2022チーム訪問＜札幌東シニア＞
指導者の話に耳を傾ける選手たち（札幌東）
＜第２５弾＞チーム訪問は、当別町獅子内（有）モンキーバスケット内にグラウンド及び室内練習場を構える中学硬式野球の札幌東リトルシニアへ２月１８日（土）、伺ってきました。
同チームは昨シーズン、北ガス杯で第３位の活躍があった。
新人は秋季全道大会・リーグ戦で２勝２敗の３位に終わり、ワイルドカードを目指したが失点率の関係で決勝トーナメント進出は叶わなかった。
OBの活躍が目覚ましい―。
昨年１０月に行われたドラフト会議で同チーム出身の茨木秀俊投手（帝京長岡・３年）が、阪神タイガースより４位指名を受け創部４１年にして初のプロ野球選手が誕生したのも嬉しいニュースだった。
最速１４７キロのストレートと縦横２種類のスライダー、チェンジアップを武器にプロ野球での活躍に期待がかかる！
スイングスピード企画では１３０キロオーバーも飛び出す好記録もあった。
指導者の話に耳を傾ける選手たち（札幌東）
冬季練習に励む選手たち（札幌東）
＜３年生の進路＞
３年生１７人。
私立では北海、札幌第一、東海大札幌、北星大附、札幌光星とわの森、札幌創成、道大谷室蘭、小樽双葉。
その他公立校。
―高谷 博志（５４）の話―
これまで携わってきた仲間や、また新しい出会いを大切に仲間を大事に、それぞれのチームの歯車となるよう頑張ってほしい！
とにかく高３ピークを目指し頑張って下さい。
そこまでいくとその先、もっとやりたくなるものだ。
みんなの頑張りを応援してます！
＜発行人＞
卒団式を終えた中学３年生―。
希望校を目指し、受験勉強に時間を割くもの。
すでに私立の進学が決まったものは４月からの高校野球に向け、１、２年生同様に土日祝日の活動を積極的に参加するものと自然に二つの道に分かれる。
それでも公立志望組の３年生が気晴らしに練習に参加できるのも風通しの良さを感じる。
「始めた頃は人数的な問題で一部ハレーションもあったが、一番身体が大きくなる時期と目的をもってやっている３年生が下級生と一緒にやる練習は、逆に良いことしかない」（髙谷監督）
３年生は中長期目標、２・１年は短期目標となる日本選手権。
髙谷監督が醸し出す空気感と選手個々人の自覚と真摯に取り組む姿勢には一切のネガティブな雰囲気はない。
卒団生の高校での活躍にも注目したい！
＜OBの活躍＞
＜２０２２選手権新潟大会出場選手＞
〇茨木 秀俊（いばらぎ ひでとし）
帝京長岡高・３年
札幌市出身
札幌東シニア―手稲ヤングスターズ出身
右投げ、右打ち
１８２センチ、８５キロ
＜高校時代＞
３年夏はエースとして新潟県大会決勝まで勝ち上がり、日本文理と対戦。
相手エース田中晴也（日本文理）との延長１１回に及ぶ投手戦の末、サヨナラ負けを喫した。
３年間で甲子園大会出場はなし。
＜中学時代＞
全国大会・林和男杯に出場。
※２０１８北海道選抜メンバーに選出。
▽中学２年生当時の動画
▽中学３年時の動画（２０２０年１月２６日取材）
＜学童時代＞
小学校２年生の時に手稲ヤングスターズで野球を始める。
６年時には札幌選手権大会優勝。
同年、スタルヒン杯全道大会優勝を飾り、続く全国スポ少出場。
迎えた初戦で優勝した多賀少年野球クラブ（滋賀県）とタイブレークまでもつれる接戦の末、涙するも勝利まであと一歩と迫った。
＜２０２２南北海道大会出場選手＞
☆甲子園出場☆
〇宮田 夢羽雅
札幌大谷高・３年
札幌東シニア－札幌新琴似リトル（硬式）出身
左投げ、左打ち
１７７センチ、７５キロ
〇南口 侍斗
札幌創成高・３年
札幌東シニア－大栄クーガーズ出身
右投げ、右打ち
１７６センチ、７４キロ
〇千葉 大輔
とわの森高・３年
札幌東シニア－手稲ヤングスターズ出身
右投げ、右打ち
１６５センチ、７４キロ
＜２０２２秋季北海道大会出場選手＞
〇片岡 誠亮
北海高・１年
札幌東シニア－ニュースターズ出身
左投げ、左打ち
１６８センチ。５８キロ
〇梅村 青波
立命館慶祥高・２年
札幌東シニア－厚別西キングパワーズ出身
右投げ、左打ち
１６８センチ、５８キロ
＜新チーム＞
２年生：１４人 １年生：１５人 ６年生：１３人（２月１８日現在）
※６年生は現在も募集中です！
―新入団員・６年生―
〇森 翔太朗（もり しょうたろう）
東１６丁目フリッパーズ出身
〇勝呂 友聖（かつろ ゆうせい）
金山ファイターズ出身
〇佐藤 太一（さとう たいち）
屯田ベアーズ出身
〇内山 悠大（うちやま ゆうだい）
日新ベアーズ少年団出身
〇竹井 空（たけい そら）
金山ファイターズ出身
冬季練習に励む選手たち（札幌東）
〇小林 哉太（こばやし かなた)
北東ナイン出身
〇石川 夢人（いしかわ ゆめと）
北東ナイン出身
〇城谷 晄（しろたに ひなた）
丘珠グレートベアーズ出身
〇岩谷 心路（いわや こころ）
篠路西BFジュニア出身
〇土谷 蓮音（つちや れんと）
鉄東スワローズ出身
〇有賀 崇人（ありが しゅうと）
あいの里バイソンズ出身
〇村形 一耀（むらかた いっき）
鉄東スワローズ出身
〇畠山 侑大（はたけやま ゆうた）
ニュースターズ出身
―高谷 博志（５４）の話―
高校３年ピークを目指して―。
明るく、厳しく、チームワークが持ち味－。
冬季練習は当別町獅子内の室内練習場と学校開放の体育館を併用して行っている。
体育館では主に心拍トレーニングの強化や体幹トレーニングに重きを置いて行っている。
特にみんなで行う「絆練習」と呼んでいる大縄跳びではチームの一体感を育むという点においても一役かっている。
室内練習では監督の考えと選手たちの考えを加味し、選手たちでメニューを組んで行うようにしている。
中学生なので精神面に波はあるものの都度、叱ったり、褒めたりを繰り返しながら前に進んでいる。
技術指導としては「フォームで投げる」「フォームで打つ」と大枠で伝えている。
投手であれば頭があまり上下左右動かなぬようバランス良く投げることを選手たちは心掛け、打者においても上体の力をあまり入れないよう体重移動やバランスを意識して打つよう心掛けている。
またホームランバッターは芯で捉える率が高い人がなせる業。
パワーだけに頼らず、ボールの見方やタイミングといったフォームで打つことの重要性も説いている。
その中でバランス良くボール投げたり、バットを振る、ボールを捕球するなど個々人が高い意識で高校３年ピークを目指し、取り組んでいる。
グラウンド練習ではグラウンドが２面あるので練習時間は３、２、１年と同じ。
１年生についても上級生とほぼ同じメニューを熟す。
近年、おかげで１年生大会も好成績をあげている。
＜発行人＞
中学生の成長時期は個人差がある。
札幌東では「バットを短く持たせない」という。
「高校３年ピークと考えた場合、よほどのことが無い限りバットを長く持たせるよう指導している」（高谷監督）
いわゆる身体がまだ細く小さい選手にはバットを短く持たせ、バントとゴロを打ってランナーを進めることだけ練習させられた選手もいるだろう。
しかしそうした選手も高校生になるにつれ体も大きく成長し始める。
それでは「もったいない」という見解だろう。
高校３年ピークを考え、全員がバットを長く持ち、そのバットをしっかりと振れるよう日々バットを振り続ける。
それでも中学３年の中で、ケガがあったり、身体の成長スピードが遅く中学野球では間に合わない選手もいる。
こうした選手たちとも高校選びを一緒に出向き、続きをお願いできるところを探したりもしているという。
出口＝（進路）もしっかりと力を注いでいることも分かった。
シーズンごとにキャプテンを代える―。
高校の準備と考え数多くの選手にキャプテン経験を与える。
キャプテン像は人それぞれだろう。
自らのプレーでチームをけん引する者。
状況を見て的確な言動でチームに活力を与えたり、時には鼓舞してみせたり。
キャプテンがナインに与える影響は大きい。
しかし何よりキャプテンを担う選手に大きな成長メリットがあると考える。
野球の場合、大会まで限られた時間の中で、チーム作りに取り掛からなければならない。
限られた時間の中で成長するためには、失敗からより多くのことを学び、同じ過ちを繰り返さないということが重要だ。
勝利と言う目標を目指すにあたり守備ではこのレベルのプレイができるようになる必要がある、そのためにはこのような技術を身につける必要がある、そのためにはこのような練習をする必要がある、などと目標から逆算して論理的に設定するわけだ。
こうした経験は高校野球に活きない訳がない。
髙谷監督の一貫性のある指導と独特の懐の広さで、選手が思う存分躍動するだろう！
選手がグラウンドで走り回る姿が今から楽しみでならない。
冬季練習に励む選手（札幌東）
札幌東シニア２年生
＜主将＞
〇武田 龍士（たけだ りゅうと）
２年・東グレートキングス出身
右投げ、右打ち
１６４センチ、６４キロ
昨秋は２番・二塁手として出場。
武田主将は「１つのチームとしてしっかりと機能できるよう自分が人一倍頑張っていきたい」と力を込める。
チームとしては「体格が大きな選手や目立った選手がいるわけではないが、つなぐ野球を実践できるよう。選手ひとり一人が後ろに後ろにとみんなで思えるチームにしたい」
個人としては「守備ではセンターラインにいるので、みんなから信頼されるプレーや指示を出せるよう心掛けたい」（武田主将）
＜発行人＞
さほど大きな選手ではないがガッチリした体形。
今回のスイングスピード企画でも１３０キロオーバーを出すなど打撃ではパンチ力もある。
学童時代は捕手を務め、当時から送球に安定感があり精度も高い。
周りを見る視野も広いことから主将として適任。
今シーズン、勝負所で見せる攻守での活躍に期待がかかります。
武田主将（札幌東）
＜イチオシ選手＞
左腕エース・加藤千聖（２年・東ハリケーン出身）と右腕エース・仲保 蓮（２年・当別ウイングス出身）と２人の投手を紹介致します。
タイプの違う２人。
この二人の頑張り無くして札幌東の躍進は無い（札幌東・松江コーチ）
加藤は持ち味の制球力を生かし、ストレートと変化球のコンビネーションで打者を打ち取る。
マウンド上ではポーカーフェイスで喜怒哀楽をあまり出さず淡々と投げ込む。
仲保は気持ちを前面に出すタイプ。
連投が効き、多少の疲れがあっても強い気持ちでマウンドに上がることが出来る。
ストレートと２種類のカーブとのコンビ―ネーションで打ち取ります。
〇加藤 千聖（かとう ゆきや）
２年・東ハリケーン出身
左投げ、左打ち
１６４センチ、６２キロ
球種はストレート、スタイダー、カーブ、チェンジアップ。
Q１）今シーズンに向けた意気込み！
A）自分のピッチングでチームを勝利へと導きたい。
Q２）印象深かった試合は？
A）とかち帯広戦。
立ち上がりから五回くらいまで抑えていたが、１点取られてさらにミスからもう１点を失い０－２と途中降板。
もう少し踏ん張りたかったと悔しい。
Q３）憧れのプロ野球選手は？
A）プロ野球選手ではないのですが大阪桐蔭の前田悠伍（まえだ ゆうご）。
中学時代は湖北ボーイズ出身（滋賀県）。
同じ左でコントロールが良くて、最速１４８キロと球速も速いところに憧れる。
〇仲保 蓮（なかぼ れん）
２年・当別ウイングス出身
右投げ、右打ち
１６８センチ、５８キロ
球種はストレート、カーブ（たて）（よこ）、スライダー。
Q１）ピッチングで大事にしているところ！
A）投げる時に頭を動かさないように意識。
これを意識し始めたことによって多くの改善をすることができた。
Q２）印象深かった試合は？
A）とかち帯広戦。
加藤の後、登板したが自滅してしまった。
Q３）憧れのプロ野球選手は？
A）伊藤大海（北海道日本ハムファイターズ）
ロージンを沢山つけて投げる姿に憧れる。
投手陣（札幌東）
投手陣 写真左から仲保、加藤（札幌東）
～２度のケガから這い上がる～
中学ラストイヤー、最高の華を咲かせて魅せる！
舟橋一沙（２年・茨戸タイガース出身）。
野球を始めたのは小学１年生。
２つ上の兄と父の影響で野球を始める。
取材当日、サポート役として裏方に徹し、仲間を支えていた一人の選手を紹介致します。
４年前－。
小学４年生当時、野球の練習中にひじの痛みを感じた。
直ぐに病院で診てもらったが、詳しい検査はされず痛みをごまかしながらシーズンを過ごしていた。
その後、小学５年の肘検診で精密検査が必要と指摘され病院で診察を受けたところ離断性骨軟骨炎と診断。
当時、手術を考えるまで深刻な事態へと進行していたが、まだ成長段階ということで自然治癒にも期待しながら学童野球は左投げにも挑戦していた！
一年後には左投げで塁間程度であれば、ほぼ正確に投げられるまで制度が上がった。
しかしこの先、レベルの高い野球を目指すには本来の右投げに戻すべきとの判断で中学１年に入り、手術に踏み切った。
手術は無事成功し、完治したのが中学２年の６月。
当時は「うれしくて、うれしくてやっと右で野球ができる」（舟橋）
待ちに待った２０２２秋季全道大会では最終戦となる苫小牧戦に先発出場を果たした。
しかも４番・一塁手として出場。
舟橋は「絶対、結果を残してやろう」と強い気持ちで臨んだ！
結果は４打数３安打（レフト前、ライトオーバータイムリー二塁打、センター前タイムリー）とベンチの期待に対し、余りある大活躍を魅せた。
髙谷監督の粋な計らいに舟橋がバットでしっかりと期待に応えた形となった。
大会終了後「この調子で結果を残し続けなければ」と強い気持ちで冬季練習に励んでいたところ１１月下旬、練習中に突如腰に激痛が走った！
前の経験を踏まえて絶対無理すると悪化すると思い直ぐに練習を中断した。
病院での診断は「腰椎分離症」で全治一ヶ月だった。
「またかぁ」（舟橋）
一ケ月が過ぎ、練習を再開。
すると打撃練習中、また痛みがでる。
「え！？おかしい」（舟橋）
心配になり、再び診断を受けたところ悪化していると言われた。
その病院にはリハビリ施設が無い為、セカンドオピニオンとして別な病院で診断を受けたところ、なんと全治三ヶ月と診断。
この時ばかりは落胆を隠せない舟橋は「正直、親にも迷惑を掛けているので野球を、この辺で辞めようかと思いました」。
「でも自分の中で、幼馴染の中谷隼斗（札幌新琴似シニア・２年）ともう一度また野球がしたい！対戦したい」と幼馴染との思いが心の支えとなり再び立ち上がることができたと言う。
「親にはまだまだ迷惑かけますが、応援お願い致します」（舟橋）
＜発行人＞
これまで公式戦の出場はわずか１試合だが、この試合にかけた思いは壮絶なものと想像する。
どんな人間でも常にプラス思考でいられることは難しい。
しかし周りの支えでまた立ち上がることができるのも人間だ。
素晴らしいし、リスペクトしかない―。
再起をかけた２０２３年の開幕は、是非とも体調万全で臨んでもらいたい！
学童時代からミート力が高く、勝負強いバッティングが持ち味だ。
舟橋一沙に幸あれ！
舟橋（札幌東）
舟橋（札幌東）
＜施設＞
〇グラウンド：石狩市樽川４６４ 樽川グラウンド（しんたく球場）
〇グラウンド：当別町獅子内２１０８－６(有)モンキーバスケット内札幌東球団 当別グラウンド
〇室内練習場：同上
室内練習場（札幌東）
＜活動＞
平日練習：火・水・木・金曜日※学年週２回
夏季シーズンの金曜日は、メンバー練習となる。
土日祝日：９：００～１７：００（AM） （PM）
＜遠征＞
決まったものは無く、状況に応じて行う場合がある。
＜スイングスピード＞
☆第１位 １３１キロ
〇武田 龍士（たけだ りゅうと）
２年・東グレートキングス出身
右投げ、右打ち
１６４センチ、６４キロ
☆第２位 １３０キロ
〇入倉 優斗（いりくら ゆうと）
２年・手稲ヤングスターズ出身
右投げ、左打ち
１６８センチ、６１キロ
☆第３位 １２９キロ
〇伊藤 悠雅（いとう ゆうま）
２年・あいの里バイソンズ出身
右投げ、右打ち
１７４センチ、６３キロ
スイングスピードに挑戦！写真左から入倉、武田、伊藤（札幌東）
協力：札幌東リトルシニア
