札幌円山リトルシニア ー 未来を担う選手たちの挑戦と成長

札幌円山リトルシニア
札幌円山リトルシニア ー 未来を担う選手たちの挑戦と成長
札幌市北区太平にあるチーム専用室内練習場で、厳しい冬の寒さに負けず練習に励む札幌円山リトルシニア。
1月12日、チームを訪問し、選手たちの真剣な表情と鍛錬の様子を取材した。
昨夏、北海道で開催された全国大会・林和男杯では、春の関西ベスト4の尼崎西リトルシニアに競り勝ち、最高のパフォーマンスを見せた。
しかし、さらなる成長のために、チームが直面する課題は少なくない。
現在、選手集めが急務となっており、新入団員を募集中だ。
体験練習も随時受け付けており、野球が好きな中学生、さらに高いレベルを目指したい選手を広く募集している。
興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
来シーズンに向けて、椿 洋元監督は「2年生以下の選手層の拡充が急務。しかし、今いる選手たちがどこまでできるか試したい」と語る。
掲げるチームスローガン「準備・意志・行動」のもと、練習前後のすべての行動に準備を欠かさず、意志を持って行動に移すことを徹底している。
選手一人ひとりの育成を最優先に考え、個性を活かした指導を行うことで、試合だけでなく高校野球へ向けた準備の場としての役割も果たしている。
現在、キャプテン・鵜飼を中心に単独チームでの戦いに挑み、チームの更なる飛躍を目指している。
以下では、チームの特徴を10項目の10段階評価とともに、選手たちの奮闘ぶりを詳しくお伝えする。
★現在、チーム訪問先募集中です!
お問い合わせは大川まで(090-1524-0465)(strikepro.oh@gmail.com)

ウォーミングアップする札幌円山ナイン
<活動>
平日:木曜日(18時半~21時)
土日:(活動時間:9時~16時)
<選手構成>
3年生:14人
2年生:3人
1年生:4人
6年生:2人
(2025年1月12日現在)
<3年生注目進路>
北海、白樺学園、北海道栄。
道外には天理。
他公立校受験。
卒団する3年生へのメッセージ
-椿 洋元監督からメッセージ-
準備を怠らないでしっかりと自分の意志をもって野球にも取り組んでほしい。
<OBの活躍>
甲子園を懸けた全道大会で札幌円山リトルシニア出身でベンチ入りを果たした選手は下記の通り紹介致します。
-夏の甲子園を懸けた南北海道大会-
<白樺学園>
福原和紗 2年
池田奏人 2年
-春のセンバツ甲子園を懸けた秋季北海道大会-
<鵡川>
橋詰海南斗 2年
蒲生悠真 2年
井上愛斗 2年

ウォーミングアップする札幌円山ナイン
<チームスローガン>
— 勝利のための土台「準備・意志・行動」—
札幌円山リトルシニアが掲げるチームスローガンは、「準備・意志・行動」。
これは単なる言葉ではなく、選手たちが日々の練習や試合を通じて体現すべき基本理念だ。
まず「準備」について。
練習前、試合前、どんな状況においても、万全な準備ができているかが結果を左右する。
特に試合前の準備は、技術的な部分だけではなく、心の準備や環境の整備も含まれる。
例えば、グラウンド整備を徹底することで、良いプレー環境を整えるだけでなく、試合に対する意識を高めることにもつながる。
こうした細かな準備の積み重ねが、勝負の分かれ目となるのだ。
次に「意志」。
自分の意志を持ち、ブレずに努力を積み重ねることが重要だ。
どんな困難な場面でも、自らの目標を見失わず、明確な意志を持って取り組むことで、成長につながる。
野球は個人の力だけではなく、チーム全体の結束力が試されるスポーツだ。
その中で、自分自身が何をすべきかを理解し、意志を持って行動に移すことが、結果としてチームの力になる。
最後に「行動」。
頭で考えるだけではなく、実際に行動に移すことが最も大切だ。
日々の練習の中で、積極的に取り組む姿勢を持ち、失敗を恐れずにチャレンジし続けることで、成長の幅は大きく広がる。
行動を起こすことで、自信が生まれ、チーム全体の士気も向上する。
札幌円山リトルシニアは、「準備・意志・行動」のスローガンを胸に刻み、日々の努力を積み重ねながら、次のステージへと進んでいく。

ウォーミングアップする札幌円山ナイン
<大事にしていること>
— 未来を見据えた選手育成と個性を活かす指導 —
札幌円山リトルシニアが最も大切にしているのは、選手一人ひとりの育成である。
野球の技術を磨くことはもちろんだが、それ以上に、選手が将来に向けて自立し、成長していけるような環境づくりに力を注いでいる。
野球は個人競技ではなく、チームスポーツであるからこそ、選手が自分自身の役割を理解し、主体的に考え、行動できるように指導している。
特に大切にしているのは、選手が「自らの意志を持って試合に臨む」ことである。
監督やコーチの指示に従うだけではなく、自分自身がどのように試合を戦い抜くのか、どんなプレーをするべきなのかを考え、積極的に挑戦する姿勢を養うことを重視している。
このチームでの経験を糧にし、高校野球へと進むための準備をしっかりと整えることが、札幌円山の使命である。
そして、試合に勝つことができればそれに越したことはないが、勝敗だけにとらわれるのではなく、選手の成長こそが最も重要な成果だと考えている。
また、指導の際には、選手一人ひとりの個性を尊重し、それを最大限に引き出すことを心がけている。
それぞれの選手が持つ強みや特徴を活かし、チームの中での役割を見つけることで、自信を持ってプレーできるようになる。
チーム全体としての成長を目指しながらも、個々の選手が持つ能力を最大限に発揮できるよう、日々の練習メニューや指導方針を工夫している。
過去の卒業生(OB)たちの活躍を振り返ると、これまでの指導方針が間違いではなかったことを実感する。
プロや社会人野球で活躍するOBたちが、ここで培った「準備・意志・行動」の精神を持ち続け、次のステージで結果を残していることは、チームにとって大きな誇りであり、後輩たちにとっても大きな励みとなっている。
札幌円山リトルシニアは、これからも選手一人ひとりの未来を見据え、彼らの成長を全力でサポートしていく。

投手(札幌円山)
椿監督と振り返る秋季全道大会 ー 成長と課題を見つめて
秋季全道大会を終え、椿監督とともに全6試合を振り返る。
初戦の緊張による大量失点、格上相手への健闘、そして試合を重ねるごとに見えたチームの成長。
結果以上に得られた収穫や明確になった課題を糧に、次なるステップへ向けたチームの姿が浮かび上がる。
各試合を振り返りながら、選手たちが得た経験と今後の展望について掘り下げていく。
第1戦・石狩中央リトルシニア
初戦ということもあり、緊張から大量失点を喫し、0-10で敗戦。
しかし、点差ほどの力の差は感じられなかった。
第2戦・千歳リトルシニア
自滅に終わった一戦。
第3戦・恵庭リトルシニア
2-5で敗れたものの、格上の相手に対して健闘し、手応えを感じられる試合となったことは大きな収穫である。
第4戦・函館港西リトルシニア
恵庭戦の2-5の試合は、敗戦ではあったものの、函館港西戦へと繋がる内容だった。
五回途中までリードする展開となったが、最終的には逆転を許す結果に。しかし、課題が明確になった試合となった。
第5戦・札幌真駒内リトルシニア
力の差を大きく感じる試合となった。
しかし、その中で3点を奪えたことは収穫といえる。
第6戦・札幌南リトルシニア戦
試合の勝敗以上に、平日練習で取り組んできたバッティング練習の成果を感じられる内容だった。
7得点を挙げることができ、自信につながる試合となった。

捕手(札幌円山)
団員不足の中で奮闘!個々の力が光る挑戦者たち
<チームの特長>10項目10段階評価
チームは現在、団員集めが急務となっており、層の厚さに課題を抱えています。
しかし、キャプテンの鵜飼を中心に、なんとか単独チームでの出場をと奮闘中だ!
特に石本龍二郎(1年)や田中琉偉(2年)など、各ポジションで力を発揮する選手がチームを牽引し、逆境を乗り越える原動力となっています。
団員増強と共に、さらなる飛躍が期待されるチームです。
攻撃力:7
主将で捕手を務める1番・鵜飼は、ミート力が高く、走力にも優れた選手です。
一方、4番・石本龍二郎(1年・緑苑台ファイターズJr.出身)は、1年生ながらも長打力が魅力の選手です。
機動力:4
1番・鵜飼が攻撃の起点にもなる。
守備力:4
2番・佐藤壮真(1年・西琴似パンダーズ出身)は、右翼手として守備範囲が広く、一歩目の反応が速く、打球判断にも優れている。
打撃面でも確実性の高いバッティングを見せる。
投手力:7
6番・投手兼遊撃手の田中は、まさに試合の勝敗を左右する存在と言える選手だ。
精神面:5
田中は、常に前向きな姿勢を持ち、劣勢の場面でも勝敗のカギを握る選手だ。
層 力:4
チームワーク力:5
勝負力:5
適応力:5
戦略力:7

内野手(札幌円山)

外野手(札幌円山)
<キャプテン鵜飼くん>
札幌円山・鵜飼和杜主将が語る挑戦とチームの結束
札幌円山の主将としてチームを牽引する鵜飼和杜(うがい・かずと)選手。2年生ながらそのリーダーシップと高い実力で、チームの信頼を一身に集めています。
今シーズンの秋季全道大会では、函館港西戦で見せたライトオーバーのランニングホームランをはじめ、強打と強肩でチームを支えました。
冬季練習を経て、さらなる成長を目指す彼の言葉から、チームの強みや来シーズンへの抱負が語られます。
〇鵜飼 和杜(うがい かずと)
2年・あいの里バイソンズ出身
右投げ、左打ち
170センチ、59キロ

鵜飼主将(札幌円山)
Q1)チームの強みは?
次のバッターにつなげられるところ。
Q2)チームの強みが発揮できた試合は?
秋季全道大会の函館港西戦。
試合の中盤、5番・金木悠真(1年・新陽スターズ出身)と6番・池田啓人が連続安打で出塁し、チームに勢いをつけました。
その後、7番・井上斗蒼(2年・篠路西BFジュニア出身)が進塁打を決め、二、三塁の好機を作ると、8番・加藤千尋(1年・新陽スターズ出身)がレフト前タイムリーを放ちました。
さらに、9番・三谷瑛嗣(1年・手稲山口メッツ出身)もタイムリーヒットを放ち、この回で2点を奪取。一時は5-4と逆転に成功するなど、見応えのある攻撃が繰り広げられました。
函館港西8-5札幌円山〈野幌第一、9月16日〉
札幌円山
0012200=5
110024x=8
函館港西
(円)田中、池田、金木、池田、鵜飼-鵜飼、金木
(函)北口、山﨑-盛、長谷川
▽本塁打:鵜飼RH(円)
▽二塁打:水上、山下(函)
Q3)自分の強みは?
強権・強打で加えて打率が高く、3年生のレギュラーチームにも出場するなど経験がある。
身体も心も強い。
Q4)自分の強みが発揮できた試合は?
函館港西戦で3打数2安打の活躍を見せました。
バットの芯でしっかりと捉え、ライトオーバーのランニングホームランを放つことができました。
Q5)来シーズンカギになる選手は?
田中琉偉(2年)
Q6)またQ5の理由は?
凄く伸びてきている選手。 この冬季練習で鍛えられて、今シーズンはもっと良い球を投げられるのではと期待されている。
Q7)来シーズンに向けた意気込みを!
キャプテンとしてチームをまとめられるように頑張ります!

卒団した3年生の姿もあった(札幌円山)

練習の合間に軽食を取り入れる札幌円山ナイン
<スイングスピード測ってみた>
例年行っている人気企画、選手のスイングスピードを競い合う企画です。
使用されるバットは、今までと変わらず長さ83センチ、重さ800グラムという中学硬式用バットを使ってスイングスピードに挑戦しました。

スイングスピード測ってみた!に挑戦した札幌円山ナイン
★第1位 122キロ
〇鵜飼 和杜(うがい かずと)
2年・あいの里バイソンズ出身
右投げ、左打ち
170センチ、60キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
札幌国際情報高等学校
★第2位 121キロ
〇田中 琉偉(たなか るい)
2年
右投げ、右打ち
166センチ、57キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
白樺学園高等学校
★第3位 113キロ
〇加藤 千尋(かとう ちひろ)
1年・新陽スターズ出身
右投げ、右打ち
167センチ、52キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは?
駒澤大学附属苫小牧高等学校

スイングスピード測ってみた!写真左から田中、鵜飼、加藤(札幌円山)
<発行人>
創部47年の伝統をつなぐ挑戦
団員不足に苦しむ札幌円山リトルシニア-。
創部は1978年(昭和53年)、札幌ヤンキースとして誕生し、来シーズンで47年目を迎える。
長い歴史の中で、リトルシニア北海道連盟の黎明期を、札幌北リトルシニア、札幌中央リトルシニアらとともに支えてきた老舗チームだ。
これまで幾度となく団員不足やチームの存続危機に直面しながらも、そのたびに乗り越えてきた。
しかし今年、3年生14人を送り出したことで、チームは新たな危機に立たされている。
「チームを存続させるために何が必要か」を問われる中、札幌円山リトルシニアが改めて掲げるのは“原点回帰”だ。
それは、「選手一人ひとりの育成を大事にする」という椿監督の理念に立ち返ることを意味する。
結果を求めるだけでなく、選手たちの個々の成長に目を向け、野球を通じて人間力を養うことを重視している。
現在、限られた選手数の中で厳しい戦いが続くが、チームの士気を下げないよう取り組んでいる。
キャプテンを中心に、少ない人数ながらもまとまりのあるプレーで、格上相手にも食らいつく粘り強さを見せたい。
指導陣もまた、選手たちの成長を第一に考え、個々のスキルアップに力を入れる。
基礎技術の徹底とともに、礼儀やチームワークの大切さを伝えながら、選手たちが野球を楽しみながら成長できる環境を整えている。
チームの未来は、選手と指導者だけではなく、保護者や地域のサポートにもかかっている。
「札幌円山リトルシニアの伝統を絶やさないために、すべての皆さんの支えが必要です」とチーム関係者は語る。
来シーズンに向けて、新たな仲間を迎え入れるべく、体験会や説明会の開催にも力を入れなければならない。
47年の歴史を誇る札幌円山リトルシニアが、再び強いチームとして歩み出すための挑戦は、すでに始まっている。

冬季練習に励げむ札幌円山ナイン
協力:札幌円山リトルシニア