石狩中央リトルシニア、冬季練習で基礎強化に注力
石狩中央リトルシニア、冬季練習で基礎強化に注力
38年目の伝統を背負い、春に向けさらなる成長へ
石狩中央リトルシニア(濱崎光浩監督)は11月21日、石狩市花畔にある専用室内練習場で冬季練習に取り組んでいた。
1987年創部の同チームは、来シーズンで38年目を迎える石狩市の老舗硬式野球チーム。
チームスローガン「高校へ進んでもしっかりとした野球ができる基礎育成」のもと、選手たちは寒さをものともせず汗を流している。
<活動>
-平日-
木曜日
18:00~20:00
-土日-
(土)8:00~13:00
(日)<野手> 9:00~12:00/13:00~15:00小学校体育館で別メニュー<投手>
※シーズン中は公式戦等のスケジュールに準じて活動。
<主だった遠征先>
函館遠征(4月)2泊3日
<選手>
3年生 11人
2年生 8人
1年生 12人
合計:31人
<3年生注目進路>
北科大高、札幌龍谷、札幌山の手
〇3年生へ濱崎監督からメッセージ
三年間野球だけではなく高校生活全般に姿勢よく無事に卒業してほしい。
春の躍進と秋の課題
2024年シーズン、石狩中央リトルシニアは春季全道大会で2勝1敗の成績を収め、リーグ2位で決勝トーナメント進出を果たした。
しかし、新チームで挑んだ秋季全道大会では1勝5敗と苦戦し、7チーム中6位に終わる結果となった。
濱崎監督は新チームについて、「基礎体力不足をはじめ、すべての面で課題が多い」と厳しい評価を下しながらも、「二年生を中心に練習への取り組み姿勢が良くなってきている。これからの冬季練習を通じて、一年生投手陣や守備力のレベルアップが期待できる」と語る。
さらに、「チーム全体の底上げを図りたい」と春への意欲を見せた。
守備面では、村上投手以外に試合を安定して作れる投手がいない現状が課題となっており、他投手陣を含めた全体のレベルアップが求められている。
また、野手陣においても、投手が打ち取った打球を確実にアウトにできる守備力の向上が必要不可欠だ。
濱崎監督が掲げる「チーム全体の底上げ」がどこまで実現できるかが、来春の飛躍のカギとなりそうだ。
冬季練習での取り組みと課題克服への意欲
濱崎監督は、冬季練習を「技術だけでなくメンタル面も含めた総合的な強化の期間」と位置付けている。
選手たちには「すべての面において姿勢をよく」と指導を徹底し、練習中の態度や取り組み方が試合に直結することを強調している。
特に、新チームの基盤を支える二年生に対しては、リーダーシップを発揮することが求められている。
キャプテンの村上選手は、安定感ある投球でチームを支えるだけでなく、守備力向上に向けた体力強化にも意欲的に取り組んでいる。
また、新たに台頭してきた一年生投手や守備陣がどれだけ成長するかが、来春のチームの戦力を左右する大きなポイントとなる。
攻撃面では、チーム全体で状況判断力と確実性を磨き、得点圏での勝負強さを身につけることが課題だ。
一方で、波に乗った時の連打力は大きな武器であり、その破壊力をいかに安定して発揮できるかが鍵となる。
濱崎監督が目指すのは、「今季以上の成績を残すだけでなく、高校進学後も通用する選手を育てること」。
厳しい冬季練習を乗り越えた先には、技術と精神面で大きく成長した石狩中央リトルシニアの姿があるだろう。
春には、基礎体力と守備力を大幅に強化したチームが、自信を持ってグラウンドに立つ姿が期待される。
成長への伸びしろを信じ、努力を積み重ねる選手たちの今後に注目だ。
強みと課題
攻撃の強み:波に乗る連打力
攻撃面では、リズムをつかんだ際の連打による破壊力が魅力。
特に中堅手兼投手の三上瑛大(2年)は、足を生かしたチャンスメイクが期待される選手であり、得点の起点として重要な役割を担う。
一方で課題として、状況判断や応用力の不足が挙げられる。
ランナーを進めるための小技や得点圏での確実性向上が求められる。
チームの現状と評価
濱崎監督はチームの特徴を以下のように評価した。
攻撃力:4
佐野向快(2年・ビッグホエールズ出身)、北野幹太(2年・手稲富丘ベアーズ出身)、三上瑛大(2年・手稲ヤングスターズ出身)ら、パワーヒッターが揃う。しかし、確実性の向上が今後の課題となる。
機動力:3
對馬凌太郎(2年・花川南ホークス出身)と三上の足を活かしたプレーが鍵を握る。
守備力:4
三上と對馬がチームの中心選手として期待されている。一方で、1年生の高木槙哉(花川スワローズ出身)はまだ身体的には発展途上ながらも、守備で頭角を現し始めており、将来が楽しみな存在だ。
投手力:5
村上主将の安定感あるピッチングがチームの柱ではあるものの、ピンチでの制球力アップが課題だ。一方、三上はフォームの安定がこの冬の課題として挙げられる。
選手層の厚み:3
主力選手以外の成長が今後の大きな課題となる。
精神力:4
村上主将と佐野副主将のリーダーシップが精神的支柱となっている。
チームワーク力:3
連携プレーやコミュニケーションの質の向上が求められる。
勝負力:4
重要な局面での対応力をさらに高める必要がある。
適応力:3
相手や試合状況に応じた柔軟な対応が課題。
戦略力:6
試合の流れを読む力はチームの強みの一つ。
総合評価:39
濱崎監督はチームの現状を厳しく評価する一方で、「伸びしろがある」とポジティブに捉えている。
具体的には、勝負に対する厳しさや練習量の不足を実感しており、これらを克服することでさらなる成長が期待できると悟った。
冬季練習での意識改革
濱崎監督は冬季練習について、「技術だけでなく、メンタル面の強化にも注力し、『すべての面において姿勢をよく』と律する指導を徹底していく」と強調する。
練習中の態度や取り組み方が試合に直結するとし、技術と精神の両面で選手たちの成長を促す考えだ。
「今季のチームを上回る成績を目指す」と濱崎監督。
春には、一段と成長した石狩中央リトルシニアの姿が見られることだろう。
<キャプテン村上さん>
投打で成長を目指すエース・村上希紗選手の挑戦
チームの柱として期待される村上希紗選手(2年・手稲富丘ベアーズ出身)は、明るい性格と確かな投球技術でチームをけん引しています。
守備力の向上と課題である体力強化に取り組み、来シーズンは決勝トーナメントでの勝利を目標に掲げています。
彼女が語るチームの魅力や自身の成長への意気込みを紹介します。
〇村上 希紗(むらかみ きさ)
2年・手稲富丘ベアーズ出身
右投げ、右打ち
151センチ
Q1)チームの強みは?
A)明るく、元気なところはどこのチームにも負けません!
Q2)チームの強みが発揮できた試合は?
A)札幌円山リトルシニア戦
打線がつながり、一気に流れを引き寄せることができた。
ただし、流れに乗るとチーム全体が盛り上がる一方で、ピンチの場面では声が出なくなる点が課題として残っている。
Q3)自分の強みは?
A)投手として、緩急と制球力。
Q4)自分の強みを発揮できた試合は?
A)札幌南リトルシニア戦
緩急を巧みに使い、打たせて取るピッチングができました。
しかし、終盤になると球速が落ち、思うようにゲームを作れませんでした。
冬場は課題である体力作りにしっかりと取り組みます。
Q5)来シーズンカギになる選手は?
A)西條良汰(2年・手稲鉄北イーグルス出身)
Q6)Q4の理由は?
A)守備力の安定感や、ここぞという場面でのバッティングに期待がかかります。
一つひとつのプレーでチームを盛り上げる存在です。
Q7)来シーズンに向けた意気込みをお願いします。
A)今年の3年生は決勝トーナメントで勝利を挙げられなかったため、来年は決勝トーナメントで勝ち星を挙げられるよう、にこにこ笑顔で頑張ります。
<スイングスピード測ってみた>
例年行っている人気企画、選手のスイングスピードを競い合う企画です。
使用されるバットは、今までと変わらず長さ83センチ、重さ800グラムという中学硬式用バットを使ってスイングスピードに挑戦しました。
★第1位 126キロ
〇林 慶祐(はやし けいすけ)
2年・手稲鉄北イーグルス出身
右投げ、左打ち
167センチ、74キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
A)駒澤大学附属苫小牧高等学校
★第1位 126キロ
〇三上 瑛太(みかみ えいた)
2年・手稲ヤングスターズ出身
右投げ、両打ち
165センチ、57キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
A)北海高等学校
★第1位 126キロ
〇岩岡 和真(いわおか かずま)
2年・花川スワローズ出身
右投げ、右打ち
160センチ、60キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
A)石狩翔陽高等学校
★第2位 119キロ
〇北野 幹太(きたの かんた)
2年・手稲富丘ベアーズ出身
右投げ、右打ち
175センチ、65キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
A)北海高等学校
★第3位 113キロ
〇對馬 凌太郎(つしま りょうたろう)
2年・花川南ホークス出身
右投げ、右打ち
161センチ、53キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
A)札幌英藍高等学校
★第3位 113キロ
〇西條 良汰(さいじょう りょうた)
2年・手稲鉄北イーグルス出身
右投げ、右打ち
172センチ、53キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
A)石狩南高等学校
<発行人>
石狩中央リトルシニア、春への挑戦と冬季練習の重要性
1987年に創部し、38年の歴史を誇る伝統ある硬式野球チームが、今冬どのように成長を遂げるのか。
その取り組みは、野球の技術だけでなく、選手たちの人間的な成長も含めて非常に興味深いものです。
濱崎監督が掲げる「基礎育成」という言葉には、高校野球の先を見据えた深い視点に立っています。
春季大会での一定の成果を収める一方で、秋季大会では課題が浮き彫りとなりました。
特に基礎体力や集中力の持続性、ピンチでの対応力といった面での弱さは、冬季練習を通じて改善が求められる部分です。
それらを克服するために、チーム全体が一丸となれることが第一歩となるでしょう。
印象的なのは、濱崎監督がチーム全体を評価する際に示す「伸びしろがある」という前向きな視点です。
攻撃力や守備力の一部にはすでに光るものがあり、それを活かしつつ、選手たちの精神力や個々の成長が評価されています。
しかし、特に注目すべきは、選手層の厚みや適応力という課題です。
これらの課題は、一朝一夕には解決できないものの、長期的な視点で成長を促すべき重要な要素です。
選手一人ひとりのレベルアップが進むことで、来季の成績にも大きな影響を与えるでしょう。
濱崎監督の指導のもと、着実に成長を遂げるチームの未来に期待が高まります。
また、キャプテンの村上希紗選手が挙げた「にこにこ笑顔で頑張る」という意気込みも女性主将ならではのやさしさで溢れていました。
彼女は、投手としての緩急と制球力という強みを生かしつつ、体力強化を課題に掲げています。
このような明確な目標設定ができること自体、彼女がリーダーとしての資質を備えている証でしょう。
リーダーが中心となり、個々の選手が自分の役割を自覚することで、チーム全体の成長が期待できます。
特に冬季練習では、技術面のみならず、メンタル面の強化に取り組む指導方針が印象的です。
濱崎監督が選手たちに「練習中の姿勢が試合に直結する」という言葉を伝えている点は、多くのスポーツチームに共通する重要な視点といえます。
試合で勝つためには、練習段階から勝つ姿勢を作り上げる必要があるという指摘は、その通りだと感じます。
石狩中央リトルシニアの取り組みは、単なる試合の結果だけでなく、チームとしての人間形成にも目を向けています。
その姿勢があるからこそ、このチームは長い伝統を誇りながらも進化を続けているのでしょう。
春には、どのように変貌を遂げた姿を見せてくれるのか、楽しみにせずにはいられません。