春季全道!「北海VS北照」ウォッチ!
とき:平成24年5月29日
KB日高選抜~KB日高ベースボールスクールOBの小林英太郎(北照)の一発(3ラン)で幕を開けた一戦。
ここ数年、この2校しか甲子園に出場していない南・北海道。
その両チームが一回戦であたり、どちらかが消えていくという現実。
当たり前のように客席も埋まり、しかも札幌が地元であり目に見えない伝統の力なのか、北海ファンがどんどん席に着く。
まさに夏の「本番」を思わせるような雰囲気も一変、ゲームは思わぬ方向に。
冒頭の3ランはほんの序章だったと思わせるほど、点の取り合いとなった大一番。
見ている方は面白いが、やっている選手、監督をはじめ関係者の方々はハラハラと同時に、どっと疲れたゲームだっただろう。
では、なぜこんなにも点が入ったのか?悪くいえば「荒れた試合」になったのだろう。
北海・西村投手
北照・大串投手。
どちらも高校野球ファンにはお馴染みの存在であり、特に大串投手は1年生時に神宮大会と春のセンバツ甲子園を経験。
一方の北海・西村投手も玉熊投手の陰に隠れている感はあるが、140km前後のストレートでグイグイ押してくる好投手。
では、「実力」ではなく「調子」はどうだったのか?
両投手とも調子は悪く見えない。
しかし、大串投手は四球が多くランナーをためて相手にビッグイニングを作らせてしまう。
ではなぜ?
この試合を一言で例えるなら、
「ストライクベースボール」
文字通り投手はストライクを投げ、打者の結果、すなわちヒットもしくは打ち損じでのみゲームが進んでいく。
打者が見逃すボールはストライクになりずらく、打者が自信を持って打ちにいくボールがストライクとなりやすい(もちろん、投球の全てがそうではない)。
これだけの「ビッグネーム」の投げ合いで「12-11」という点の取り合いになるということは、善し悪しの話しではなく、主審の方のジャッジがそうだったと言わざるを得ない。
つまり、誤解を恐れずに言えばストライクゾーンがいつもより狭かったと。
何度も言うが、善し悪しの話しではなく、この試合に関してはそうだったのだから、両バッテリーとも考えて投・配球していたに違いはなく、それでもここまで点の取り合いになってしまった。
こうなると一見「荒れた試合」になるが、優位に立つには、その日一番「キレ」のあるボールでストライク付近に投げ込み打ち損じを「させる」しかない。
このように審判の方も人間である以上、ストライクゾーンは百人百様。
しかし、これもまた「野球」の面白さと言えるだろう。
佐藤 大(北海道日大高~札幌大)
KB日高ベースボールスクール/代表