成長と挑戦を重ね、次なる舞台へ――東海Fイーグルスの新たな一歩

東海Fイーグルス
成長と挑戦を重ね、次なる舞台へ――東海Fイーグルスの新たな一歩
札幌市南区を拠点に活動を続ける学童野球チーム・東海Fイーグルスに、3月2日、チーム訪問させていただきました。
昨年は全道少年軟式野球大会・札幌支部予選で初優勝、全道大会では第3位と躍進。
経験値を積んだ5年生がチームを牽引し、今季は“チャレンジ”をスローガンに更なる高みを目指しています。
藤野剛監督の人間味あふれる指導と選手たちの意識の高さが、チームの可能性を大きく広げています。
★現在、チーム訪問先募集中です!
お問い合わせは大川まで(090-1524-0465)(strikepro.oh@gmail.com)

ランニングする東海ナイン

ダッシュを繰り返す東海ナイン
<活動>
-冬季-
平日:火曜日・南の沢小学校体育館(19~21時)、木曜日・旧札幌南リトルシニア室内練習場(16時半~19時)
土曜:アスリート・南の沢小学校体育館(8時半~12時)、旧札幌南リトルシニア室内練習場(13~16時)
:エンジョイ・南の沢小学校体育館(8時半~12時)
日曜:アスリート・東海大学階段ラン(9~10時)、旧札幌南リトルシニア室内練習場(13~16時)
:エンジョイ・南の沢小学校体育館(10時半~14時)
-夏季-
平日:不定期(指導者の空いたタイミング)南区スワン公園(16~19時)
土日:大会等の活動となる。
<選手>
6年生:5人
5年生:16人
4年生:1人
3年生:5人
2年生:2人
1年生:1人
(2025年3月2日現在)

バッティング練習前にスイングを確かめる東海ナイン
<オープン戦>
(3月)
▽20日(月形多目的衣アリーナ)
北発寒ファイヤーズ
▽22日(豊浦町)
豊浦シーガルス
▽29日(美唄市)
美唄キングフェニックス、滝川空知JBC
▽30日(苫小牧市)
飛翔スワローズ
(4月)
▽5日(札幌市)
札幌オールブラックス
▽12日(日高)
JBC日高ブレイヴ、千歳桜木メッツ
▽13日(苫小牧市)
拓勇ファイターズ

投手(東海)
さらなる飛躍へ――経験と成長を糧に挑む新シーズン
冬季練習真っ只中、チーム訪問で感じた充実の空気
札幌市南区にある旧札幌南リトルシニア室内練習場で冬季練習に励む東海Fイーグルスに、3月2日、チーム訪問させていただきました。
同チームは昨年、全道少年軟式野球大会・札幌支部予選で初優勝を飾り、全道大会では準決勝で優勝チームの東光サンボーイズに8-13と惜敗したものの、堂々の全道第3位という快挙を成し遂げました。

捕手(東海)
苦戦を乗り越えてつかんだ栄光
その道のりは決して平坦ではありませんでした。
2回戦では朝里H・東小樽合同チームに9-8、続く3回戦では北陽レッドイーグルスにも9-8と、いずれも接戦をものにして勝ち上がったのです。
選手たちは最後まで諦めず、粘り強い戦いを見せながら、一戦ごとに成長していきました。

内野手(東海)
全道大会で得た貴重な経験
この全道大会での収穫は非常に大きなものでした。
投手陣は主に現在の5年生で構成され、当時の6年生5人のうちスタメンに名を連ねていたのは3人。
残る出場メンバーの多くは5年生が務めており、若い世代にとっては非常に貴重な実戦経験となりました。
藤野剛監督も「全道大会で一つ勝つたびにチームはどんどん良くなってきた。舞台慣れがチームに自信を与え、良い方向に向かって戦えた」と当時を振り返ります。

外野手(東海)
応援される選手に――指導の根底にある言葉
また、藤野監督は日頃から選手たちに「応援される選手になろう。何より、日々の積み重ねが一番大切なんだ」と語りかけています。
その言葉は、プレーだけでなく人間性を育む指導の根底にあります。
新チーム、選手たち自身が掲げた目標
そして、新チーム始動にあたり、選手たち自身が目標を定めました。
昨年12月7日(土)に行われたチームミーティングでは、「来シーズンに向けて何を目指すのか」を選手たち自身に問いかけたところ、全員一致で「全国、あるいは道外大会を目指そう!」という意志が示されました。
この日を境に、選手と指導者が一丸となって、目標達成に向けた準備が本格的にスタート。
チームは次なるステージに向けて、着実に歩みを進めています。

フリーバッティングに励む東海ナイン
チームスローガンは「チャレンジ」――挑戦する姿勢を全員で称えるチームづくり
今シーズン、東海Fイーグルスが掲げるチームスローガンは「チャレンジ」。
攻守のあらゆる場面で、自ら考え、積極的にプレーに挑戦する姿勢を大切にしている。
近年は、失敗を恐れて消極的になってしまう選手が少なくない中、東海Fイーグルスでは思いきってチャレンジする選手を称える雰囲気がチーム全体に根付いている。
失敗を責めるのではなく、挑戦した勇気と姿勢を評価することが、選手たちの自信と成長につながっているのだ。
その意識は徐々に選手たちにも浸透し始めており、プレー一つひとつに前向きなエネルギーが感じられるようになってきている。

バント練習の様子(東海)
「素顔に寄り添う指導」藤野監督が築く、信頼と一体感あるチームづくり
藤野監督が大切にしているのは、野球の技術指導だけではない。
むしろ、子どもたちの“野球以外での素顔”にこそ、しっかりとフォーカスを当てている。
昼食の時間やオフタイムといった、グラウンドの外で見せる選手たちの自然な表情や会話に耳を傾けることを大切にしており、監督自身もなるべく“子どもたち目線”に立つよう心がけている。
「私も子どもたちも、そっちのほうが楽しいんですよ」と語る藤野監督の言葉には、子どもたちと同じ目線で笑い合い、リラックスした関係を築くことで得られる信頼関係への確信がにじんでいる。
こうした日常の中での自然なコミュニケーションが、選手たちの心を開き、監督自身も子どもたちの本来の考えや性格を理解するきっかけとなっている。
技術的な指導だけでなく、人としてのつながりを大切にすることで、チーム全体の雰囲気は非常に良好だ。
監督と選手が“素のまま”で向き合うことができる関係性は、何よりチームに安心感と一体感をもたらす。
だからこそ、選手たちも心からチームを信頼し、自分らしくプレーできているのだろう。
そして、いざゲームが始まれば、選手たちは一気にスイッチを切り替える。
普段の柔らかな雰囲気から一転、互いに気持ちを引き締め、まさに“一枚岩”となって相手チームに挑む“戦う集団”へと変貌する。
日常のコミュニケーションで育まれた信頼関係が、試合の場面でしっかりと結束力となって表れる。
藤野監督のスタイルは、ただ技術を教えるのではなく、“人”を育てる指導の好例といえるだろう。
チームを強くするのは、グラウンドでのプレーだけではない。
素顔に寄り添い、心に向き合う――そんな藤野監督の指導が、確かな成果としてチーム全体を支えている。

バッティング練習の様子(東海)
藤野監督が語るチーム力10項目を自己評価 総合スコアは64点
今年のチームの現状を客観的に見つめるため、藤野監督が10項目にわたってチームの特長を10段階で自己評価。
それぞれの項目について、主力選手の特徴や今季の成長ぶりを交えながら紹介している。
攻撃力や守備力など、各分野での評価を通じて、チームの強みと課題が見えてくる。
総合スコアは64点と、まだ伸びしろを感じさせる内容だ。

熱心に打撃指導をする藤野監督(東海)
攻撃力:7
昨年、5番・6番打者として一塁手を務めた武田陽向(5年)は、パンチ力のある打撃に加え、器用な一面ものぞかせ、状況に応じたバッティングもできる選手だ。
今年に入ってからはミート力も向上し、さらなる成長が期待されている。
また、4番・三塁手を務めた進藤太陽(5年)は、パンチ力に加えて勝負強さも兼ね備えている。
打席では自分の世界観を持ち、しっかりと結果を残すバッターだ。
機動力:8
1番・二塁手を務めた石川結翔(5年)は、俊足と野性味あふれる鋭い一歩目が魅力の選手だ。
その機動力は守備でも発揮され、数多くの好守でチームを救う場面を何度も見せてきた。
守備力:8
6、7番・捕手を担った佐藤翔音(5年)は、肩が強く、スローイングの精度に課題があったがこの冬の努力で改善の兆しを見せている。
真面目に取り組む姿勢が良く、守備の要となるはずだ。

ブルペンで投げ込みをする佐藤捕手兼投手(東海)
投手力:5
3番・投手兼遊撃手を担っている泉慧太朗(5年)は、身体も大きく制球力もあり緩急も使えて精神的にもタフでピンチの場面でも動じない投手。
頼もしい限りだ。

ブルペンで投げ込みをする泉投手兼内野手(東海)
層 力:7
6、7番・丸山遥輝(5年)は、投手としてマウンドに上るとポーカーフェイスで淡々とゲームを作り、打者を打ち取る術を持っている投手だ。
全道少年軟式野球大会・札幌支部予選決勝では5年生ながら好投を見せ、札幌支部優勝の立役者と言っても言い過ぎではない。

ブルペンで投げ込みをする丸山投手兼内野手
精神力:4
主将で2番・遊撃手兼投手を担った本田慶志朗(5年)は、守備では足の使い方が上手く、ボテボテのゴロなどアグレッシブに攻めの守備を披露してみせる。
投手としても制球力もあり、緩急を使えて投手としての役割もしっかりと果たす。
勿論、チームの精神的支柱となっている。

ブルペンで投げ込みをする本田投手兼内野手
チームワーク力:8
勝負力:6
適応力:5
戦略力:6
総合評価:64
キャプテン本田くん
全国制覇へチームをけん引!
東海Fイーグルスのキャプテン・本田慶志朗(5年)は、遊撃手兼投手として走攻守すべてにおいてバランスの取れたプレーが魅力。
俊足を活かした攻守に加え、常に高い意識を持って練習や試合に臨む姿は、チームの精神的支柱でもある。
言葉とプレーの両面でチームを引っ張る本田キャプテンが掲げる目標は「全国制覇」。
仲間の個性を活かしながら、頂点を目指すシーズンが始まった。
〇本田 慶志朗(ほんだ けいしろう)
5年・右投げ、右打ち
147センチ、34キロ
チームでは遊撃手兼投手を担う、足も速く走攻守にバランスの取れた選手。
意識高めで何事にも一生懸命取り組む姿勢で言葉と自らプレーでチームをけん引する。
<チームの目標>
全国制覇
<今シーズンの意気込み>
一人ひとりの個性を活かして目標にしている全国制覇を成し遂げれるよう頑張ります。

本田主将(東海)
<スイングスピード測ってみた>
今年から学童用バットを使用して、選手のスイングスピードを競い合う企画を始めました。
使用されるバットは、長さ80センチ、重さ560グラムという学童用バットを使ってスイングスピードに挑戦しました。

スイングスピード測ってみた!に挑戦した東海ナイン
★第1位 112キロ
〇進藤 太陽(しんどう たいよう)
5年・右投げ、右打ち
143センチ、45キロ
★第2位 111キロ
〇武田 陽向(たけだ ひなた)
5年・右投げ、右打ち
153センチ、57キロ
★第2位 111キロ
〇石川 結翔(いしかわ ゆいと)
5年・右投げ、右打ち
137センチ、36キロ
★第3位 107キロ
〇泉 慧太朗(いずみ けいたろう)
5年・右投げ、右打ち
150センチ、48キロ

スイングスピード測ってみた!写真左から武田、石川、進藤、泉(東海)
<発行人>
子どもの個性に合わせて選べる2つのコース――東海Fイーグルス 藤野監督の想い
東海Fイーグルスは、札幌市南区・南沢地区にある東海地区を拠点に活動しているチームだ。
自然豊かな環境に囲まれながら、日々元気に白球を追いかける子どもたちの姿がそこにはある。
そんなチームをけん引しているのが、藤野 剛監督。
情熱と柔軟性を併せ持つ指導者だ。
今どきの子どもたちは、野球に対する熱量もそれぞれ。
昔みたいに“みんな一緒に頑張ろう”だけでは通用しない時代になってきてるかもです。
その言葉どおり、チームでは現在、「アスリートコース」と「エンジョイコース」の2つのコースに分かれている。
「低学年のうちは、楽しく体を動かしながら野球に触れていきたい」
そんな子には“エンジョイコース”がぴったりだ。
無理なく、でもきちんと基本は学べる。
何より「野球って楽しい!」という気持ちを育てることを大切にしている。
一方で、
「もっと上手くなりたい」
「大会で活躍したい」
「野球を通して自分を鍛えたい」
という意志の強い選手には“アスリートコース”が用意されている。
一人ひとりの「やる気」に寄り添い、そのステージに応じた指導をしていく。
それが藤野監督のスタイルだ。
やらされる野球ではなく、自分から“やりたい”と思える環境をつくりたい。そうすれば、野球が好きな気持ちはずっと続いていくと信じて疑わない。
親子の間でも野球に対する温度差があるのが当たり前の時代。
だからこそ、こうして選択肢があるのはありがたいことだ。
大切なのは、子どもたちが無理なく、でも確かに成長していける環境。
東海Fイーグルスには、そのための土壌が整っている。
そして何よりも、野球を通して「人としての成長」まで見据えている藤野監督のまなざしは、
これからも多くの子どもたちの背中を押してくれるはずだ。
今年の活躍も、きっと“笑顔と成長”に満ちたものになるに違いない。
それぞれのペースで、それぞれの目標に向かって――東海Fイーグルスの挑戦は、まだまだ続いていく。

整列して指導者の話に耳を傾ける東海ナイン