを強くすると信じる。
この理念のもと、髙城幸司監督は「心7割、体力2割、技術1割」という指導方針を掲げ、技術向上だけでなく人間力の育成を重視している。
今シーズンの課題は投手陣・守備陣の安定と攻撃力の向上。
昨秋は大量失点が目立ち、試合の流れをつかみきれなかった。
得点すべき場面で決めきれず、チャンスを生かしきれない試合も多かった。
巻き返しの鍵を握るのは、三浦大空(2年)、丸谷奏大(2年)に加え、山本一颯(1年)、菅 陽向大(1年)らの成長だ。
髙城監督によるチームの10項目評価では、精神力(7点)、勝負力(8点)、チームワーク力(7点)が高く、粘り強く戦えるチームと評価された。
一方で、攻撃力・機動力・守備力・投手力はいずれも5点と、まだまだ底上げが必要だ。
春季大会では、一戦一戦を大切に戦い、まずはリーグ戦突破、決勝トーナメント進出を目指す。
そこから勢いをつけ、夏には全国の舞台を見据えられるチームへと成長していく。
春からの巻き返しに期待したい。
★現在、チーム訪問先募集中です!
お問い合わせは大川まで(090-1524-0465)(strikepro.oh@gmail.com)

ウォーミングアップを始める日高ナイン

ウォーミングアップする日高ナイン
<活動>
平日:火・木曜日(17:00~20:30)
土日:9:00~15:30
冬季間はチーム専用室内練習場(荻伏)及び堺町体育館(浦河町堺町)
<選手構成>
3年生:12人
2年生:8人
1年生:7人
6年生:11人
(2025年3月6日現在)

ランニングする日高ナイン
<オープン戦>
3月)
15、16日:北空知深川、札幌北
22、23日:とかち帯広、札幌中央
29、30日:岩見沢、釧路
4月)
5、6日:札幌北、小樽
12、13日:旭川北稜
19、20日:札幌栄
<3年生注目進路>
札幌日大、北海道栄、北星大附、武修館、苫小牧中央。
道外には大阪学院、八戸光星。
他は公立受験。
卒団した3年生へのメッセージ
-髙城監督からメッセージ-
2年連続神宮を目指してやったが叶わず悔しい思いをした世代。
高校野球では目標に届くよう甲子園目指して頑張ってほしい。

春から高校野球を目指す3年生(日高)
「努力に勝る天才なし」—努力が才能を超える瞬間
このスローガンが掲げるのは、「才能だけでは勝てない。努力こそが最強の武器である」という確固たる信念。
どれほど恵まれた才能を持っていても、それを磨き続ける努力なくして本当の輝きは生まれません。
努力とは、ただの積み重ねではなく、日々の小さな挑戦の連続。練習の一球一打に全力を注ぎ、昨日の自分を超えるために汗を流す。
その姿勢こそが、勝負の世界で最後に笑う者を決めるのです。
このチームには、ただの「天才」はいない。
しかし、努力することで自らの可能性を広げ、壁を乗り越えてきた選手たちがいる。
どんな困難に直面しても、逃げずに立ち向かい、自分の限界を押し広げる。
そんな強い意志こそが、このスローガンの意味するところです。
努力に勝る天才なし――
「才能に頼る者ではなく、努力を信じる者が最後に勝つ。」
この言葉を胸に、チーム全員が一丸となり、努力を積み重ねていく。
挑戦を恐れず、昨日よりも今日、今日よりも明日と成長し続けることで、どんな相手にも負けない本物の強さを手に入れる。
このスローガンを信じ、努力を惜しまないチームこそが、最後に頂点へとたどり着く。

守備練習に励む日高ナイン
髙城幸司監督の指導理念—「心7割、体力2割、技術1割」
ルールを守り、目配り・気配りのできる選手へ
髙城幸司監督が指導で大切にしているのは、単なる技術向上や勝利だけではありません。
それよりも、「心」こそがすべての基盤であるという信念のもと、選手たちを育てています。
1. 心7割—野球を通じて人間力を育てる
野球は技術や体力だけで勝負が決まるスポーツではありません。
どれほど才能があっても、チームプレーを大切にし、仲間を思いやる心がなければ、試合で真の力を発揮することはできません。
試合でミスをした仲間を責めるのではなく、声をかけて励ます。
チームのために自分が何をすべきかを考え、行動できる選手になる。
この「心」の部分を何よりも重視し、野球を通じて人間的な成長を促すのが、髙城監督の指導の根幹です。
また、感謝の気持ちを持つことも重要な要素。
「野球ができる環境があるのは、支えてくれる家族、指導者、仲間がいるからこそ」という意識を持ち、常に周囲に感謝の気持ちを忘れない選手を育てることを大切にしています。
2. 体力2割—土台を作るための努力
野球は瞬発力・持久力・柔軟性を必要とするスポーツ。
鍛え抜かれた体があってこそ、高いパフォーマンスを発揮できます。
しかし、ただの体力勝負ではなく、効率的に動ける体を作ることが大事だと髙城監督は考えています。
練習では「ただ走る」「ただ筋力をつける」のではなく、野球の動きに直結するトレーニングを重視。
特に体幹を鍛え、持久力と瞬発力のバランスを整えることで、試合終盤でも崩れない強さを身につけます。
しかし、体力だけに頼るのではなく、「体を動かすのは心であり、心が整ってこそ体が活きる」という考えが根底にあります。
そのため、心を鍛えるメニューと並行して、効率的なフィジカルトレーニングを取り入れています。

ピッチング練習に励む投手陣(日高)
3. 技術1割—基本を徹底し、積み重ねる
技術がすべてではないものの、基本をおろそかにしては野球は成り立ちません。
髙城監督の考え方は「シンプルな技術を徹底することが、結果として最高のプレーにつながる」というものです。
難しいプレーや派手なプレーを求めるのではなく、「当たり前のことを当たり前にできる選手になる」ことを徹底。
送球ひとつにしても、足の運びからリリースポイントまで細かく確認し、確実にこなせる技術を身につけます。
「技術は1割」とは言え、その1割を極めることで、試合の中でのミスを減らし、安定したプレーを実現できます。
試合の勝敗を左右するのは、派手なプレーではなく、基本に忠実なプレーの積み重ねなのです。
4. ルールを守り、目配り・気配りを忘れない
技術があり、体力があり、心が整っていても、ルールを守らない選手、周囲への配慮ができない選手は一流とは言えません。
髙城監督は「ルールの中で最大限の力を発揮し、仲間や相手チーム、審判、応援してくれる人々への敬意を持つこと」を徹底的に指導しています。
試合中のプレーだけでなく、グラウンド整備や挨拶、道具を大切に扱う姿勢にも、選手の本質が表れます。
目配り・気配りができる選手は、自然と周囲を見て動くことができ、チーム全体の士気を高める存在となります。
また、監督が求める「目配り・気配り」とは、単に気を使うことではなく、「相手が求めていることを先回りして行動できる力」を養うことを指します。
試合中のプレーでも、状況を的確に判断し、次に何が起こるのかを考えながら動ける選手こそが、チームの勝利に貢献できるのです。

指導者の話に耳を傾ける日高ナイン
【新チームの課題】
攻守両面での成長が求められる
昨秋の戦いでは、投手陣・守備陣ともに崩れる場面が多く、大量失点を許す試合が目立った。
試合の流れを立て直せず、苦しい展開が続くことが課題として浮き彫りになった。
さらに、失点を補うだけの攻撃力も不足しており、得点力アップが急務となっている。
【攻撃面】
打つべきボールを打ち切れず、チャンスを生かしきれない場面が多かった。
特に、得点すべき場面で確実に点を奪う力を身につけることが必要だ。
そのためには、「つなぐ意識」をチーム全体で徹底することが不可欠。
例え凡退しても、次の打者につながる声かけが重要となる。
「次は頼むぞ!」といったポジティブな声掛けで、チームの士気を高めていくことが大切だ。
また、相手チームのミスや四死球などで得たチャンスは、確実に得点へと結びつける冷静さと勝負強さが求められる。
【守備面】
守備の安定は、チーム全体の成長に直結する。
昨秋からの主力である三浦大空(2年・みゆきフェニックス出身)、丸谷奏大(2年・うらかわ野球少年団出身)に加え、山本一颯(1年・新冠野球スポーツ少年団出身)、菅 陽向大(1年・うらかわ野球少年団出身)といった新戦力の成長がカギを握る。
特に、若手選手たちが守備の精度を高め、安定感を増すことができれば、チーム全体の守備力向上につながる。
また、投手陣と守備陣が連携し、ミスを減らしながら試合を組み立てることが重要だ。
攻守ともに、まだまだ伸びしろのある新チーム。
次のシーズンに向け、課題克服と成長が期待される。

投手(日高)
【髙城監督が分析!チームの10項目評価】総合評価は61点
髙城監督にチームの特長を10項目、10段階で評価してもらった。
総合評価は61点。
特に勝負力(8点)や精神力(7点)が高く、厳しい試合でも粘り強く戦えるチームだ。
一方で、攻撃力・機動力・守備力・投手力はすべて5点と平均的で、全体的な底上げが求められる。
攻撃の要は、1番・3番を打ち、投手兼遊撃手兼中堅手を務める三浦大空(2年・みゆきフェニックス出身)。
レギュラーシーズンでは2番・左翼手としても活躍し、経験値の高さが光る。
俊足を生かした機動力でも三浦がカギを握る。
守備では、4番・捕手の吉田絢虎(2年・静内ホワイト☆スターズ出身)が扇の要として存在感を発揮。
また、投手陣を支えるのは、1番・3番を打ち、投手兼中堅手の丸谷奏大(2年・うらかわ野球少年団出身)。
リズムよく投げ、打たせて取るピッチングが持ち味だ。
精神的支柱となるのは9番・二塁手兼三塁手の畑中瑛親(2年・うらかわ野球少年団出身)。
彼の成長度合いが、チームの浮き沈みに大きく影響を与える。
チームの強みと課題が明確になった今回の評価。
今後の成長に期待したい。
攻撃力:5
1番・3番を打ち、投手兼遊撃手兼中堅手を務める三浦大空(2年・みゆきフェニックス出身)が、攻撃のカギを握る。
レギュラーシーズンでは2番・左翼手としてスタメン出場を果たすなど、豊富な経験を積んでいる。
機動力:5
俊足を生かした機動力でも、三浦がチームのカギを握る。
守備力:5
4番・捕手を務める吉田絢虎(2年・静内ホワイト☆スターズ出身)は、扇の要として守備の中心を担う存在だ。
また、恵まれた体格を生かしたパンチ力のある打撃も持ち味としている。
投手力:5
1番・3番を打ち、投手兼中堅手を務める丸谷奏大(2年・うらかわ野球少年団出身)は、投手陣の要となる存在だ。
リズムよく投げ、打たせて取るピッチングが持ち味であり、その投球にバックも応えたい。
精神力:7
9番・二塁手兼三塁手を務める畑中瑛親(2年・うらかわ野球少年団出身)は、チームの精神的支柱となる存在だ。
その成長度合いがチームの浮き沈みに直結する、重要な選手の一人である。
層 力:7
チームワーク力:7
勝負力:8
適応力:7
戦力力:5
総合評価:61

捕手(日高)
来シーズンに向けた意気込み!
まずは上ばかりを目指すのではなく、目の前の一戦一戦を大切に戦うことが重要。
春季大会では、まずリーグ戦を勝ち抜き、決勝トーナメント進出を目指したい。
こうした実績を積み重ねながら、夏にはさらにその先を狙えるチームへと成長できるよう、チーム作りに励んでいく。

内野手(日高)
キャプテン丸谷君
強いメンタルでチームを引っ張るキャプテン
日高リトルシニアのキャプテン・丸谷奏大(まるや かなた)。174cm、63kg、右投げ右打ちの彼は、強いメンタルを武器に投打でチームを支える存在だ。
昨秋の秋季全道大会では、余市リトルシニア戦で二死満塁のピンチを三振で切り抜ける活躍を見せた。
今シーズンのチームの強みは「個性豊かで、いい意味で調子に乗れること」。
まだ力を発揮しきれていないが、春季リーグ戦でその真価を見せたいと意気込む。そんな丸谷が語る、チームのカギを握る選手、そして来シーズンの目標とは――?
〇丸谷 奏大(まるや かなた)
2年・うらかわ野球少年団出身
右投げ、右打ち
174センチ、63キロ

丸谷主将(日高)
Q1)チームの強みは?
個性的な選手が多く、いい意味で調子に乗れる。
Q2)チームの強みが発揮できた試合は?
まだ試合では発揮できておらず春季リーグ戦で強いを発揮したいです。
Q3)自分の強みは?
周りの人に流されない強いメンタルです。
Q4)自分の強みが発揮できた試合は?
秋季全道大会・余市リトルシニア戦
二死満塁の場面で投手としてマウンドの上がり、三振に斬って取りピンチを救った。
また、攻撃面では秋季全道大会前の6試合すべてで安打を記録した。
Q5)来シーズンカギになる選手は?
吉田 絢虎(よしだ けんと)
Q6)またQ5の理由は?
4番・捕手として攻守に中心の選手だからです。
Q7)来シーズンに向けた意気込みを!
キャプテンとしてチームをまとめ、日本選手権北海道予選を勝ち抜き全国大会を目指します。

外野手(日高)

新入団員の6年生(日高)
<スイングスピード測ってみた>
例年行っている人気企画、選手のスイングスピードを競い合う企画です。
使用されるバットは、今までと変わらず長さ83センチ、重さ800グラムという中学硬式用バットを使ってスイングスピードに挑戦しました。

スイングスピード測ってみた!に挑戦した日高ナイン
★第1位 140キロ
〇吉田 絢虎(よしだ けんと)
2年・静内ホワイト☆スターズ出身
右投げ、右打ち
170センチ、79キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
北海高等学校
★第2位 129キロ
〇菅 陽向大(すが ひなた)
1年・うらかわ野球少年団出身
右投げ、左打ち
171センチ、63キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
北海高等学校
★第3位 128キロ
〇丸谷 奏大(まるや かなた)
2年・うらかわ野球少年団出身
右投げ、右打ち
174センチ、63キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
北海高等学校

スイングスピード測ってみた!写真左から菅、吉田、丸谷(日高)
<発行人>
日高リトルシニア、新たな挑戦へ—悔しさをバネに春の戦いへ
創部以来、確実に実績を積み重ね、確固たる知名度を誇る日高リトルシニア。
これまでの歩みの中で、多くの選手たちが日々の鍛錬を積み、チームの歴史を紡いできた。
しかし、昨秋に行われた秋季全道大会・予選リーグでは、1勝5敗と大きく負け越し、悔しさが残る結果に終わった。
この敗戦を受け、選手たちはオフシーズンの冬の期間をレベルアップのための貴重な時間として活用。
フィジカルトレーニングや基礎技術の向上に注力し、春の戦いへ向けて準備を進めてきた。
この努力がどのような成果を生むのか、いよいよ実戦の中で試される時がやってくる。
“土の上”で始動—オープン戦で実戦感覚を養う
例年、北海道内の硬式クラブチームが「久しぶりの土の上」を求め、日高管内を訪れる。
3月に入り、いよいよ実戦の場が整い始めた。
3月15日には、全国選抜大会へ出場する北空知深川リトルシニアや札幌北リトルシニアとのオープン戦を皮切りに、いよいよシーズンがスタートする。
開幕までの約1か月間で、日高リトルシニアは全10チームとのオープン戦を予定。
この試合期間を通じて、冬のトレーニングの成果を確認しながら、試合感覚を養い、課題を明確にしていく。
このプロセスが、シーズン本番での躍進へとつながる鍵となる。
春季大会での躍進を目指して
4月27日のシーズン開幕へ向け、まずは4月20日までのオープン戦を通じて戦力を固める。
その先に控えるのは、春季大会での戦い。
日高リトルシニアはまずリーグ戦を勝ち抜き、決勝トーナメント進出を目標に掲げている。
ここまでの努力が形となる瞬間を、チーム全員で実感したいところだ。
秋の悔しさを乗り越え、新たな戦いへと挑む日高リトルシニア。
この冬で培った力が、春のグラウンドでどのように花開くのか。
彼らの成長と飛躍に注目が集まる。

指導者の話に耳を傾ける日高ナイン
協力:日高リトルシニア