お手入れにおける「ブラッシング」の重要性
【札幌市南区の野球専門店】スポーツショップ古内の社長
古内克弥のコラム No.50
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お手入れにおける「ブラッシング」の重要性
こんにちは、古内克弥です!
今回は、僕が最近ブラシを購入する際に、ブラシ職人さんに熱く語ってもらった「ブラッシング」の重要性についてお知らせいたします。
このブラシの話は、僕自身、十数年販売してきたのに、初めて知ったことがあって、きっとこのコラムをお読みいただいている方にも
「ヘ〜!!!そうなんだ!?」
と、ご興味を持っていただけるのではないかと思います。
それではどうぞ!
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ブラシの平野
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先日僕は、家族で「ブラシの平野」という、1942年創業のブラシの会社が三越に出店していたため、ヘアブラシを買いに行きました。
その店先には、ヘアブラシ以外にも、毛玉を防ぐブラシ、風呂掃除ブラシ、食器洗いブラシなどなど、たくさんの種類が並んでいました。
そこでひときわ輝いて僕の目に映ったのは、
「革製品専用ブラシ」
でした。
あ、知ってましたか?
余談になりますが、ヘアブラシは、猪の毛を使っているんです。
これ、どうしてかというと、猪の毛はとても丈夫なのですが、先端3cmくらいが柔らかく、そこ以外は硬く出来ています。
毛の先まで硬すぎると頭皮を傷つけてしまうのですが、こうして柔らかくすることによって、程よいマッサージ効果があるのだそうです。
そして、革専用ブラシには、豚の毛が使われています。
豚の毛は硬い毛で、なかなか折れることのない毛です。
そして、この毛の硬さが、革製品の毛穴の汚れをすっきりと取り除くのに、ちょうど適した硬さとなっているそうなんです。
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野球用品用のブラシ
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野球用品に使うブラシは豚の毛と馬の毛の2種類があります。
豚の毛のブラシ
馬の毛のブラシ
先ほど、革製品には豚の毛のブラシを使う、とお伝えしましたが、実は場合によっては馬の毛を使うこともあります。
馬の毛は、豚の毛に比べるとずいぶん柔らかく、
「ファサ、ファサ」
といった感じです。
この柔らかい馬の毛は、お手入れの“仕上げ”として使います。
どうして豚と馬を使い分けることがあるのでしょうか?
それは、オイルやクリームの性質に答えがありました。
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オイルを崩す/豚
オイルを伸ばす/馬
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オイルやクリームというのは、性質上、固い素材なのだそうです。
「う〜ん・・・固いかなぁ?」
と疑問に思われる方がたくさんいらっしゃると思いますが、
まぁ聞いて下さい(笑)
このオイルやクリームを塗った後、
固いオイルの分子を、豚の毛の硬さによって、崩し、伸ばしやすくする。
そうすると、分解されたオイル成分は、より革に浸透しやすくなっていくわけですね。
その浸透したオイル成分を、さらに伸ばすために、馬の毛のブラシはあるわけです。
なので、
順番を逆にして馬の毛から始めた場合は、オイルが崩れなくて全然伸びません。
まずは豚の毛のブラシから始めて、その後に馬の毛のブラシを使うようにしましょう!
(これは固形オイルについてお話ししています。スクワランオイルなどは、柔らかい成分だから伸びやすいのだと思います)
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革本来の油分を活かす
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グラブに限らず、多くの革製品には、その革が本来持っている油分があります。
お手入れ前にブラシを使うと、豚の毛の硬さにより、革の中を刺激して、油分をジワ〜っと染み出させる効果もあるのだそうです。
革本来の油分を内側から浮き立たせていくことができたなら、特にオイルを入れなくても大丈夫です。
オイルは2週間くらい塗らなくても大丈夫というのは、こういう理由もあったんですね。
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靴磨き選手権で
優勝するには?
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靴磨きって見たことありますか?
駅や空港などで、革靴の磨き職人さんが、シューズクリームとブラッシングにより、ピカピカに仕上げてくれる光景を見たことはないでしょうか?
実は靴磨きの職人さんたちには大会があって、
「どれだけ綺麗に靴を磨いたか」
というのが評価基準になるのですが、
もう一つの評価基準がございます。
それは、
「どれだけクリームを“使わなかったか”」
というのが評価基準になるのです。
つまり、
「どれだけ革本来の油分を活かしているか」
ということが評価につながるのだということです!
ブラシ職人さんは言いました
「グラブのお手入れをするのも、革本来の油分を活かせば、オイルはそんなに必要ないのです。私たちが革製品をブラッシングしてオイルやクリームを塗る時は、小指の先に“ちょこん”と乗せた分だけです。是非試してみて下さい」
と。
僕は早速、会社のグラブにオイルを塗る際に
小指の先にちょこんとオイルを乗せて
それを捕球面に置いて
豚の毛のブラシで伸ばしてみました。
すると、
確かにめっちゃくちゃ伸びる!!!!!!
小指の先に乗せただけのオイルで、捕球面全体を塗ることができました!
今まで、ブラッシングは「泥落とし」の役割で使っていました。
しかし、実は「オイルを伸ばす」ためにも物凄く役立つことがわかりました!
さぁあなたも、豚の毛のブラシをお持ちなら、
早速オイルを伸ばしてみましょう!
オイルの伸びが良くなることに気づけると思います!
ブラシ職人さんに
「グラブをお手入れするのなら、ドロ落とし用とオイルを伸ばす用と、余裕があれば馬の毛の仕上げ用と、使い分けるといいですよ」
とアドバイスをいただきました。
今後僕は、「ブラシの平野」で買ったブラシ(2500円くらい)は、
「オイル伸ばし用」
にしようと思いました!
いやぁこのブラシ、ほんっとうに素晴らしかったので、仕入れられないのかなぁと思って問い合わせたのですが、
仕入れられませんでした(笑)
いつか皆さんに、いつでもお届け出来る体制を作れたらなぁと思っています。
頑張ります!!!
あなたも楽しんでお手入れして下さいね!
ドロ落とし用のブラシ
オイルを伸ばすためのブラシ
磨き、仕上げるためのブラシ
3つ用意して、最高のグラブにしましょう!
お問い合わせは(TEL:011-591-3587)
こちらまで!
ユーチューブでも解説しております。
リンク:https://www.youtube.com/watch?v=xgx2Arbp5Hg&t=1s
今回のコラムはいかがでしたか?
お手入れは、ただ手順さえ守っていればいいと思っていましたが、
それぞれの役割を深く知ると、とっても面白いですよね!!!
僕はもう興奮しすぎて、その職人さんにたくさん質問してしまいました!
革のお手入れ以外にもたくさん聞くことができて本当に楽しい時間を過ごしました。
あなたも、機会があればその道のスペシャリスト、職人さんにどんどん質問したりして、知識を深めて下さいね!
もしも、「わかりやすい」「わかりづらい」「ここってどうなの?」「あれ?間違ってない?」などございましたら、お気軽にメールしてくださいね。
↑感想、質問、「こんな話が聞きたい」などございましたら、こちらまで!
バックナンバー
No.1 「綺麗な肌は好きですか?」
No.2「将来の夢はグラブ職人!?」
No.3「お手入れのコツは「手洗い」
No.4「グラブづくりイベント」
No.5「赤ちゃんに学ぶ、外角低めの克服法」
No.6「グラブのポジション別の特徴」
No.7「グラブ作りに挑戦!」
No.8「投手用グラブ タテ型派、ヨコ型派をわかりやすく解説」
No.9「失敗しないグラブ選び(2-1)」
No.10「失敗しないグラブ選び(2-2)」
No.11「バットの種類と違い」
No.12「バットの種類と違い2:複合バットについて」
No.13「源田選手のグラブについて」
No.14「野球セール ベースボールフェア予告」
No.15「新軟式ボールについて」
No.16〜17はセールの予告でした。
No.18「専門店のグラブの提案の仕方」
No.19「流行りのアンダーシャツ」
No.20「新発想のスパイク誕生!ブロックソール」
No.21「ブロックソールは中学校、高校でも使えるの?」
No.22「肘・肩・怪我予防ブレイスレボサポーター」
No.23.「中学軟式野球春季大会 古内杯 をレポート」
No.24.「塁間が0.1秒速くなる靴紐の結び方」
No.25.「塁間が0.1秒速くなるシューズのサイズの選び方」
No.26.「グラブの深さの見分け方」
No.27.「スポカルのご案内」
No.28.「スポカル」
No.29.「人気のドナイヤが仲間入り」
No.30.「ドナイヤポジション別<グラブ>のご紹介!」
No.31.「ドナイヤ ポジション別グラブのご紹介-2」
No.32「ドナイヤ ポジション別グラブのご紹介-3」
No.33「ドナイヤ ポジション別グラブのご紹介-4」
No.34「僕とアイピーセレクトの出会い」
No.35「2019年秋の新商品【グローブ】」
No.36古内社長のホームページ活用法
No37守備率10割のグラブ、その名も「ウィルソン」
No.38.「守備率10割のグラブ その名も「ウィルソン」その2」
No.39「守備率10割のグラブ その名も「ウィルソン」その3」
No.40「ボールの投げ方「フォーシーム」「ツーシーム」」
No.41球の回転数と球質の重さについて
No.42スポーツショップ古内改装計画!
No.43創業感謝祭のお知らせ!
N0.44キャッシュレス決済の還元が凄い!
No.45鳥肌もののクオリティ【佐藤グラブ工房】のグラブ!
No46新商品のご紹介<フィールドフォース>
No47ゼットの源田選手モデルの型
No48思い出のカード
――――――――――<コラム著>――――――――――

古内克弥氏
株式会社スポーツショップ古内
代表取締役社長 古内克弥
1982年4月15日生まれ
小学5年生の時に家業であるスポーツショップ古内の販売をお手伝いした時に、接客の楽しさを経験し、将来の夢を「スポーツショップ古内をでっかくする」に設定する。
サッカー、バレーボールをメインに15種目ほどの競技を学び、大学で経営学を学んでゼット株式会社に入社。
ゼット株式会社では、グラブ工場で一年間グラブ製作に携わり、グラブの知識を覚える。
三年間の修行を経てスポーツショップ古内に入社する。
2017年、代表取締役社長に就任。
2017年、CSR経営表彰-地域貢献部門-で受賞
2019年、さっぽろgood商い賞受賞
「札幌をスポーツカルチャー人口日本一にする」をゴールとした、札幌市のスポーツ&カルチャーフェスティバル「スポカル」の副実行委員長もつとめ、スポーツ普及に携わる。
学校や企業への講演依頼も年に10回ほど受け、経営、マーケティング、地域活性化などのテーマで話をしている。
(依頼はほぼないと思いますが)講演は「ストライクを見た」で、無料で行います。
ホームページはこちらです