創部31年目の伝統を胸に 余市リトルシニアが全国出場を目指す

余市リトルシニア
創部31年目の伝統を胸に 余市リトルシニアが全国出場を目指す
中学硬式野球の名門余市リトルシニアを久しぶりに訪問した。
創部31年目を迎える今シーズン、チームは「心熱く力の限り チームワークで全国出場」をスローガンに掲げ、再び全国の舞台を目指している。
これまでリトルシニア最高峰と言える日本選手権・全国選抜大会には9回出場し、日本選手権4回、全国選抜大会5回、さらにジャイアンツカップにも2度出場するなど、全国レベルの実績を誇る。しかし、2018年を最後に最高峰への出場が途絶えており、7年ぶりの日本選手権出場を果たすべく、チームは新たな挑戦を続けている。
今シーズンのチーム力は、攻撃力や精神力に課題を残しつつも、投手力や選手層の厚さが強みとなる。
冬の間に打撃力向上と守備の連係強化に取り組み、春からの勝利を積み重ねながら、全国の舞台への切符をつかみにいく。
「7年ぶりの最高峰へ」——選手たちの挑戦が始まる。
★現在、チーム訪問先募集中です!
お問い合わせは大川まで(090-1524-0465)(strikepro.oh@gmail.com)

ストレッチする余市ナイン

ランニングする余市ナイン
<活動>
平日:火・木曜日(17:00~19:30)
土日:冬季(10:00~16:30)、夏季(9:00~17:00)
ホームグラウンドは余市町営球場。
<選手構成>
3年生:7人
2年生:12人
1年生:7人
6年生:10人
(2025年2月9日現在)
<主だった遠征>
三重県へ3泊4日の合宿を3月27~30日まで予定。
道南遠征を4月に予定。
2020年(令和2年)のコロナ禍までは、毎年のように東北遠征を行っていました。
<3年生注目進路>
3年生の進路先
札幌大谷、函大有斗、苫小牧中央、北海道栄。
他は公立受験。
卒団した3年生へのメッセージ
-橋本監督からメッセージ-
少ない人数の中、三年間頑張ってくれた。
新しいステージで活躍してくれることを期待しております。
<OBの活躍>
甲子園を懸けた全道大会で余市リトルシニア出身でベンチ入りを果たした選手は下記の通り紹介致します。
-夏の甲子園を懸けた南北海道大会-
<札幌国際情報>
佐々木 啓輔(3年)
<函大有斗>
三橋 悠人(1年)
<北海>
長谷川 駿太(3年)
宮下 温人(3年)
<函大柏陵>
江守 捷玄(3年)
第28回 全国高等学校女子硬式野球選手権大会
<駒大苫小牧>
篠崎 芹(3年)
-春のセンバツ甲子園を懸けた秋季北海道大会-
<クラーク記念国際>
堀 樹蘭(1年)
<北照>
中谷 嘉希(1年)

ランニングする余市ナイン
「心熱く力の限り」 創部31年目の伝統と全国制覇への挑戦
チームスローガンは「心熱く力の限り チームワークで全国制覇」。
この言葉には、選手一人ひとりが熱い情熱を持ち、最後の一瞬まで全力を尽くし、仲間と共に全国の頂点を目指すという強い決意が込められている。
創部から31年目を迎える今シーズン、新たな歴史を刻むため、チームは日々の鍛錬に励んでいる。

投手(余市)
創部31年目を迎えた伝統あるチーム
このチームが誕生したのは1995年(平成7年)。
創部以来、多くの選手がここで技術を磨き、全国の舞台で戦い抜いてきた。
これまでの歴史の中で培われたチームワークと戦う姿勢は、今も変わらず受け継がれている。
全国屈指の強豪チームと対等に戦うため、選手たちは日々の練習に励み、己を鍛え続けている。
長年にわたる努力の積み重ねが、全国大会への出場という結果にもつながっている。

捕手(余市)
リトルシニア最高峰・出場9回の実績
これまでに、全国大会への出場は9回を数える。
日本選手権大会には4度出場し、全国選抜大会にも5度出場。
どの大会でも強豪ひしめく戦いの中で、持ち前のチームワークと粘り強さを発揮し、全国の舞台で存在感を示してきた。
また、国内最高峰の中学硬式野球大会「ジャイアンツカップ」にも2度出場している。
全国から選ばれた強豪チームが集うこの大会においても、チームは全力で戦い、数々の名勝負を繰り広げてきた。

内野手(余市)
7年ぶりの日本選手権大会出場を目指して
しかし、日本選手権・ジャイアンツカップともに、最後に出場したのは2018年(平成30年)。
それ以来、日本選手権・ジャイアンツカップの舞台から遠ざかっている。
強豪チームとしての誇りを胸に、7年ぶりの最高峰の舞台を果たすべく、選手たちは一層の努力を重ねている。
長い歴史の中で培われた伝統と、今の選手たちが持つ新たな力が融合したとき、チームは再び全国の舞台に立つことができるだろう。
2025年シーズン、スローガンに掲げた「心熱く力の限り」を胸に、仲間と共に全国制覇を目指し、挑戦を続ける。

外野手(余市)

新入団員の6年生(余市)
橋本監督が評価!チームの特長を10項目で分析 総合評価は50点
今シーズンのチーム力を測るため、橋本監督に10項目を10段階評価で分析してもらった。
攻撃力や機動力、守備力に加え、精神力や戦略力など多岐にわたる視点で評価を実施。
総合評価は50点と、まだ伸びしろがある一方で、投手力や選手層の厚さがチームの強みとなっていることがわかった。
特に、エースで4番を務める綿路やキャプテンの三間が精神的支柱となり、チームを引っ張る役割を果たす。
さらに、正捕手争いも熾烈で、1年生ながらもバッティングやスローイングに優れた池田崚駕の成長が期待される。
投手陣にも高いポテンシャルを持つ選手が多く、今後の仕上がり次第では大きな飛躍が見込まれる。
全国を目指すためには、精神力や勝負強さの向上が課題となりそうだ。
攻撃力:4
4番・投手を務めた綿路英汰(2年・黒松内・泊・留寿都野球少年団出身)は、勝負強さとパンチ力を兼ね備えている。
1番・3番・捕手を務めた谷口元気(2年・蘭越野球スポーツ少年団出身)は、俊足で打率を残せる攻撃型の捕手だ。
機動力:5
1番・2番を務め、遊撃手兼二塁手として活躍した中村心臥(2年・小樽中央JBC出身)は、チーム随一の俊足を誇る。昨年のレギュラーシーズンでも出場経験があり、安定したプレーを発揮している。
2番・9番を務め、二塁手兼三塁手として活躍した柴田航太朗(2年・黒松内・泊・留寿都野球少年団出身)は、ひたむきに努力を重ねるタイプの選手で、小技を武器としている。
守備力:5
昨年、捕手としての起用に応えた谷口に加え、5番・捕手兼一塁手を務めた三間蒼斗(2年・余市強い子野球スポーツ少年団出身)、中村心らも、チームの守備の要となっている。
また、正捕手争いも熾烈だ!
谷口と三間に加え、1年生の池田崚駕(1年・共和JBC出身)も加わり、競争が激化している。池田はバッティングに優れ、スローイングの速さも光る注目の選手だ。
投手力:6
パワーピッチングが持ち味の綿路に加え、6番・投手兼外野手を務めた作田 健(2年・蘭越野球スポーツ少年団出身)は、左腕で制球力に優れている。
右のサイドスロー北島 空(2年・余市強い子野球スポーツ少年団出身)、力強いボールを投げる谷口、そして左腕の竹内蓮翔(1年・黒松内・泊・留寿都野球少年団出身)は、高いポテンシャルを持つ投手陣。最近の仕上がりを見ても、今後の活躍が楽しみな存在だ。
また、右腕の澤口慶太(1年・黒松内・泊・留寿都野球少年団出身)は、身体能力が高く、今後パワーピッチングにも磨きがかかるのではと期待が寄せられている。
精神力:4
主将の三間と、エースで4番を務める綿路が、精神的支柱としてチームを支えることになるだろう。
層 力:6
外野手を務めた下間翔己(2年・小樽稲穂スラッガーズ出身)は、相手投手の癖を見抜くなど、独特の感性を持つ選手。小柄ながらもひたむきに練習に取り組み、思わず起用したくなる存在だ。
チームワーク力:5
勝負力:4
適応力:5
戦略力:6
総合評価:50
新チームの課題は打撃力強化と守備の連係向上
新チームが全国を目指す上で、克服すべき課題が浮き彫りとなっている。
攻撃面では、バッティングでの力負けが課題だ。特に強豪チームとの対戦では、パワー不足が顕著になり、思うような打撃ができていない。冬の間にしっかりと振り込み、スイングスピードを上げることで打撃力を向上させ、来シーズンに向けて巻き返しを図る。
守備面では、秋季全道大会で内外野の連係がうまくいかず、ミスが目立った。特に外野手と内野手の間での判断ミスがあり、不要な失点につながる場面もあった。これを改善するために、日頃から選手同士のコミュニケーションを深め、互いの動きを理解し合うことを意識している。守備の連係強化を徹底することで、堅い守りを武器にしたチームへと成長を遂げたい。

キャッチボールする余市ナイン
日本選手権を目指し、勝利を積み重ねる!来シーズンへの意気込み
来シーズンに向け、チームは春から一戦一戦を大切にし、勝利を積み重ねることを目標にしている。春の大会での戦いぶりが、そのまま日本選手権へとつながるため、日々の練習と試合を通じてチーム力を高めていく方針だ。
そして最終目標は日本選手権獲りにいきます。。
全国の強豪が集うこの大舞台で勝ち抜くため、今の課題を克服し、一丸となって挑む。春からの戦いを糧にし、日本一を狙いにいくシーズンが始まる!

キャッチボールする余市ナイン
夢を諦めない—ケガと向き合う阿知良梓佑の挑戦 「中学最後の夏、130キロのストレートを目指す」
キャプテン三間くん
悔しさを糧に飛躍誓う!今シーズンこそ見違える活躍を
余市強い子野球スポーツ少年団出身で、現在チームを牽引するキャプテン・三間蒼斗。
昨シーズンは手首の負傷に苦しみ、思うような活躍ができず悔しい思いをしたが、その経験を糧に今シーズンの飛躍を誓う。肩には自信があり、外野手・一塁手・捕手と複数のポジションを経験。
昨シーズンはバッティングで結果を残せなかったが、「今シーズンこそは見違える活躍をしてみせる!」と意気込みを見せる。
そんな三間の将来の夢は「獣医」。
将来の夢に近づくため努力を続け、野球と勉強の両立に挑戦している。
〇三間 蒼斗(みま あおと)
2年・余市強い子野球スポーツ少年団出身
右投げ、右打ち
172センチ、73キロ

三間主将(余市)
Q1)チームの強みは?
練習では、お互いに良い意味で相手の弱点を指摘し合い、鼓舞しながら高め合えるところが特徴です。
その過程で選手たちの闘志が燃え上がり、良い雰囲気を作り出すことができます。
Q2)チームの強みが発揮できた試合は?
秋季全道大会・恵庭リトルシニア戦。
最終回、3点ビハインドの状況でしたが、歓声と応援を背に連打を重ね、一気に逆転。
アウトを一つも取られることなく、劇的なサヨナラ勝利を収めました。
Q3)自分の強みは?
声が大きく、常に先頭に立って声を出し続けられるところが強みです。
Q4)自分の強みが発揮できた試合は?
秋季全道大会・札幌羊ヶ丘リトルシニア戦。
バックホームの声掛けをしたことでアウトを奪い、さらに広い視野を持って三塁をオーバーランしている走者を刺すことができました。
Q5)来シーズンカギになる選手は?
綿路 英汰(わたじ えいた)
Q6)またQ5の理由は?
昨年の悔しい成績を覆すべく努力を重ねた結果、球速や打撃力が格段に向上しました。
その成果もあり、昨年とは見違えるような選手へと成長しました。
Q7)来シーズンに向けた意気込みを!
全員で力を合わせて全国制覇します!

アジリティに汗を流す余市ナイン
<スイングスピード測ってみた>
例年行っている人気企画、選手のスイングスピードを競い合う企画です。
使用されるバットは、今までと変わらず長さ83センチ、重さ800グラムという中学硬式用バットを使ってスイングスピードに挑戦しました。

スイングスピード測ってみた!に挑戦した余市ナイン
★第1位 133キロ
〇神田 大輔(かんだ だいすけ)
2年・朝里H・東小樽合同出身
右投げ、右打ち
173センチ、72キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
北海高等学校
★第2位 131キロ
〇三間 蒼斗(みま あおと)
2年・余市強い子野球スポーツ少年団出身
右投げ、右打ち
172センチ、73キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
北海道岩見沢農業高等学校
★第3位 130キロ
〇綿路 英汰(わたじ えいた)
2年・黒松内・泊・留寿都野球少年団出身
右投げ、右打ち
173センチ、76キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
北海高等学校
★第3位 130キロ
〇池田 崚駕(いけだ りょうが)
2年・共和JBC出身
右投げ、左打ち
166センチ、73キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
北海学園高等学校

スイングスピード測ってみた!に挑戦した余市ナイン・写真左から三間、神田、池田、綿路(余市)
<発行人>
余市リトルシニア・橋本監督が指導で大切にする「自立」の精神
余市リトルシニアの橋本監督が指導において最も大切にしているのは、「自立すること」である。
ただ野球の技術を教えるだけでなく、選手一人ひとりが自分で考え、行動できるようになることを重視している。
その背景には、後志管内の特有の事情がある。後志地域には高校が少なく、中学卒業後に親元を離れて寮生活や下宿生活を送る選手が多い。
そのため、橋本監督は中学時代から「自立する意識」を持たせることが重要だと考えている。
野球のスキルだけでなく、生活面においても自分で考え、行動できるようになることが、今後の人生においても大きな力になると確信しているのだ。
例えば、練習では自分で考え、判断し、行動する習慣を身につけることを求める。
監督やコーチの指示を待つのではなく、「どうすればもっと良くなるか?」を自ら考え、主体的に動くことが求められる。
また、野球以外の場面でも、挨拶や時間の管理、道具の手入れなど、日常生活のすべてが成長の機会になると捉え、選手たちに意識させている。
さらに、親元を離れても困らないように、自分のことは自分でやる習慣を身につけることも指導の一環だ。
食事や洗濯、寮生活での人間関係など、中学時代に少しでも自立した行動を学んでおくことで、高校生活での適応力が格段に違ってくる。
野球が上手くなることはもちろん大事。しかし、それ以上に、自分で考え、行動できる人間になることが、選手たちの未来にとって何よりも重要だと考えている。

余市リトルシニア室内練習場
協力:余市リトルシニア