この冬で、未来を変える北広島シニア――先輩に続け、夢への挑戦

北広島リトルシニア
このひと冬が、未来を変える――先輩に続け、夢への挑戦
北広島市で冬季練習に励む中学硬式野球チーム・北広島リトルシニア。
3月15日、春の本格始動を前にチームを訪問した。
厳しい寒さのなか、選手たちは全国を目指し、熱気あふれるトレーニングで日々技術と精神力を磨いている。
チームを刺激するのは全国で活躍する先輩たちの存在だ。
★現在、チーム訪問先募集中です!
お問い合わせは大川まで(090-1524-0465)(strikepro.oh@gmail.com)
全国で活躍するOBたち――夢はここから始まった
チームの士気を大きく高めているのが、OBの存在だ。
3年前、野球留学で京都国際高等学校へ進んだ高岸栄太郎選手と澤田遥斗選手の活躍は、まさにチームの誇り。
厳しいレギュラー争いを勝ち抜いた2人は、高校1年秋から新チームの主力として活躍。
3年春のセンバツ大会では惜しくも初戦で青森山田高校に3-4で敗戦するも、夏の京都府予選を接戦で制し、念願の甲子園出場を果たした。
そして迎えた夏の全国大会。
準決勝では青森山田に3-2でリベンジを果たし、決勝では関東第一を2-1で下し、初優勝の栄冠に輝いた。
その中心にいたのが、まさにこの2人だ。
それぞれの次のステージへ――プロと大学、それぞれの夢
澤田選手は、俊足スイッチヒッターとして評価され、埼玉西武ライオンズから育成5位指名を受けプロの世界へ。
高岸選手は、さらなる成長を求めて中京大学へ進学し、4年後のプロ入りを目指している。
全国の舞台で活躍するOBたちの姿は、現役選手たちにとって何よりの刺激であり、目標そのもの。
彼らの背中を追い、今の選手たちも日々の練習に励んでいる。

澤田、高岸先輩と北広島ナイン

夏の甲子園大会・優勝メダル
夢を諦めない—ケガと向き合う阿知良梓佑の挑戦 「中学最後の夏、130キロのストレートを目指す」
<活動>
平日:練習は、学年別に曜日を割り当てて行っています。
(火)1、2年生練習
(水)6年生練習
(木)1、2年生練習
各曜日共通(18:30~21:00)
土日:8時から16時、バッテリーは17時半ころまで
<選手構成>
3年生:14人
2年生:13人
1年生:17人
6年生:18人
(2025年3月15日現在)

ランニングに汗を流す北広島ナイン
<オープン戦>
3月)
22日:洞爺湖、小樽(洞爺湖)
29、30日:とかち帯広(十勝)
4月)
05日:北空知深川(会場未定)
12日:札幌南(札幌南G、北広島G)
13日:札幌大谷(札幌大谷G)
20日:札幌豊平東(北広島G)

投手(北広島)
<3年生注目進路>
札幌光星、札幌大谷、文教大附、とわの森、旭川龍谷、北海道栄。
道外には関西創価。
他は公立受験。
<卒団した3年生へのメッセージ>
-清水川監督からメッセージ-
これからの3年間、君たちがどのように成長していくのか、とても楽しみです。
高校生活の3年間を目一杯、意味があり、後で後悔しないよう過ごして下さい。
各自のそれぞれの活躍を期待しています。

捕手(北広島)
<OBの活躍>
甲子園を懸けた全道大会で北広島リトルシニア出身でベンチ入りを果たした選手は下記の通り紹介致します。
第106回全国高校野球選手権甲子園大会
-夏の甲子園―
★全国制覇★
<京都国際>
高岸 栄太郎(3年)
澤田 遥斗(3年)
-夏の甲子園を懸けた-
第106回全国高校野球選手権京都府大会
<京都国際>
高岸 栄太郎(3年)
澤田 遥斗(3年)
第106回全国高校野球選手権南北海道大会
<札幌光星>
粕谷 脩真(3年)
福本 悠斗(2年)
<立命館慶祥>
徳永 蓮(3年)
<札幌国際情報>
芳賀 遥來(3年)
<とわの森三愛>
出雲崎 紘(3年)
右井 虎鉄(3年)
<札幌第一>
成澤 柊弥(3年)
<知内高校>
鈴木 琉将也(3年)
-春のセンバツ甲子園を懸けた-
第77回秋季北海道高等学校野球大会(新人戦)
<札幌光星>
福本 悠斗(2年)
第77回秋季北信越高等学校野球大会
<帝京長岡>
宗 悠斗(2年)
第77回茨城県高等学校野球大会
<常総学院>
武藤 カイ(2年)

内野手(北広島)
秋の悔しさを胸に――再スタートを切った新チーム
新チームは昨秋の秋季全道大会(新人戦)でEブロックに所属し、1勝3敗1分という悔しい結果に終わった。
清水川貴知監督は「昨秋は打撃も守備も、まだ指導陣が思い描くイメージには達していなかった」と振り返る。
それでも、「秋季大会後の基礎練習を通じて、選手たち一人ひとりの成長が着実に感じられるようになってきている」と前向きな手応えも感じている。

外野手(北広島)
投手陣が台頭――最速130キロ超の力強さ
特に目を引くのが投手陣の成長だ。
成田愛衹選手(2年・鉄東スワローズ出身)と松岡俊汰選手(2年・大曲ファイターズ出身)は、ストレートの最速がすでに130キロを超えるまでに成長。
さらに、増井瑛大選手(2年・西部ホワイトファング出身)、河嶋幸寛選手(1年・平岡カウボーイズ出身)、佐賀井杏詞選手(1年・厚別ファイターズ出身)らも130キロに迫る勢いで急成長中だ。

新入団員の6年生(北広島)
和歌山遠征で成果を実感――全国レベルとの比較で見えた課題と手応え
2025年1月に行われたリトルシニア野球和歌山大会では、2勝1敗1分と健闘。
交流戦では1勝1敗という成績を残し、秋季大会後の成長を実感する機会となった。
選手層も厚く、チーム力向上へ――コンタクト力・長打力も進化中
昨秋スタメンだった選手以外も力をつけ、コンタクト力・長打力ともに向上。
層の厚さは確実に増しており、チーム力の底上げが進んでいる。

ウォーミングアップに側転を行っていた北広島ナイン
「勝負強さと総合力の強化へ――新チームが掲げる課題と挑戦」
新チームが掲げるテーマは、「勝負強い打撃」と「守備力の底上げ」。
昨秋の悔しさを糧に、着実にレベルアップを目指している。
■ 攻撃面の課題と取り組み――“1球で仕留める”勝負強さを武器に
打撃面では、「1球で捉える勝負強さ」をテーマに掲げている。
背景には、秋季全道大会・リーグ戦で対戦した「小樽リトルシニア戦」の悔しさがある。
シーソーゲームとなったこの試合、最終的には7対8で競り負け、あと一歩のところで勝利を逃した。
この経験から、「打ち負けない打線の構築」と「勝負強さの強化」はチームにとって最優先課題となった。
大会以降、バッティングは“ウォーミングアップ前にまず最初に打ち込む”という方針で取り組んでいる。
チームとして最も大切にしたいことを一番初めに行う――その意識の高さが、選手たちの意識と技術を押し上げている。
■ 守備面の課題――全体の底上げで安定した試合運びを目指す
守備面では、「チーム全体の底上げ」が課題だ。
個々の守備力だけでなく、連携や判断力、試合中のポジショニングなど、細かな部分まで徹底して見直している。
どんな場面でも安定した守りができるように、基礎練習やケース対応を重点的に強化中だ。
攻撃も守備も、“勝てるチーム”を目指すうえで避けては通れないテーマ。
昨年の悔しさを忘れず、一歩ずつ着実に成長を積み重ねていく新チームの挑戦に注目だ。

バッティング練習に励む北広島ナイン
ポジション白紙化で競争スタート――全員が主役になれるチームづくりへ
今シーズンに向け、チームは大きな決断を下した。
すべてのポジションを一旦白紙に戻し、コンバートも含めた再編成をスタート。
これにより、どの選手にもチャンスが広がり、真の実力主義で春・夏の大会に挑むことになる。
監督・コーチ陣は、選手たちの日々の練習への取り組み方や姿勢、練習試合・紅白戦でのプレー内容をしっかりと見極め、ベストな布陣を見出していく方針だ。
ただ与えられるのではなく、自らの力でポジションを勝ち取るシーズン。
すでにその戦いは始まっている。
ピッチャー、キャッチャー、内外野すべてが入れ替わる可能性もあり、選手たちは一人ひとりが自分の存在価値を示そうと必死に汗を流している。
この環境こそが、チームの底力を引き出す。
熾烈なポジション争いを通して、選手たちは技術だけでなく、精神面でも一回り成長していくに違いない。
「全員が主役」になれるチームづくりを目指して、北広島シニアは新たな一歩を踏み出している。

バッティング練習に励む北広島ナイン
スローガンは「夢、叶うまで挑戦!」――新チームのテーマは“凡事徹底”で土台強化へ
北広島シニアの新チームが掲げたスローガンは、「夢、叶うまで挑戦!」。
この言葉には、「目標に向かって粘り強く努力を続ける姿勢」「途中で諦めることなく挑戦し続ける精神力」が込められている。
選手一人ひとりが、自らの夢に真っ直ぐ向き合い、それぞれの舞台で輝くことを目指している。
そのスローガンに基づき、今シーズンのテーマとして掲げられたのが「凡事徹底」だ。
派手なプレーや目立つ技術よりも、当たり前のことを当たり前にやり切る姿勢――キャッチボール、声出し、あいさつ、道具の扱い方など、日常の小さな行動を大切にすることで、チームとしての土台を固めていく。
「夢、叶うまで挑戦!」という言葉の実現には、まず足元を固めることが必要不可欠。
そのためにも“凡事”をおろそかにせず、どんな場面でも丁寧に、誠実に取り組むことが求められている。
毎年、チームのテーマはスローガンに沿って変化していくが、今年の「凡事徹底」は、まさに選手たちの心と行動を一致させる大切なキーワード。
挑戦し続けるチームの礎として、今後の飛躍に繋がる1年となるはずだ。

指導者の話に耳を傾ける北広島ナイン
清水川監督が語る“現チームの現状”――10項目10段階評価で見えたチームの強みと課題
北広島リトルシニアの清水川監督が、現チームの特徴を10項目・10段階評価で分析。
各分野の評価からは、総合的なバランスと今後に向けた課題、そして全員がカギを握る“チーム一体型野球”の姿勢が見えてくる。
■ 10項目・10段階評価(監督評価)
- 攻撃力:6
- 機動力:6
- 守備力:6
- 投手力:6
- 層の厚さ:8
- 精神力:6
- チームワーク力:8
- 勝負力:6
- 適応力:6
- 戦略力:6
総合評価:64
■ 注目ポイントと監督コメント
-
攻撃力のカギとなる選手は?
「全員です」
→一人の長打力より、つながりを重視したチーム打撃が特徴。 -
機動力のカギとなる選手は?
「全員です」
→全員が走れるチームを目指し、ベースランニング強化に取り組む。 -
守備力のカギとなる選手は?
「全員です」
→全体の守備レベルを上げることがチームの安定感に直結。 -
投手力のカギとなる選手は?
「投手全員です」
→先発、中継ぎ、抑えと各ポジションに期待がかかる。 -
精神力のカギとなる選手は?
「全員です」
→勝負どころで踏ん張れる強い心を全員で育てていく。
バランスの取れた評価の中で、「層の厚さ」と「チームワーク力」が8点と高評価を得ている点は、北広島シニアの特長とも言える。
個々の力に頼るのではなく、「全員で戦う野球」を体現するチーム。
今後、各分野の評価を一段階ずつ上げていけるかが、全国大会出場へのカギとなりそうだ。

発行人を見つめる北広島ナイン
キャプテン三幡くん
【つながる打線と堅守で全国へ】
北広島シニア・三幡郁斗が語る今季のキーマンと意気込み
堅実な守備力でチームを支える三幡郁斗(北広島イーストグローリー出身)。
「つながる打線」が強みという北広島シニアの一員として、秋季全道大会や和歌山大会での手応えを語る。
今季はテンポ良く試合を作る投手陣にも注目し、「全員野球で全国大会へ」と力強く意気込みを語った。
〇三幡 郁斗(みはた いくと)
2年・北広島イーストグローリー出身
右投げ、右打ち
167センチ、61キロ

三幡主将(北広島)
Q1)チームの強みは?
つながりの良いバッティング。
Q2)チームの強みが発揮できた試合は?
秋季全道大会(新人戦)
小樽リトルシニア戦
初回表に2点献上を許すも、その裏連打、連打で無死一、二塁のチャンスに3番・松岡俊汰(2年・大曲ファイターズ出身)が、ライトオーバーとなる2点タイムリーを放った試合。
Q3)自分の強みは?
守備力。
Q4)自分の強みが発揮できた試合は?
今年1月、和歌山県で開催された2025リトルシニア野球和歌山大会において、同じく北海道から出場した札幌羊ヶ丘リトルシニアとの一戦。
スタートの一歩をしっかりと切ることができ、際どい打球もアウトにできた場面が印象的だった。
Q5)今シーズンカギになる選手は?
成田 愛衹(2年・鉄東スワローズ出身)、増井 瑛大(2年・西部ホワイトファング出身)
Q6)またQ5の理由は?
成田、増井の両投手はテンポよく投げるため、守備もリズムよくプレーでき、その良い流れが攻撃にもつながり、チーム全体がリズムよく試合を進めることができます。
Q7)今シーズンに向けた意気込みを!
全国大会に出場できるよう全員野球で頑張ります!

ランニングする北広島ナイン
<スイングスピード測ってみた>
例年行っている人気企画、選手のスイングスピードを競い合う企画です。
使用されるバットは、今までと変わらず長さ83センチ、重さ800グラムという中学硬式用バットを使ってスイングスピードに挑戦しました。

スイングスピード測ってみた!に挑戦した北広島ナイン
★第1位 134キロ
〇松岡 俊汰(まつおか しゅんた)
2年・大曲ファイターズ出身
右投げ、右打ち
168センチ、70キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
駒澤大学附属苫小牧高等学校
★第1位 134キロ
〇犬石 心太郎(いぬいし こたろう)
1年・平岡カウボーイズ出身
右投げ、右打ち
175センチ、80キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
札幌大谷高等学校
★第2位 133キロ
〇小野寺 悠真(おのでら ゆうま)
2年・ポルテ札幌東出身
右投げ、右打ち
175センチ、73キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
駒澤大学附属苫小牧高等学校
★第3位 130キロ
〇西郷 智哉(さいごう ともや)
2年・豊園ウイングス出身
右投げ、右打ち
167センチ、69キロ
Q)着てみたい道内の高校野球のユニフォームは
札幌大谷高等学校

スイングスピード測ってみた!写真左から小野寺、松岡、犬石、西郷(北広島)
<発行人>
驚異の身体能力を誇る二刀流アスリート――北広島シニア・外山凱士
北広島シニアに、とびきりの運動能力を持つ選手がいる。
新2年生の外山凱士(とやま かいと)だ。
取材日の終盤、彼は学校の授業を終えてから練習に駆けつけてきた。
この日は土曜日。
しかし、外山くんが通う立命館慶祥中学校は、土曜も午前授業がある。
週末の練習参加は、授業を終えてからになるのが常だ。
そんな彼に注目していたのが清水川監督だった。
「この選手、めちゃめちゃ足が速いんですよ」と紹介を受け、取材を進めていくうちに、彼の“すごさ”が次々と明らかになった。
実は外山くん、札幌市スポーツ協会が主催する『さっぽろジュニアアスリート発掘プロジェクト生選考会』において、見事な成績を収めている。
これは毎年開催されている、将来有望なジュニア選手を発掘するプロジェクトで、「スポーツ能力測定会」などを通じて選抜が行われる。
この年の応募者は実に1900人。
その中からまず15名が選抜され、さらに絞られたわずか4名の“トップアスリート候補”のひとりに、外山くんの名前があったのだ。
その後、彼は南部忠平記念陸上競技大会に出場し、全道3位入賞という素晴らしい結果を残している。
野球選手でありながら、陸上競技でもトップクラスの成績を残すという、まさに“異次元のフィジカル”の持ち主である。
さらに驚いたのは、野球面での身体能力だ。
スイングスピード企画では、なんと130キロに迫る数値を叩き出している。
そのパワーと瞬発力は、打撃でも十分に武器となっており、これからの成長が非常に楽しみな選手だ。
走・攻・守すべてにおいてハイレベルなポテンシャルを持つ外山くん。
彼が今後どんな選手に育っていくのか――その成長を、これからも見届けていきたい。
〇外山 凱士(とやま かいと)
新2年・厚別ファイターズ出身
右投げ、左打ち
160センチ、60キロ

外山君(北広島)